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リリカシア=アジャ-アズライアの日記  作者: 真夜中 緒
航海編
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三十七日目

 やっぱり夜中に来てた。

 大音響はやめといた。他の乗客や船員に迷惑だなと思ったので。好きで夜中まで起きてるわけじゃない人の、安眠を妨害するのは絶対やめといたほうがいい。それに実害がなければ大抵のいたずらは生暖かく見守ってもらえるものだ。とくにああいう輩が相手の場合。

 で、私の部屋のドアに触ると手のひらが痒くなるようにしておいた。船長に改めて、私を呼びに来るときはドアの横の壁を叩くように伝えた上で。

 痒いのって結構辛いよね。

 ずっとっていうのもあれなので、日の光に当たれば痒みが消えるようにしておいた。

 夜中にかかったのはわかったけど、眠かったのでほっといた。

 ただ、これは失敗だった。

 痒さのあまり治療しろと調理師を叩き起こしたらしい。

 朝になって顛末を知ってから、調理師に謝りに行ったけど本当に眠そうで申し訳なかった。治療できそうなのはやめたほうがいいみたい。結構要領が違うなあ。

 今日船長と話していてわかったんだけど、やっぱり声の一番でかいのが貴族の馬鹿ぼんか何かで、残りは取り巻きなのだそうだ。それで残念なことに神威まで行くらしい。姉の嫁ぎ先だかなんだかに行くのだそうで、だからお付きは最低限らしい。

 あんなんに来られても、嫁ぎ先の手前困るだろうに。

 何か事情はあるんだろうけど大変だなあ。

 今日はまた物売りの舟がきていた。

 船酔い組が自分たちの持ち込んだ酒を別の酒と交換させていた。酒が傷んでいるかもしれないと疑ったらしい。それなりの量だったので、あとから他に小舟を仕立てて酒を交換に来ていた。

 もともとの酒は結構強めの上物で、交換した酒は割に素朴なものだったので、物売りが損をしたということはないと思う。

 ただ、不思議なんだけど、あの連中はあのぐらい強い酒になるとそうそう傷まないって知らないんだろうか。交換した酒のほうがよっぽど傷みやすそうなんだけど。

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