手紙
「心配なんかしてないから! それ以上こっち来んなよ! それより手紙返せ!」
揺るんでいた顔を引き締め、アイツは手にしている白い封筒をじっと見つめた。
「そんなにこれが大事なの?」
と聞いてくる。
「家族からだろ。楽しみにしてたんだよ。返せ!」
アイツは、俺に断りも無く封を切り手紙を取り出す。
「ちょっ、何してんだ、返せ!」
取り上げ様とする俺の身体をさらりと交わし、手紙を広げ読み始めた。
『お兄ちゃんへ
お兄ちゃん元気ですか?私たちは皆元気にしています。お兄ちゃんのお給料で、お母さんも病院で診てもらえる様に成ったし、私たちもご飯を食べる事ができます。ありがとう。でも、お兄ちゃんと会えなくて皆淋しがっています。又一緒にご飯を食べたり、お風呂に入ったり、一緒に寝たいです………』
「……一緒にお風呂……一緒の布団……」
アイツは、ワナワナと手紙を握り締める。
「殺しに行く‥今すぐ殺しに行く‥」
「だっ、ダメだよ。家族なんだから!」
「これは誰からだ」
地を這う様な声が、無表情なアイツの口から吐き出される。
「妹だよ!」
「何歳?」
アイツの目がすわる。
「十五…」
「はあ?」
「いや、じゅうぅ…」
「なに?」
「…えっと…、ごっ‥ごさい」
「……その歳なら仕方無いか……。でも、五歳じゃ手紙書けないよねぇ」
「えっと…、弟。代わりに弟が書いたんだよ!」
「そいつ何歳?」
「十三」
「殺しに行く。」
「俺おとこだし! 弟と何かある訳無いだろ! 殺すのは止めてくれ!」
歩き出す背中にしがみつき、後ろから羽交い締めにする。ぎゅぅっとしがみ付いていたら、アイツの顔が見る見る赤く成った。耳も首も真っ赤だ。
「……嬉しい……。こんなに激しく抱擁してくれるなんて…」
俺は、バッと離れた。やべーーその気にさせちゃったかも……
このような物を読んで頂き有り難うございます。この話しは、何の設定も無く書いた物だったので、全くどうなるか解りません。その内プロローグを載せるかも…?
初めて毎日投稿してみました。短いですからね…。でも、土日はお休みします。考える暇が無さそうです…。