表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リリカシア=アジャ-アズライアの日記  作者: 真夜中 緒
煌編
136/520

百四十一日目

 煌についた。

 船を降りる前にお嬢様をつれた龍の島の商人が、賃金を払ってくれた。櫛やら薬やらの代金も払ってくれて、金貨一枚と銀貨二十枚。

 食料も使わずにすんだしずいぶん助かった。

 魔術師の塔を目指していると言うと、一番大きい塔は都の北側にあるそうで、その手前の都の南側までなら連れて行ってくれるという。お嬢様の輿入れ先はその辺りにあるらしい。

 ちょっと考えて、その話に乗せてもらうことにした。賃金は何かなければ一日銀十枚だが、食事は食べさせてくれると言うし、移動中の身軽な女手が欲しいということらしい。もちろん私が魔術師であるのも考慮の上だろう。

 港には大きな馬車が四台用意されていた。

 お嬢様と侍女(ふじ、という名前だった)が馬車に乗り込む。私は馬を借りた。

 借りた馬は葦毛の小柄な雌で、結構年をとっているようだ。

 他のお付の男たちも馬に乗る。主人の商人(楊大人)と龍の島の二人(小松どのとその息子。お嬢様の父親と兄らしい)は別の一台に乗り込む。残りの二台にはお嬢様の嫁入り道具が満載された。

 港町の外れの楊家の別邸で今日は宿泊となった。

 別邸は高台にあって、海の景色を見渡せるのが素晴らしい。

 大きな湯船のある立派なお風呂もあり、お嬢様の入ったあとに堪能させてもらった。

 夕食には肉も魚もとりどり出されたけれど、お嬢様はやはり魚のほうが食べやすいようで、箸がすすんでいた。

 果物は結構好きみたい。

 船から下りてしばらくするとやはり体調を回復したようで、ふじさんが細々とお嬢様の世話をやいている。

 船酔いはふじさんのほうが重かったのだけど、復活も早い。

 私の寝室はお嬢様の部屋の隣の部屋で、ふじさんと相部屋だった。ふじさんはどうも、世界の中心にお嬢様据えているようなひとらしい。

 念のためお嬢様の部屋に、眠りを誘う香を薄く焚いた。

 明日早い出発らしいし、私も早く休もうと思う。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ