九十八日目
午後から買い出しに出た。
米と昆布とワカメと楚割(魚の干物を細く裂いたもの)。昆布と楚割は北の産物らしいので少しにした。これから北に向かうのだし、もっと安くなってくるかもしれないので。乾物屋の前で色々悩んでいると、付き合ってくれたまつりが主婦か料理人の買い出しのようだと面白がった。
旅とは言っても途中での自炊も視野に入れてる旅なので、どうしてもそうなってくる。晶屋のお陰で少々の荷物は平気ということもあるし。
野菜っけは山菜やきのこの干物をたくさん見かけたのでそれにした。
まつりが覗きたがったので殺風景なところだけれど晶屋の中にも招待した。
ものすごく受けた。
これは神威でも欲しがる人がいるに違いないという。値段を聞いてもお金持ちなら絶対に買うし、商売人は欲しがると言っていた。行商人の運べる荷の量が段違いになるからと。
行商人の商売が小さくなりがちなのは運べる量が少ないからなのだそうで、山の多い龍の島では歩きの行商の需要がとても多いそうだ。
婚家で扱えるか考えたいというので、明日パンを貰いに行くときに商館に連れて行くことにした。商館長と顔を繋いでおけばリカドの商品はかなり購入しやすくなる。
まつりが買うものの品定めを教えてくれたので、良いものを買えて良かった。