表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リリカシア=アジャ-アズライアの日記  作者: 真夜中 緒
煌編
150/520

百五十五日目

 今日は昼食を断わって、宿場まで出かけてみた。宿場まで行けば市があるからだ。

 川向こうには煌都があるとはいうものの、渡し船に乗ったりしなくてはならないのが手間なので、宿場の市もなかなかに大きくて繁盛している。

 龍の尾や神威でもみかけたような絢爛な絹地や、精緻な模様の絨毯。美しい焼物の器などがまず目につく。それから毛織の布、毛皮、なめし革、毛氈のようないかにも遊牧の民らしい品も多い。刺繍のための色糸や染料もたくさん揃っていた。

 肉で多いのは豚と羊、それから山羊と鶏、あとは雉とか鹿とか鳩もある。

 牛はあまり見かけなかった。

 紙は羊皮紙でなく普通の紙で、炭や筆を使っているのは龍の島と似ている。ただ、紙の品質は龍の島のほうが優れている。

 市場で揚肉まんを買い食いした。美味しいけど皮のサクサクした感じは、焼いた方が好みかも。魚の包み揚げも見つけたので食べてみたけど、味付けがかなり濃かった。

 刺繍は直線的でちょっと面白い。なだらかにモチーフをつなぐリカドと結構違う。いろんな刺繍を集めて刺した布を見かけたので買った。

 革に刺繍を施した靴とか、毛氈の室内履きなんかはかなり綺麗だ。

 夕食の折に市場に出かけたことを話すと、冬の方が盛大だと教えてもらった。冬営地が天幕で一杯になると、一気に賑やかになるそうだ。そんなところはリカドの故郷と同じなんだと思うと、ちょっと故郷が懐かしくなった。塔に入ってから一度も帰ってないし、この旅が終わったら一度覗きにいこうかなあ。

毛氈というのはフェルトのことです。敷物などに用います。実はリカドでも作られています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ