バトルの構造
バトルの構造、抽象的で今一つピンとこない表現ですね。より詳しく解体して見てみることにしましょう。
構造という言葉は、構成要素と言いかえることが出来ます。
バトルの構成要素は4つ、人、場所、時間、方法です。
人……戦うのは誰か、人数は何人か、一人称か三人称か
場所……どこで戦うのか、
時間……どれだけの間、戦うのか、昼か夜か
方法……武器は何か、戦闘スタイルは、決着はどうつけるか
まず以上4つの項目を書き出してみましょう。例として、ファンタジー世界に飛ばされた主人公が最初の戦闘で基本的な魔法スキルを使おうとする場合、
人……主人公、1対1(敵はスライム一体)、一人称
場所……最初の街から西へ行ったところにある草原
時間……昼間の戦闘で、ごく短時間
方法……魔法(基本的な火炎魔法)、中距離から一撃、その一撃で相手を倒す
と、これだけまず書いておきます。
次にこれらを一つの文として構成してみます。
オレは、最初の街から西へ行ったところにある草原で、昼間に、スライムを、中距離から、基本的な火炎魔法で、一撃で、倒した。
このような感じでしょうか。どうです?妙に堅苦しくて、こなれてない感じがしますね。というのも、この一文には前後の脈絡が全くないからです。
ストーリー上の必然で戦闘が発生するならば、少なくとも場所と時間という構成要素は事前に書かれているはずです。
ならば戦闘シーン、注力すべき項目は残りの二つ。人と方法である、ということになります。
上記の例文より、場所と時間に関わる項目を除いてみます。
オレは、スライムを、中距離から、基本的な火炎魔法で、一撃で、倒した。
これぐらいならば味気ないですが文として充分に成立しているでしょう。なにより、情報量が少なくなった分、自然な印象が生まれましたね。
このシンプルな一文を、戦闘シーン解説のベースとして用います。
次回からはこれに装飾を加えていきます。いよいよ、戦闘シーン独自の手法について話を進めていくことになります。乞うご期待!