27話 神様!異世界で初デートです!中編
いけない!遅くなってしまった!
弁当に力を入れ過ぎて、飲み物を用意するのを忘れてしまったのだ。だから、余計に時間をロスする事となる。
部屋に戻ると、扉が少し開いていた。
あれ?ミネアさん来てるのか?待たせて悪いなぁ!慌ててそこへ駆け寄った。だが、そこには誰も居ない。
スレ違いだったのか?
ふと、床を見る。そこには水滴の跡が付いていた。・・・もしかして?不安が過る。
デートに誘われた相手が部屋に居なかった。だから、騙されたと思ったかもしれない。この水滴の跡は涙なのか・・・。僕は馬鹿だ!
急いでミネアさんの部屋に行く!
コンコン!
「ミネアさん!ミネアさん!ハオです!」
返事は無い。しかし、このまま引き下がる事は出来ない。
僕は扉を開けた。しかし、そこには誰も居なかったのだ。
どうする!?
探さなくては!でも、何処を探せばいい?宛も無く探すのは無謀といえよう。ふと、頭に過る。マチルダ様ならば何とかしてくれるのでは?
僕は頭を振った。
ダメだ!情けない!マチルダ様の手を煩わせる等、最悪だ。僕はお弁当を背負い、外に走り出す。
「あらぁ?あれはハオさんじゃないですかぁ?」
「ハオがとうしたの?」
「この間のぉ、バケットを担いでぇ、外へ出て行きましたよぉ」
「………そう」
マチルダは一瞬、悲しそうな顔をする。
が、直ぐにいつもの表情を取り戻した。
「はぁ!はぁ!はぁ!」
急いで外に出たが、ミネアさんを見つける事は出来なかった。他に行きそうな場所は解らない。くそ!詰んだのか!?
もしかしたら、水汲み場に居るかもしれない。
藁にもすがる思いで、僕は走り出した!
「ぜぇ!ぜぇ!ぜぇ!はぁ!はぁ!はぁ!ふぅ」
やっぱり居なかった。
大粒の汗が頬を伝う。やけに弁当が重い。太陽の照り付ける日の光に、僕は見上げて、ただ呆然と眺めていた。
「ハオさん」
声がする方を見ると、フローラさんが居た。
「フローラさん!ミネアさんを見てませんか?」
「ミネアですかぁ?」
「待ち合わせしたのですが、お弁当作ってたら遅刻して・・・それでいなくなっちゃったんです」
「それでぇ、バケットを持参しているんですねぇ」
「僕はどうしたらいいのか・・・」
「ミネアならぁ、そこに居ますよぉ?」
フローラさんは木陰を指差す。
そこには、こちらを申し訳なさそうに見ているミネアさんが居た!僕は駆け寄る!すると、ミネアさんは後退りするのだ。
「………来ないで」
「ミネアさん、すいません。
お弁当作ってたら、遅れてしまいました。あはははは」
目を赤くし、瞼は少し腫れている。
多分、泣いたのだろう。ミネアさんを泣かせてしまった。僕は罪悪感に苛まれる。くそ!僕は何をやってるんだ!
手を伸ばす。
「嫌!来ないで!!」
「何故ですか?」
「………恥ずかしいじゃない。部屋でもう少し待てば良かったのに」
「どういう意味ですか?」
「トイレに行ってるかもしれない………お弁当の事も頭になかった………僕はお馬鹿じゃないか!?ハオにデートに誘われて、浮かれて部屋に行ったの!そしたら、ハオが居ないじゃない!からかわれたと思った!何でこんな簡単な事を、勘違いするかなぁ!?うっ、うっ」
ミネアさんは勘違いしていたのか。
僕が部屋に居なかったのは、騙されたと思ったからだ。だから床に水滴の跡があったのか。悲しくて泣いて、それで出ていった。
「ミネアさん、僕は来ましたよ。これからデート行きましょう!」
「どの面下げて行けっていうのよ!無理!僕なんか放っておいて、フローラと行けばいいじゃない!?…………はっ!?あ、…………ごめんなさい」
ミネアさんが行ってしまう!
僕はミネアさんの腕を掴んだ!振りほどかれそうになる!でも、ここで離したら男じゃないだろ!
「もう!嫌!離して!?」
「絶対に!離しません!!」
僕は思いっきりミネアさんを引き寄せた!
そして、抱き締める!柔らかい感触が僕を包み込んだ!良い匂いがする。これはバラの香りだな。ミネアさんの頭に手を乗せた。
「うえん!えっ!ひっく!あああああ!!」
「大丈夫。僕は怒ってませんから」
僕の肩に大粒の涙が零れた。
ミネアさんは大泣きしたのだ。そして、僕を強く抱き締める!痛い!痛いよ!爪が!刺さってるよぉ!!
頭を撫でていると、ミネアさんは大人しくなった。
もう涙も枯れたようだし、大丈夫だろう。ふと、視線を感じる。そういえば誰か居たなぁ。
「ハオさん!私お腹一杯にさせられたですぅ!」
「ひゃ!?」
「ミネアもぉ、ハオさんにくっつき過ぎですぅ!!」
「あわ、あわ!」
ミネアさんは恥ずかしそうに飛び跳ねた!
僕も横に離れる。うわぁ!やらかしたぁ!恥ずかしい!顔が熱いぞ!
「これからどうするのですかぁ?」
ミネアさんは僕を見る。
決めて欲しいのだろう。自分から言えないよな。
「ミネアさん、デート行きましょう!時間もあまりありませんが………この辺りを散歩ってのはどうですか?」
「………うん」小声
「ではぁ、私は帰りますねぇ」
「ご迷惑おかけしました」
「いえいえ。マチルダ様に報告しますからぁ♪」
「それは勘弁して!?」
フローラさんは無~理~と言って立ち去って行った。
「ミネアさん案内お願いしますね?」
「ちょっとだけだぞ………」
うわぁ!?
可愛い!ミネアさんのデレ最高!!こうして、僕達はデートというなの散歩をする事になった。




