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リリカシア=アジャ-アズライアの日記  作者: 真夜中 緒
航海編
5/520

5日目

 昨日は一日中波が高くて、夕食は船室にパンとチーズと燻製肉が届けられた。ウロウロすると危ないというか、邪魔になるということらしい。仕方ないので晶屋からたまに船室に出るぐらいで一日過ごした。

 夜半、雨が降り出した。

 とにかく寝そべる以外で体を伸ばそうと思うと、晶屋から出るしかないので、目が覚めてちょっと身体を伸ばそうと船室に出ると雨の音がしていたのだ。

 窓を薄く開けてみたが冷たい飛沫がかかっただけで、全く何も見えなかった。

 塔主様の使いである私の部屋は船長室の隣で、広くはないけど眺めはいい。昼間だと広々とした海が水平線まで見えるのだけど、夜は本当に何も見えない。とりあえずそもそもの目的を遂げるために、めいいっぱい伸びをした。そのまま軽くヨコに体を倒してわき腹を伸ばしたりしていると、大きな揺れがきて危なく顔から床に突っ込みそうになった。

 いくらなんでもこの理由で顔にけがなんかしたくない。

 あまり調子にのってると船酔いもぶり返しそうだったので、さっさと晶屋に戻って寝た。

 朝目が覚めても雨が降ってた。

 窓から覗くと今度は灰色の空と海が見えた。

 船の揺れも相変わらずで、船室にパンとチーズのはいった籠とちいさな水樽が届いた。持ってきてくれた船員によると今日中に時化を抜けられるかあやしいそうだ。つまり一日船室から出ずに、自力で食べてくれということらしい。

 私は樽と籠を晶屋に持ち込んだ。

 晶屋には自前の食料や水も積んでいるけれど、船に乗っている間は食事付きの約束なので手を付けていない。せいぜい昨日お茶を入れたくらいで大切に取ってある。パンにチーズを乗せて炙りながら、スープも欲しいなと思ったけれど、とりあえずそれは我慢した。花茶はもったいないのでアジャの葉茶をいれる。ちょっと鼻に抜けるような辛みに似た香りのあるお茶は、普段一番よく飲むお茶だ。口の中を爽やかにしてくれる。

 結局今日はたまに船室に出る以外は、晶屋の中で本を読んだりして過ごした。本を持ってこられたのは晶屋があるおかげだ。革の装丁に羊皮紙の分厚い魔術書は一冊でもひどく重いので、晶屋が無ければ持ってこようとは思わなかった。それが五冊。三冊は私ので、二冊はエドとエリシアから一冊ずつもらった。エドにもらったのは戦闘魔術の理論書で、エリシアがくれたのは魔法陣の図案集だった。どちらもとても面白い。それから、ズボンの膝に小さなシミがあるのを見つけたので、お餞別に教えてもらったシミ取りの魔法陣をためした。力加減を誤って、生地の染料まで抜いてしまいそうになったけど、危ないところでなんとか回避できた。注意書きを付けてくれていなければ、やってしまったろうと思う。

 夕飯はパンを薄めに切って、チーズを挟んで炙ってみた。

 多少風味は変わったような気もするが、目覚ましいほどの違いはなかった。

 今日はもうちょっと本を読んだら、もう寝ようと思う。

 明日は晴れてるといいなあ。

 船の中では船長室に近い部屋が、基本的には良い部屋です。

 客船というものはありません。貨物と兼用です。

 船員は操船スタッフですので、接客は片手間です。

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