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リリカシア=アジャ-アズライアの日記  作者: 真夜中 緒
神威編
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九十日目

 今日でリカドを出て九十日がたった。ということはあと十日で百日目が来る。だから私はその日に神威を立とうと思う。なんというか切りがいいかなと思うので。

 五十日目、何をしていたのかと思ったので日記をめくってみると、海賊騒動も終わってもうすぐ龍の島につこうかという頃だった。龍の尾の付け根についたのは五十六日目、龍の懐についたのが六十日目、神威には次の日についている。

 神威でのほぼ三十日。もう、とも思うし、まだ、とも思う。

 神威の衣装も馴染んだし、楼で滞在している部屋も自分の部屋という感じがする。この座卓も脇息もすっかり馴染んでしまった。長袴は今でも歩きにくいと思うけど、切袴の侍女装束なら全く動くのに困らない。

 お湯につかるお風呂もすっかり慣れた。毎朝入っているから、旅に出たらそこは辛いかもしれない。

 食事は美味しいけど、やっぱりリカドの献立が恋しくなることもある。神威にいればたまに商館で食べられるけど、旅に出たらこれも無理だ。

 何より、神威を出たら本当に一人だ。

 一人で北にある魔術師の塔を目指し、一人で海を渡って大陸に向かい、一人で大陸行路を進む。

 いざとなるとちょっと怖いような、躊躇う気持ちがないわけじゃない。でも楽しみなのも本当だ。

 十日で荷物をきちんと準備して、お世話になった人にも挨拶に行かなきゃいけない。

 なんとか頑張ろうと思う。

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