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リリカシア=アジャ-アズライアの日記  作者: 真夜中 緒
ザヴィータ編
170/520

百七十四日目(草原の塔出立)

 煌の草原の塔から出発した。目指すはザヴィータの都エカテリアだ。

 昨晩夕食のあとに申し出た暇ごいは、すんなりと受け入れられた。草原の塔では旅行者である自分の立ち位置がわかりやすかったように思う。

 お餞別にと札を書いてもらえたのはありがたかった。魔術師の輪はそれだけで身分証明になるけれど、上級魔術師の印は目立ちすぎるし、近隣で身元照会を受けてくれるならその方がいい。

 朝から水樽や水袋にいっぱい水を汲ませてもらい、日が上りきらないうちに出た。

 とりあえず方向もあっているので、三日月を買った宿営地を目指した。まだ移動していなかったようで、昼前には見覚えのある幕屋を見つける事ができた。

 挨拶がてら声をかけると、お昼をごちそうになった。

 小麦の皮に肉や香草をまぜた餡を包み込んだものを茹でたのはピリッとしたタレで食べると一層美味しい。

 この間の櫛がもう少しないかと聞かれたので、お礼も兼ねて二枚渡した。櫛のおかげで奥方の髪の艶が良くなったそうだ。そんな風に喜んでもらえると素直に嬉しい。

 泊まっていけと誘ってもらったけれど先に進みたかったので、水場を幾つか教えてもらった。

 教えてもらった水場の一つに天幕を張り、そこに晶屋の入り口を開けた。三日月は天幕のそばに繋いで何かあればすぐわかるように術をかける。

 こうして晶屋で日記を書くのも結構久しぶりだ。

 明日に備えて早く寝よう。

 札というのは身分証明のために使われるもので、王宮、役所、魔術師の塔、土地の名士などの名前で発行されます。庶民が旅をするときなどは必須で、たいていは木でできています。

 表に発行した者の紋章と名前、裏に持参する者の名前と特徴が書かれています。

 魔術師の輪はそれだけで身分証明の能力を持ちますが、さらに札があると輪の細かな見分を受けずにすみます。

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