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リリカシア=アジャ-アズライアの日記  作者: 真夜中 緒
航海編
24/520

二十八日目 (ラジャラス)

 地面だ。

 床じゃなくて、地面。

 地に足がつくって、いいなあとおもう。

 エドやエリシアは私の足は地面じゃなくてなにかべつのもの(風とか雲とか)についてるに違いないっってよく言っていたけれど、そんなことはない。ちゃんと地面についてるのが一番落ち着くのだと、今度ぜひとも主張しとこう。

 大事なことだからもっぺん書いとく。

 地面ってすばらしい。

 ラジャラスの港は最も南にある港なのだそうだ。これより南の島にも人は住んでいるけれど、あるのは小舟の桟橋程度で、大型船が何隻も寄港できるような港はもうないらしい。

 ラジャラスというのは港の名前で街の名前で島の名前で、さらにこの島を中心にした島嶼国家のなまえでもある。世界の一番南にある国だから、南の島国とか呼ばれることが多いからあまり名前はつかわないけど。

 船が寄港している3日の間、ここに滞在することになる。

 港についてまずやったのは、話に聞いていた公衆浴場に行くことだった。粗い布の帳を何枚もめくって浴場にはいると、もうもうたる湯気に包まれていた。ここの浴場は天然の洞窟を利用していて、洞窟の奥からは火の島の影響か蒸気が噴き出しているそうで、洞窟の口を塞げば立派な蒸し風呂が出来上がる。結構広い洞窟なので、一応男女で仕切ってもあって、入口で浴用着と敷物を借りて中に入り、思い思いの場所で寛ぐ。

 しばらく座っていると汗が止まらなくなってきて浴用着がじっとりと湿ってきた。周りを見ると飲み物の入っているらしい壺や樽を持ってきている人が多い。そうやって喉を潤しながらゆっくり寛ぐものらしい。たまに水売がまわってくるので椀に一杯買った。なんの変哲もない水だけど、とても美味しかった。

 しっかり汗を流して、しっかり髪もとかして、それから水で汗を流して髪も洗う。浴用着を着替えるかなりさっぱりした。

 寄港中の食事は出ないので、小海老を煮込んだものを、薄焼きパンに包んで食べた。甘い香りの果物を三つ買って船に戻った。

 明日はアジャラスの街に宿を取ってみようと思う。

 アジャラスは世界最南部にある島嶼国家です。それぞれの島の長たちの連合体が、アジャラスの長を王としていただいている、緩やかな連合王国なので、王家の力はそれほど強くなく、王妃は他の島の長家から迎えることがほとんどです。

 南海路の要衝で、海軍が勇敢であることには定評があり、海路の守護者であることを自任しています。

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