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リリカシア=アジャ-アズライアの日記  作者: 真夜中 緒
龍の島 街道編
127/520

百三十二日目

 朝晩は随分涼しい。山を登れば気温が下がるなんてこと、リカドではまるっきり知る機会はなかった。

 リカドは砂漠と草原の国で、それほど高い山はない。

 それに考えてみればもう夏も終わりだ。あと数日で秋の初月になる。だんだん涼しくなってゆく季節に入っているのだ。

 この塔で、古典を取り揃えた書庫と並んで素晴らしいのが、見事に手入れされた薬草園だ。

 なにがすごいといって、龍の島以外の薬草も相当育てていることだ。この山の上で、魔力と神具を駆使して、南や西の薬草を育てていることは驚異的と言っていいと思う。こういうのを見ているとやっぱり惜しくなるのだ。ここは他の塔と交流を持てば十分な尊敬を受け得る塔なのにと。

 一々頭を下げて作業の手をとめさせてしまうのが、申し訳なく煩わしいので、今まで薬草園をゆっくり見て回ったことはなかったけれど、今日はもう最後なので、見て回ることにした。

 作業の継続を命じてそこら中を歩き回る。

 温度調整も水分補給も実に見事な仕組みがつくられている。しかも何がすごいといって、上級魔術は使われていないということだ。

 これ、アマリエさまが見たら喜ぶんだろうな。

 次代リリカシア候補のアマリエさまは、もともとは治癒魔法の研究者で、薬草にも詳しい。私が親しくさせて頂いているのも、私もともとは薬師の教育を受けていて話が合うからだ。

 相当長い間薬草園を回って、色々質問もして煩わせた。きっと早くどっかに行ってくれとイライラしたことだろう。明日にはいなくなるんだから諦めてくれるとうれしい。

 薬草の間引いたのも結構もらった。

 自分で使うぶんには薬効を調整するので、間引いた草でも構わない。旅の間に減った分を補給できて助かった。

 明日からはまた旅だ。

 今日は早く休もうと思う。

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