102/520
百七日目
雨がやんだ。
今にも降りそうに曇っているけどとりあえず降ってはいない。
降らないうちに少しでも進もうと、急いで身支度をした。朝食はパンとチーズをそのままかじって済ませた。
誰の心も同じようで、街道は早朝から混んでいた。
今にも降り出しそうだった空のわりには、一度ぱらっと降っただけで雲の隙間から光がさして、曇ってはいてもそこそこのお天気になった。
湿った地面からじわっと湿気が上がってくるのは不快だが、とりあえず雨よりは歩きやすい。
ただ、湿気が強いところに温度が上がってきたので、汗をかくのはどうしようもない。途中の水場で手拭いを濡らして、出来るだけ汗を拭きながらあるく。風があまりないのも辛かった。
三十三番の茶屋で休憩を取った。
瓜の四つ割があったのでそれを頼んだ。
甘みがあって汁気がたっぷりの瓜はこんな時にはご馳走だ。
他の客もみんな瓜に舌鼓を打っていた。
今日は結局三十七番まで歩いた。
足元が悪かったせいか、暑さが堪えたのか結構くたびれた。今日は足にしっかりと湿布をして休もうと思う。