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百二十九日目
どうしよう。
何だか此処に辿り着いてから、ずっとそんなことを言ってるような気がする。
塔主に塔主と妹御が上級資格を取るべきであることを伝えたら、取り合ってもらえなかった。
これまでの慇懃さからすると驚くほどに、きっぱりとそんなことはありえないと拒否された。
そして、長老に諭された。
あの二人の事は放っておいてくれないかと。
でも、私にだって義務がある。
塔主はともかく申し子を放っておくことはできない。どちらにしてもリリカスの塔主さまに報告しないわけにはいかないことだ。
龍の耳の塔にはもちろん龍の耳の塔の都合があるのだろうけど、申し子を放置することは都合で許されることではない。
ただ、素直に使いをたてるなどはまず難しそうだ。
長く滞在できる雰囲気でもないし、そろそろ塔から下りるべきかもしれない。