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リリカシア=アジャ-アズライアの日記  作者: 真夜中 緒
龍の島 街道編
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百二十八日目

 塔主の妹、闇子くらこは申し子だと思う。

 初級者の中でも術の暴走が多く、明らかに魔力を扱いあぐねている。できるだけ速やかに師を見つけ、上級魔術師の資格を得るべきだ。塔主といくつも違わないであろう闇子は塔の厨房を仕切っていると言えば聞こえはいいが、下働き扱いされているように見える。

 塔主といい、この姉妹の扱いはあまりに勿体無い。師を招くか他の塔に留学するかして、上級魔術師の訓練を受けるべきだ。確かに若くはないが、放置するのは本当に勿体無いし、闇子に関しては危険でもある。

 だって、初級魔術師ではあるのだもの。

 初級資格を持っているということは、初級者としての制限を受けているということだ。

 魔術師として位を授かるとその位に応じた制限がかかる。それは普通なら問題をおこさないための措置だ。もしも扱いきれない術を間違って発動するような事があれば、あまりに危険だからだ。自分が取り込める以上の魔力を消費すれば、命に関わる事もある。

 ただ、申し子の場合それがあだになるのだ。

 申し子の場合は魔力の取り込みはいつだって過剰だ。だから大事なのは、むしろ過剰な魔力を逃す事なんだけど、資格の制限がそれを阻んでしまう。私も初級資格を取る前の方が、暴走は少なかった。

 魔力を逃さなくていい大技が得意なのもそういうことだ。

 とにかく塔主に申し入れて、必要な措置を取ろうと思う。

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