10話 神様!心臓が爆発しそうです!
部屋に戻ると、ミネアさんはベッドに寝かされていた。
僕はタオルを水に浸し、カラカラに絞る。手が濡れているので、額と額を合わせた。かなり熱い。
「まぁ、まぁ、まぁ、まぁ♥」
「狡いですぅ!私もぉ!」
額を離した隙に、フローラさんが額を当ててきた!顔近いよ!間近で見るフローラさんは本当に可愛い!僕はドキドキして動けないでいた。
マチルダ様は頬に両手を添え、僕達をガン見している。
恥ずかしいので、もう離れてくれませんかね?
「ハオさん!解らないですぅ」
「ははは、そりゃあ、
前髪を手で持ち上げないと、体温は感じられないよ」
「えへ♪では、もう一度ぉ!」
「いやいやいや!もういいでしょう!
僕も恥ずかしいんですから!」
「残念ですぅ」
「では、次はわたくしが!!」
「あのう、仰ってる意味が全く理解出来ません」
「わたくしだけ除け者ですか!?ミネアとフローラには出来て・・・もしかして、ハオはわたくしの事が嫌いなんでは!?うううう!!」
「マチルダ様!嫌ってはいません!むしろ好きです!こんな平民の、あの、その、えーと、合わせられても・・・楽しくありません・・・よ?」
「しくしくしく!
でも、わたくしとするのが嫌なんでしょう?」チラリ!
「そんな事あるハズありません!マチルダ様と額と額をゴッツンコしたいです!是非とも!お願いします!!」
「もう♪仕方ありませんね♥」
この人、絶対にワザとだ。
男はこうして、女にタブらかされるのだろう。
「えい♪」
マチルダ様が僕の前髪を持ち上げる。
ご自分の前髪も持ち上げ、僕の額が当たった。うわぁあ!僕は惚けるしか出来ない。こんな美人で可愛い女の子に、こんな近くで目視出来るとは!
マチルダは上目遣いで、こう言った。
「ハオ・・・こんな感じ・・・ですか?」
唇を目で追う。
柔らかそうな唇がプルンと動く。そして、テラテラと光り僕を惑わす。キスしたいキスしたいキスしたい!!したら殺されるだろう!!これはもう僕はどうすればいい!?
甘い匂い、抑えれた前髪へ伝わる手の感触。
ああ!抱き締めたい!キスしたい!ぐああああ!!僕の心臓がドキドキし過ぎて、もう爆発しそうだ!ここはもう止めて頂こう。
「マチルダ様、ミネアさんの額のタオルを交換しないと」
「まぁ、そうでした。残念です」
マチルダ様が僕から離れた。
とても勿体無いが、レッドゾーンを越えたら即死。まだ死にたくない。
「はぁ、額で体温を確認するのは、高熱がある人へだけですよ?平熱の僕にやって、何の意味が?」
「ハオさんは今直ぐに風邪を引いてくるですぅ!」
「はぁ、女心も解らない殿方がおられるとは」
「悪かったですね!僕はモテた事が人生で一度も無かったから!女心等、理解出来る訳無いでしょ・・・言ってて悲しくなるぅ」
僕は椅子に座り、ミネアさんを見た。
寝顔も素敵だな。口さえ開かなければ、本当に綺麗なんだよね。そう思いながら、タオルをひっくり返した。
「う、う、うん・・・」
「お!目を覚ました」
「ミネア!大丈夫ですか?」
「あ、え!す、す、すいません!マチルダお嬢様!ベッドを占領してしまい、あ、いや、ベッドを汚してしまい、誠に申し訳御座いません!」
「いえいえ、問題ありません。
それよりも、体調はどうですか?起き上がれますか?」
「はい、少しフラフラしますが、問題ありません」
「良かったですぅ」
「今日のお世話はフローラに頼みます。
ですので、ミネアはご自分の部屋で養生なさって下さい」
「え!?ご迷惑お掛けしましたので、挽回させて下さい!」
「それはなりません。明日に響いたらどうするのです?今日はゆっくりと休んで、元気になって・・・そうだ!ハオ!今日はミネアの看病を頼みます!」
「ふぇ!?そ、そんなの!」
「命令です!!ハオも出来ますよ、ね?」
「イエス!マイロード!!」
僕は片膝を床に着き、右腕を折り畳む!
握り拳は心臓の位置だ!決まった!これだよ!これ!現実世界じゃ、こんな恥ずかしい事、出来ないモンなぁ!!前回は失敗したし、汚名返上は出来ただろう!
「ハオ!では、ミネアをお姫様抱っこで、部屋中まで運ぶのですよ。これは命令です!!うふふふ♪絶対ですよ」
「ふぁ!?」「ひぃ!?」
二人の奇声が上がると、マチルダ様はニッコリ微笑んだ。




