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異世界の流儀  作者: 千路文也
第一章
40/40

040  母なる海にダイブする喜び


 スポーツに対しては、明の欲求はますますの上昇傾向にあった。身体を動かす事によって日々の疲れが解消されるのは勿論だが、それ以上にストレスから身を守るための免疫力が付くのは言うまでもない。結局人間は汗を流して運動をするのが理にかなっている。1900年代には文明の機器など存在していない。何をするにも外で身体を動かす事しかやることがなかった。だからこそ、数々のスポーツ選手が生まれたのだ。何もする事がないからサッカーでもしようかと言って練習に励み何となく中学高校でもサッカーをしていると、いつのまにかプロからスカウトを受けるぐらいに成長していた。そんなのはザラにあるので昭和には日本を代表する選手が多数存在している。だが、平成になってからはスターの減少に拍車がかかりスーパースターとは無縁になってしまった。その原因となるのがゲームやインターネットの登場だ。家に居ても苦痛を感じずに済むのはそういった文明の機器が増えたからである。パソコンに向かってキーボードを打つだけで暇が潰せるのだから大した世の中だ。それは今の時代だって変わらない。異世界に飛んできて随分と御無沙汰になってはいるが、明の趣味はオンラインゲームだ。インターネットに繋いで全国の仲間と一緒にボイスチャットをしながら遊ぶのだ。特に明はVRMMOにハマっていて創生義勇軍という名前の集団を組織し、ネット仲間を率いて冒険の旅に出かけていた。その中にはリアルな友達もいたが、中には実際にあった事も無い人間と仲良くゲームをする機会も存在していた。無論、ゲームも楽しい。楽しいがストレス解消においてはスポーツには勝てないと明は肌で感じていた。こうしてお日様の日差しを浴びながら元気よく身体を動かす。そうすると、今までの自分はサナギだったのかと錯覚するぐらいの脱皮感を味わえる。日々のストレスから解放され一所懸命に身体を動かす様には美学さえ感じてしまう。大体の人間はそうだ。家にこもってゲームをするよりも、実は外に出て走ってる方が疲れなど容易に吹き飛ぶ。分かっていても中々外に出られないのが現代人だ。明も趣味のゲームや野球観戦ばかりで外に全く出ない日常も存在していた。家にいるのも楽しいっちゃ楽しいが、疲労困憊感を拭い去るには指を動かすだけでは足りない。キーボードを虚しく叩くだけでストレスが解消されるならばインターネット住民共は毎日晴れやかな顔で社会に飛び出している筈だ。しかしそうじゃないのは、やはりゲームやインターネットでは限度が決まっているのであろう。明は身を以って経験しているので、今こうして海にダイブしてクロールしている瞬間に格別な思いを得ていた。


「これこそ、俺が求めていた最高のカタルシスだ。猛烈に感動している!」


 と、口の中に海水を含ませながら高らかに宣言するのだった。スポーツこそが最高の喜びを見出すための絶対条件なのだと。



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