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百八十日目
変な夢をみた。胸騒ぎがする。
今すぐ神威へ取って返したい。そうでなければ草原の塔で通信機を借りるのでもいい。
いや、そうも行かない。
龍の島の唯一の塔は神威から遠い龍の耳にあるし、どちらにしても上級魔術師がいないから、通信機は使えない。
気ままな旅なのだから、道を戻っても良いはずだ。
でも、何かが私を急き立ててもいる。
そんな時間はない。今しかないのだと。
どうしてそんなふうに思うのかは、まるでわからないのだけど。
どちらにしても病み上がりだし、こんな気持ちでは動けないので、もう一日停滞することにした。
どうしよう。あれがただの夢であればいい。でもどちらにしてもそれを確かめる術はない。
本当に、どうするべきだろう。