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四十六日目
昨日買った木滴の珠に、糸を通して腕輪を作った。
赤い色がきれいで、ほのかに良い香りもする。とても気に入ってしまった。
今日は物売りの舟ではなく漁船が寄ってきた。
捕れた魚を売りたいらしい。
料理人が向こうの船と叫び合って、桶を下ろしていた。
遠くに島影が見えては消えてゆくが、ここあたりの島は湧き水のないところが多いそうで、あまり人は住んでいないらしい。漁船が天気を待ったり、休息をとるために使っている程度なのだそうだ。
そんなわけで、たまに漁船も見かける。
この間もらった飴の1つを舐めながらぼおっとしていたら、いつの間にかうたた寝をしていた。
目が冷めたときは夕飯の時間で、口の中がやけに甘かった。
夕飯は薄焼きパンにさっき買ってた魚の香草焼きを挟んだのと、干し肉と豆のスープ。
変な寝方をしていたせいかちょっとだるい。
しかも寝たはずなのにかえって眠い。
今日は早めに寝ようと思う。