11話 神様!お姫様抱っこには公式方法がある様です!
どうしてこうなった!?
僕は今、人生で一番ドキドキしている。
理由は、ミネアさんをお姫様抱っこしているからだ!身長が高いので重そうに思うが、そんな事は全く無かった!実に軽い!僕でもお姫様抱っこ出来るくらいである!!
「おい、あんまりジロジロ見るなよ。
・・・恥ずかしい」
頬を染め、少し下を見ている。
瞼は半分閉じており、恥じらいを見せる乙女だ!ううう!可愛いらしい!!
「ミネアさん、大丈夫です。
部屋までの辛抱ですから」
「う、う、うん」
左手を握り、それを顎にくっ付ける。
ああ、何だろうこれ。惚れちゃうだろうが!いつもの雰囲気が全く無いので、戸惑ってしまう。
「あら!ヤダ!」「まぁ、まぁ!」
廊下をすれ違うメイドに黄色い声を出された。勘違いされてしまったなぁ。でも、これは僕には何とも出来ない事態である。後で本人から、誤解を解いてもらうとしよう。
「くそぅ!違うと言っているのに!!」
「まぁ、まぁ、もう直ぐ部屋に着きますから!我慢して下さい。でも、僕で悪いですね。噂が広まってしまうの・・・すいません。もっとカッコいい男だったら、ミネアさんに釣り合うのにね」
「・・・そんな事はないぞ」(小声)
「え?何か言いました?」
「・・・馬鹿」
はぁ、好きでも無い相手にお姫様抱っこって、どうなんだろう?やっぱりカッコいい男の方が喜ぶのかなぁ。はぁ、凹むねぇ。
ミネアさんの部屋に到着したので、降りてもらう。部屋に入ると、何故かそのまま立っている。
「あの、何かいりますか?」
「・・・お姫様抱っこ」
「はい!?」
「お姫様抱っこして!ベッドに寝かせるまでやるのが普通でしょ!分からないの!?紳士の作法を知らない!?」
「なーにー!!??」
お姫様抱っこは、ベッドに寝かせるまでが普通だとぉ!どういう事だ!?まさか!遠足は家に着くまでが遠足という事かぁ!!おやつは300円までだけど、バナナはおやつに含みませんみたいな!!
ここは異世界だ。
僕の常識は通用しない。まぁ、あっちでも、お姫様抱っこの定義等知らんけど。紳士な対応を取らざるを得ない。
ミネアさんを待たせるのは、このお姫様抱っこの定義に反するらしい!ここはベッドまで運ぼうじゃないか!
「さあ!来て下さい!ミネアさん!」
ミネアさんは、僕の首に手を回した。
あれ?来る時は無かったぞ?しかも、僕の胸に顔を埋めている。
そうか!これが部屋からベッドへの公式方法なんだな!よし!そうと解れば恥ずかしくないぞ!ミネアさんの顔がかなり赤い。これは熱が再び上がったのか?一刻の猶予も無い!さぁ!やるぞ!
予め捲っておいたシーツを確認する。枕の位置も確認済みだ。今回は寝かせやすい様に、頭を右手側にしている。部屋の構造が、ベッドが左にあるからだ。
ゆっくりとミネアさんをベッド寝かせる。勿論、枕へ頭はフィットさせる様に!すると、顔が近いのだ。これは非常事態かもしれない。キスしたい衝動を抑え、僕は右腕を抜いた。
「あ、ありがとう」
「いえいえ、どういたしまして」
僕は照れ隠しをしながら、シーツを被せた。そして、椅子に腰掛ける。そういえば、こんな状況あったな。初水汲みの時だ。2往復しただけで、気絶したっけな。あの時、背負ってくれたのだろうか?もしかしたら、お姫様抱っこだったりして・・・まぁ、それは無いか!
「ハオ・・・何考えてた?」
「あ、いえ、いつしか水汲みの時に、こうした状況だったなぁと思いまして・・・まぁ、あの時とは逆転してますが、あはははは」
「そういえば、そんな事もあったな。ハオは非力だし、僕はビックリさせられたぞ。気絶するのだから、仕方無く背負う羽目に・・・」
「あはは、言い訳もしよう御座いません」
「いいんだ。僕が悪い。最初から無理させてしまったからね。体力があるか確認を怠ったからさ」
「でも、2往復って・・・みっとも無いです」
「今日の事で解った。ハオは体を使うよりも、頭を使った方が向いているってね。何を言っているか、判らなかった。最後まで聞いても理解は出来なかったけど、筋は通っていると思うよ。まぁ、何となくだけど・・・ね」
「いや、ミネアさんは間違って無いです!」
「どうして?」
「やってみてから考えろ!です!
僕は卓上論が嫌いなんですよ。お役所仕事って、問題起きても現場来ないでしょ?机の上で、物事を考えたって、答えなんか見つかりはしませんよ!!事件は現場で行っているんです!ってね。
水汲みもそうです。やらなくても分かります。僕の体力では無理だってね。でも、ほら!諦めたらそこで終わりなんです。終わったら、次なんて来ないですよ。
僕は実際やってみて、それから問題を考えるタイプなんです。やらずに何が分かりますか!、ってね!あはは、ツマナライ話をしてしまいました」
「・・・つまらなくないよ」(小声)
「僕はミネアさんに感謝してます。はぁ、何だかお腹空きましたねぇ。食堂に行って貰って来ます!」
「ハオ!」
「何ですか?料理の希望あります?」
「・・・馬鹿」
「ですよねぇ」
僕は扉を勢いよく開けた!
「ひぎゃ!?」
そこにはフローラさんが尻餅を着いていたのだ!
幸い、スカートの中身は見えなかったけどね。やはりロックオンのスピードは早かった!まぁ、男ならば誰でも搭載している機能だけど。
「何、やってるんですか?」
「えへへ・・・お見舞い?」
「はぁ、中入って下さいよ!僕は食べ物貰って来ますから。大分良さそうですが、無理させないで下さいよ?じゃ!」
まさかとは思うけど覗き?盗聴?
まぁ、フローラさんは天然だからなぁ。本当の事は分からない。それよりも、体調が悪いのだから、お腹に優しい食べ物にしよう。久しぶりに何か作るか!異世界初料理ってヤツですかぁ!!ラノベだと、恒例何だよね。まぁ、いいけど。




