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残酷描写をどう扱うか?

 残酷描写の警告タグ、よく見ますね。

 戦闘シーンと残酷描写は切っても切り離せないものです。

 二律背反、というと言葉は格好いいですがどうにも悩ましい問題です。


 戦闘シーンが熾烈になればなるほど、残酷描写のリスクは高まる。

 あまり悲惨な場面が多いと、一部の読者は離れていってしまう。

 まぁ奇矯にも残酷描写でストレス発散、という御仁もおられるようですが。


 本格的なバトル描写はしたい、けれども残酷な印象になってしまうのは避けたい。

 こういうこと、あると思います。

 かくいう、僕も常々そんなジレンマに悩まされる書き手の一人です。


 僕は、本格格闘モノを小説家になろうで連載しています。

 現実世界を舞台に、強者たちが戦う、ただそれだけの話です。

 戦いのプロが戦いのプロと戦うわけですから、そこに血が流れないわけがないんですね。

 よってもちろん、残酷描写タグがついています。

 内容も、結構えげつない時があります。


 流血表現、人体欠損描写、そして登場人物の死。


 これらを、比較的うまく和らげることができるのは、VRMMOモノでしょう。

 流血や人体欠損はそもそもゲームシステム上存在しないようにすればいいですし、ゲームキャラなのですから死んでもリスポーンできるように設定すればOKです。

 この点、VRMMOモノが明るい世界観で人気を博している一つの大事な要因だと思います。


 異世界転生モノでも、魔法などを使ってうまくカバーすることは出来そうです。


 ただ、残酷描写というのは全く無くなると、戦闘シーンに安っぽさや妙なウソ臭さが付きまとうことも事実です。

 そして作品全体が弛緩した印象になることも大いにあり得ます。


 読者は、「どうせ誰も死なないんだろう」とタカをくくって読みますし、作者も現状維持に終始するあまり物語を大きく展開させなくなって、作品が小ぢんまりまとまる事態になるかもしれません。


 ある程度までの残酷描写は、僕は、是だと考えています。

 “ちゃんとした”戦闘シーンには、それは必ず付きまとうものです。


 今回は、実践テクニックからは少し離れたお話であり、ただの雑談と言えなくもないのですが、僕の戦闘シーンの書き方の根幹をなす部分であり、是非とも聞いていただきたいのです。


 僕が主張したいこと、そして僕が考える戦闘シーンにおける残酷描写の在り方、それは以下の通りです。



 残酷描写は、そこに至る必然性と、読後に残る一抹の不快感を備えていなくてはならない。



 何の脈絡もない残酷描写は、単なる作者のエゴであり、独り善がりです。

 一読して不快ではない残酷描写は、作者の技量不足であり、不必要、余分な贅肉です。


 残酷描写は、物語のリアルさに寄与する部分であり、適当に書かれるべきではない。

 ですが、例外的に残酷描写は強いて過剰に用いると思わぬシュールさで笑いを誘う時もあります。


 残酷描写タグをつける作品は非常に多いです。中にはこの程度で警告タグ要る?というようなものもやはりあります。

 僕は自作品にはだいたい残酷描写の警告タグをつけるのですが、それは本当に、人体欠損であるとか著しく精神的にショックを与える表現などを書くことが多いからです。


 ちなみにこの警告タグは経験上、つけておいた方がアクセス数が上がる気がします。

 恐らく読者は刺激に餓えているのです。より刺激的な内容の方に興味を惹かれるのでしょう。

 かといって残酷すぎるのは道義上の問題になってくるので、匙加減ですね。


 残酷描写は、戦闘シーンに色をつける作業です。

 どぎつく彩るか、軽めにするか、または突き詰め煮詰めて強力な武器とするか。

 あなたの腕の、見せどころです。



 今回は実践テクニックではない、心がけのお話でした。


 それでは次回、またお会いしましょう!


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