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百六十三日目
塔主の張英どのに馬のことを相談してみると、冬営地の長に紹介状を書いてくださった。定住している民だけでなく、冬に戻ってくる遊牧の民の家畜も把握しているそうなので、売ってもらえそうな馬に心当たりがあるかもしれないという。
訪ねてみると本当にその通りで、四歳の月毛の雌なら心当たりがあると言う。体は小さく、足はそれほど早くないが、耐久力はあるそうだ。
近くで放牧されているはずなので明日一緒に見に行って貰うことになった。
写本もあと少しだし、ザヴィータは寒さの厳しい場所らしいので、早いうちにたどり着きたい。