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ハロー

気付くと彼はどこまでも続きそうな白い場所にいて、そこで彼は自分が死んだんだと気付いた。


「こんにちは」


不意に彼の頭上で声が響く

その声はとても気持ちよくて、同時にとっても気持ち悪い

やがて彼の小さな目が黒っぽい足のようなものを捕らえた


彼はそれをよく見ようとして、体を起こそうとする

しかしひっくり返った彼の身体は思うように動かない。


声の持ち主は彼のもがく姿を見て、クスリと笑った

黒いものは彼に近づきその小さな体躯を摘み上げて手のひらにのせる。


そこで彼は初めて声の持ち主を見ることができた。


ボヤボヤしてる。と言うのだろうか

彼にはそれがよく分からなかった

見ようとしても見れなくて、見なくても認識出来る

そんなはっきりとしない存在。

だから彼はそれを『黒いもの』と呼ぼうと決めた。


「君が呼んだ」

不意に黒いものが口を開いた。


呼んだ?彼が呼んでいたのは運命の雌であり、断じてこんなものではない。


「でも君が呼んだ。真っ黒い感情に乗せてね」


真っ黒?ああ、そうか。

思い出す、思い出す。

死に際の事を。

あの怒りを。

あの思いを。

しかし、だからなんだと言うのだろうか

黒いものを呼んだところで何も変わりはしない。


「変わるよ。僕は君を変えることが出来る。君にその気があるのならね」


その言葉を聞いて、彼はジジジと鳴いた。

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