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リリカシア=アジャ-アズライアの日記  作者: 真夜中 緒
煌編
134/520

百三十九日目

 二人ともちょっと船に慣れてきたみたい。特にお嬢様の方は体を起こして座っていられるようになってきた。すぐに疲れるみたいだけど、これはまともに食べてないせいもあると思う。

 船は順調に進んでいて、明後日ぐらいには煌の港にはいれそうらしい。この二人のためには早ければ早いほどいい。地面におりさえすれば治るのだし。

 このお嬢様はなんと煌にお輿入れする途中なのだそうだ。

 侍女は乳母子でついて行くのだという。

 そういえば、なんかそんな話を聞いたなと思ったので、日記をめくってみた。六十九日目にやっぱりそんなことが書いてある。浮女七姫の誰かが言っていた話だ。

 このお嬢様がその噂の主かと思うと中々感慨深い。まさか自分が関わるとは思っていなかった。

 体調不良はたぶんその不安のせいもあるのだろう。

 不安一杯でなれない船になんて乗ったら、酔いやすくたって仕方がない。

 私が西の国リカドから一人旅をしているというと、旅の話を聞きたがった。

 西のはてから東のはてへ。

 でも本当はまだたいして何も見てないのだ。神威までは塔主様のお使いで船で一気にきたのだから。

 それでも美味しかったものの話や、お風呂の話、布や衣装の話なんかをすると面白がって聞いているみたいだった。

 汚れ落としの櫛の話をすると、ぜひ一つ欲しいという。売れるのはありがたいので喜んで売った。

 お嬢様のと、侍女のと一枚ずつ。

 髪をすくと気持ち良さそうにしていたので、汚れ落としの符の残りものをオマケにした。符なら体の方も拭うことができる。

 体調が悪いと自分の汗の匂いが妙に鼻についたりするものだ。

 侍女もなんとか起き上がって、自分で髪をすいていた。

 きょうは夕食には重湯でなく薄いお粥を食べさせた。食べたらすぐに寝かせる。

 なんとか二人とも吐かなかった。

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