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百九十四日目
道の途中で鹿を見かけた。すぐに矢を放った護衛が二人いて鹿はめでたく今日の夕食になった。赤身の肉は噛みしめるとじっくりと味がにじみ出てくる。
市を出てから夜も必ず寝ずの番を立てている。
のんびりしているようでもここは争いのある土地なのだ。
護衛たちが交代で番人を務めるので魔術師の私には回って来ないけど、私も天幕の術を強化して何かあったらすぐに反応できるようにはしている。
寝るのは変わらず晶屋でだ。
おかげで毎日しっかり眠ることができる。
そうでなければ旅路はずっと辛いものになったかも。
晶屋に入ってからよもぎ茶をいれて、ゆっくり飲んだ。
日記を書き終わったらさっさと寝よう。