20話 神様!どうしてこうなったの?
ゴロゴロゴロ!
ゴロゴロゴロ!ゴロゴロゴロ!
マチルダ様がベッドで転がっている。
嬉しくて嬉しくて、堪らないご様子だ。お茶会が超が付く程の反響だったからである。
紅茶とサツマイモタルトの問い合わせで、ミネアさんとフローラさんも大忙しと、部屋を出たり入ったりしている。勿論、僕も忙しい。
主にマチルダ様のお相手をするのにだが。
レシピは僕が説明する必要は無いし、考案したヒント等は二人も知っている。だから、わたくしの話し相手をなさい!と言われ、僕はこうしてベッドの傍らにいた。
「シーアったら、もう10個も購入依頼をしてきたのですよ♪レイア様ったら、領地にサツマイモ畑をもう切り開いたそうよ!ミッシェル様は、レシピを開示して欲しいって、もうわたくしはどうすれば良いのでしょうね?ハオ?」
「ははは。マチルダ様の思う様にされては如何でしょうか?」
マチルダ様が頬をプーッと膨らませる。
「ハオが考えたのです!わたくし一人で決めて良い事ではありませんよ!」
「そう言われましても。僕の手柄はマチルダ様の手柄では御座いませんか?」
「それは………そうですけども………」
僕がベッドに腰掛けると、マチルダ様も隣に座った。手をモジモジさせ、何か言いたそうだ。こういう場合は、何か褒美を要求した方がいいのかもしれない。
「では、こうしてはどうでしょう?
褒美にお城の外へ行きたいです」
「それは何故ですか?」
「一度、城下町へ行って買い物をしたいです。僕はお金を持って無いので、出来ればお小遣いも………」
顎に手を当て、マチルダ様は考え込んでいた。そして、ハッとされ僕の方を見る。
「わたくしも城下町で、買い物がしたいと思っておりましたわ!二人で………デート………に行きます?」
マチルダ様は朱色に顔を染めた。
うわぁ!モジモジしてて、無茶苦茶可愛い!ナニコレ!?僕はどうすればいい?こんな近くに居たら、抱き付いてしまうじゃないか!!
手が勝手に!
ダメだ!僕!そんな事をすれば、どうなる?肩くらい手で寄せてもいいじゃないか!止めろ!殺されるぞ!じゃあ、腰に手を添えるくらいはいいだろ!死ぬ気か!?
天使と悪魔が僕の頭の上で対峙する!
迷ったら、リスクで考えろ!
触る→殺される。超ハイリスク、ローリターンじゃないか!命賭けるならば、最低エッチは出来ないと釣り合わない!
僕は悪魔を叩き潰した!
「ふぅ!マチルダ様。デートはダメです」
「もしかして、わたくしでは………不満なのですね!?」
いやいや!全然不満じゃないよ!寧ろ、土下座してお願いするくらいだよ!うわ!涙目になってる!おい!どうするよ?これ!僕が悪いの?ねぇ!?
「マチルダ様!不満処か、寧ろ光栄です!後生、語り継ぐべき事態ですよ!ですが、護衛が居なくては、僕ではお守りする事が出来ません!なので、デートは、その、ね?」
「そうですわね。ハオでは何かあれば、対応するのが難しいです。仕方ありませんね」
よし!デートは無くなった!
残念だけど、仕方無い。城下町には一人で行くか。でも、道知らないからなぁ。僕は迷子スキルレベル72だから、間違い無く迷うだろう。
※ステータスとスキルは魔法で確認出来る
うーん。誰か誘うか?
サラさん、スミスさん・・・ミネアさんかフローラさんはどうだろう?案外、ボブソンさん誘ったら来たりして!な、訳無いか。
「では、こうしましょう。ミネアとフローラに護衛に連れて行けば良いのです!」
「へ?」
「ミネアもフローラも、見た目よりも強いのですよ?ミネアは武術、フローラは魔法が得意なのです!」
「はぃ?」
「馬車を手配して~、お弁当も欲しいですわ!ハオ!よろしくて?」
「ヨロシクテ?」
「まぁ!では、早速、ミネアとフローラを呼ばないと!」
ミネアさんとフローラさんを魔法で呼びつけている。あれ?何が起こっているの?一人で城下町へ行くハズが、いつの間にか、4人で行く事になっている!
「ハオ!わたくし城下町でお買い物は初めてなんです!楽しみですわ!うふふ♪」
「そ、そ、そうですね!僕も何だか楽しみで寝れませんよ!ハハハハハ」
こうなったら、腹をくくるしかない!
折角だから、お弁当は僕が用意するか。はぁ。胃薬って売ってますかね?
部屋に戻り、明日の事を考えよう。
弁当と飲み物、馬車の中で食べれるオヤツがいいか。
コンコン。
「ハオ!どういう事だ!?」
「どうと言われましても………」
「もしかして、お前がマチルダお嬢様をたぶらかしているんではないだろうな?そうであれば、その首へし折ってやるぞ!」
「ハオさんも案外手が早いですぅ」
「あの、ちょっと待ってくれませんかね?」
「何を待つと言うのだ!!」「言い訳は見苦しいですよぉ?」
何でこの人達、人の話を聞かないの?
城下町に行く許可をお願いしたら、何故かデートする事になったんだよ!どうやって変換すればこうなるの?僕が聞きたい!
「デートではありません。皆でお買い物に行くのです」
「嘘を付け!本当の事を言え!」「ハオさんはここが不満ですかぁ?」
「はぁ、僕は私服持って無いんです!パンツとシャツも2つずつしかありませんから、雨が降ると乾かないんですよ!生活用品も欲しいし、特に歯磨きを何とかしたいんです!手でゴシゴシとか、木の枝でグリグリはもう嫌なんです!!」
「ハオ、僕が悪かった!な!機嫌を直せ?」
「気付きませんでしたぁ」
ここで働くのは、殆どが女性だ。
男にとって必要なモノは違う。大体は揃うが、その揃わないのが欲しい。痒い所に手が届かないみたいなのである。
そういや、コックのボブソンさんに聞いても良いなぁ。あの人、何処に住んでるのか知らないけど、何かヒントになるだろう。よし!後から聞きに行くか!




