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その瞳に宿すものは  作者: aoshishi
第Ⅰ章 誕生~幼少期
8/11

私事とリム様について(フィーネの視点より)

前回の更新から少し時間が開いてしまいました。もしお待ちいただけていた方、遅れて申し訳ありません。文章におかしな部分があるかもしれませんが、とりあえず更新を優先することにしました。後日手直しが入る、かもしれません。では、どうぞ。

リムハイドの魔術の適性判断の儀式の前日の夜。フィーネの部屋にて。


「…ん、ふぅ…、ぁあ…。」

「あ、気付きましたか?フィーネ。」

「…え、あ!フィーリス様!はい、もう大丈夫です。」

「最近特にリムの儀式の準備で忙しかったから、その疲れもあったのでしょう。今日はもう休んで明日に備えなさい。」

「はい、申し訳ありません。」

「でも、本当に大丈夫?あんなに血を出して。」

「…ええ、大丈夫です。おはずかしいところをお見せしました。」

「ふぅ、ならいいのだけど。…リムの魔力に当てられてそんな状態になるなら、傍付きの任を一時的に誰か他の人に代えて貰いましょうか?」

「いえ!大丈夫です。お気遣いはありがたいのですが、他の者にリム様のお世話を任せるわけにはいきません。」

「そう…、ありがとう。元メイド長の立場に居たあなたになら安心してリムを任せておけるわ…。」

「…もったいないお言葉です。」

「ふぅ…、私も明日の準備があるから行くわね。」

「すみません、お手数おかけしました。」

「いいのよ。私も昔からあなたには助けてもらっていたし。…それと明日のリムの適正判断の結果がどんなものであろうと、私達はリムの味方でいてあげましょう。」

「…はい、わかっています。…おやすみなさいませ、奥様。」

「…うん、おやすみ、フィーネ。」

そういうと、フィーリス様は私の寝室を出て行かれました。

「…はぁ、明日のことは気がかりですが…、またやってしまいました…。」

また、リム様にみっともない所を見せてしまいました。先程のことを思い出すと、ちょっとではないくらい、…落ち込みます。ここ最近、リム様のお傍にいると酔ってしまいます。ふわふわと気持ちのいい状態になってしまって、普段の自分が保てなくなります。原因はわかっています。リム様の年齢が5歳になったからでしょう…。


 あらゆる人種において、5歳という年齢は共通してある節目の年齢とされています。大体この歳になると、体が魔流体(エーテル)を積極的に取り込むようになり、また同時に魔素(マナ)保有機関が働き出し、魔素(マナ)を貯蓄し始めます。この年齢までは魔法(マナティック)全般について幼子に教えることは禁止されています。理由としてはこの年齢より前に魔法(マナティック)を使用した際、体を壊してしまうことが多く、その危険を避けるためとされています。

 5歳になるとほとんどの人種では、まず魔術の属性を見極めるための儀式を執り行います。理由は2種類ある魔法(マナティック)のうち魔術(マジック)の方が、幼いうちからでも安全に使用できるからです。魔術(マジック)はその効果を目で確認できることと、暴発しても大人がそれに介入して抑えることも可能であるからです。体術(アーツ)の場合は個人の体に作用し、幼い子供は加減を知らず、自分の限界を超えた意思(イメージ)をしてしまう場合が多く、体を壊してしまう場合が多いのです。そこで比較して安全である魔術(マジック)の扱い方を学ばせてから体術(アーツ)を教えることが魔法(マナティック)の良い教習方法されています。

 以上の理由と魔術(マジック)は属性を知らないと行使できないことから、5歳になると皆個人の魔術の適正を知ることから魔法(マナティック)の習得への第一歩を踏み出していくのです。


と、先程のリム様の演説の影響を受けてしまいました。ふふ、それにしてもリム様の演説されるお姿は可愛らしかったなぁ…、っと思い出したらまた、出てきました。…ん?何ですか、ランゲ。大丈夫かですって?このくらい平気です。昔荒事をしていた時にはもっとひどく出血したこともありますし。え?出血の量じゃなくて頭が?別に異常なんてありませんよ。ただ、最近はリム様の思うと止まらなくなることがあるので気をつけていますが。


 ランゲ、あなたも私の心配をするより、明日のリム様の儀式の結果の心配をしなさい。そう、明日の儀式、その結果でリム様の今後が決まってしまいます。…どのような判断を下すかはマグナス様に委ねられますが、先代の御当主様に比べてマグナス様は封建的面が強い性格をしておいでですから。リム様がそれで不幸になることが無ければいいのですが…。…ちょっと暗くなってしまいました。気分転換に昔のことでも思い出してみましょうか。聞いてくれますか?ランゲ。…そう、ありがとう…。


 私、フィーネ・エンデ・オウティス、魂名をフィネルティアと申します。魂名とは樹人族が持つ魂に刻んだ名前であり、家族や本当に親しい友人にのみ明かす大切なものです。そのため、まず人に教えることはありません。私は樹人族の地樹人種の生まれです。樹人族は水、風、土、三つの属性のしか扱えないとされています。しかし私は樹人族として特異なことに、火の属性を魔術の適正に持ち合わせておりました。しかももっとも特異な属性として。そのため、髪は赤。その外見を疎まれ、次第に周囲の人々は離れていき、終いには家族にさえも距離を置かれてしまいました。仕方ないという諦めと、どうしてこんな属性を持ってしまったのかというやり場のない感情を抱えたまま、私は自分の生まれた地樹人族の里を出て行くほかありませんでした。里を出た私は”冒険者”となり、様々な閉珠界(スフィリア)を訪れました。樹人族は比較的寿命が長く外見も緩やかに老いていく特徴があり、長い時を放浪しました。放浪の多くは危険なことも多く経験しましたが、自分と同じような境遇の人々にであったり、自分を受け入れ行動を共にしてくれる仲間との出会いもあり、今では里を出てよかったとも思います。


 私が今のフレムハルト家のメイドになった経緯は、まだ若い先代御当主様に出会ったのが切欠(きっかけ)でした。その頃先代様は家を飛び出し、冒険者として各地を放浪していました。そのとき偶然チームを組んで依頼をこなす事にがあり、その際、私が火の属性を得意としていることと冒険者としての腕を見込まれて、そのまま、先代様がつくった部隊に所属することになりました。その部隊に入ってしばらく経ち、依頼から戻って宴会になり、いい感じに酔っていたら先代様が、

「一発俺の実家にカチコもうぜ!」

と血迷ったことを申され、ともに部隊を組んでいた仲間(私も含めて)も、酔った状態であったため、

「いいね~、やろうぜ!」

みたいな軽い感じで、四大貴族であるフレムハルト家に乗り込みました。ええ、今思い返してもなんでそんなことになったのか良く分かりません。とにかく酔っていたということと、みんな若かったということにして置きましょう。


…なんです?ランゲ、その目は。誰が若いのかって?私に決まってるじゃないですか。今でもまだまだ若いですよ?なんでため息なんかついてるんです?


…まあ、とにかく、当時組んでいたチームでフレムハルト家に戦いを挑んだわけです。先代様は三男で、その当時は長男が家督を次いでいたようですが、あまり評判の良い人物ではなかったようで、御家の内情も大分傾きかけていたようでした。フレムハルト家には代々、『揉めたら殴り合って勝った方が正しい』というなんとも脳筋な家訓があり、先代様はその家訓に従ってことを実行したようです。もともと家を飛び出した理由も長男のやり方が気に入らなかったから、だったようですから。挑んだ結果は言うまでも無く我々側の勝利。圧勝でした。家の師団もあまり士気が高くなかったようでしたし。結果、家督を奪い取るような形になりましたが、批判的な声より肯定的な声の方が多かった気がします。


 無事?当主の座に着いた先代様は冒険者を続けるわけにも行かず、それに伴い部隊を解散することになりました。隊員たちはそれぞれ自分の思い思いの道に戻っていきました。あるものは再び冒険者として、あるものはこの地に残り先代様仕える形として。私の場合はこのフレムハルト家に仕える道を選びました。最初は私も冒険者として戻る道も考えました。しかし、先代様には根無し草の私に”部隊”という居場所をつくって頂いたことに恩義を感じておりました。また、当時の傾きかけたフレムハルト家の内情は、先代様の兄の残した不具合が多く、それを解消するのにも手間が掛かり、家に残った人材もその多くは信用しきれない者ばかりでした。そんな状況もあり、私を含め数人は先代様のために力をお貸しすることにしました。後に先代様はフレムハルト家を立て直すことに成功し、四大貴族の一角としての名誉を無事守ることに成功しました。その頃には私はメイド長に位に付き、屋敷の管理全般を任されるようになっていました。そのことで私は無事恩義の一部を返すことができたのではと思っております。もっとも先代様は、

「別に恩義など感じなくてもいい。俺がしたいことをしただけだ。」

とは申しておりましたが…


その後、先代様はご結婚なされ、子供もお生まれになりました。晩年も精力的に行動されては居ましたが、数年前に「歳には勝てねぇや。」とお亡くなりになりまりした。家督をお継ぎになったのは、ご長男のマグナス様で、先代様の奔放な性格とは違い、先程も申したように落ち着いた、封建的な性格をなされています。恐らく先代様の奔放さに振り回されて色々苦労なさったため、マグナス様は先代様を反面教師にし、今のような性格になられたのだと思います。私も昔は苦労しました…、ええ、本当に…。


マグナス様が家督を継がれてからはフレムハルト家の内情はより安定したものとなり、今の四大貴族の中で、もっとも力があるとも言われています。内情の安定で経済的にも安定しており、また、現在の火の魔術(マジック)の使い手で、全人種の中でも上位に入ると言われているバーナディック家の双子姉妹、フェアリーデ様、フィーリス様のお二人とご結婚されたことで、武力的な面でも力を持つことになりました。マグナス様は子宝にも恵まれて、今代のマグナス様は歴代の当主の中でも優れたお方なのでしょう。


ですが、私が今気に掛けているのは、マグナス様とフェアリーデ様の間にお生まれになった四男のリムハイド様のことです。生まれつき目が開かず、その上、髪の色が本来ありえないとされる黒の色をお持ちになっておいでです。そのためかマグナス様もリムハイド様のことを疎んじておいでのようです。その境遇が昔の私に被ることがあり、生まれた当初から何かにつけて気に掛けるようになりました。そのことを両奥様に相談したところ、リムハイド様の傍付きの侍女になったらどうかと提案されました。私自身も、そろそろメイド長を退こうと考えていたこともあり、その提案を受けることにしました。


リムハイド様、いえ愛称で呼ばせていただきましょう、リム様の傍付きの侍女になり、気付いたことはリム様は驚くほど手の掛からない子供である、ということでした。こちらの言うことをまるで理解しているような反応や行動を取られることが多く、少し物足りないような感じもしつつ、比較的楽にお世話させていただきました。成長されるにつれて、リム様がとても賢いことがわかりました。それに目が見えないということも理解し受け入れ、懸命に生きようとしておいででした。そのため、奥様方は目が見えないリム様のために、様々な知識を工夫を凝らしてお教えしておいでです。目が見えないことで伝えきれないことも多くあるようですが、リム様自身も努力して理解に勤めていらっしゃいます。また、なぜか心獣にも好かれる体質?ようで、この家の心獣の中で、リム様を嫌うものは居ないでしょう。いつもリム様の周りには誰かの心獣がおり、目の見えないリム様の案内役となっているようです。心獣と戯れる姿を思い出すと…、っといけない。これ以上血を失えば明日に響きます。気をつけないと…。


…ええと、リム様自身の性格や行動についてはあまり心配するようなことは無いように思います。目が見えなくとも、自分の力で歩こうとする意思もあり、よく練習しておいでですし、知識、知性は同じ年代の子供に比べて大分高く、学習意欲も旺盛です。ただ、たまに良く分からないことをおっしゃることもあり、その点をご指摘すると大分慌てることもございますが、それ以外は問題ないといっていいでしょう。


ですが、周囲の人間にはリム様を良くお思いにならない場合もあります。最近ではリム様に好意的な態度を取る人が限られてきました。フレムハイト家ではフェアリーデ様、フィーリス様、長男マグフォルト様、そして私は昔と変わらずリム様に好意的です。あとアクアリウス家のメーシア様も家にお越しの際はリム様を可愛がっておいでです。しかし、他の家族の皆様、この家に仕える召使たちは一部を除き、リム様を疎んじていたり、あまり関わらないようにしているようです。理由はそれぞれのようです。


 まず、マグナス様は未だに目が開かないこと、髪の色が黒いということで、このフレムハイト家に相応しくない点があることが理由のようです。また、フレムハルト家は家訓に物騒なことがあるように、武を重んじる面があり、目が開かない場合、将来戦うことのできないものを近親のうちに抱えることになるかもしれません。そのことに不満があるようです。次に長女リュリーナ様ですが、彼女は父のマグナス様に近い考えをお持ちのようです。よくマグナス様と行動ともにされることもあり、影響を強く受けているように見受けられます。また、双子のご兄弟、次男フォルナス様、三男フィグハルト様はリム様に嫉妬の感情を抱かれているようです。リム様がお生まれになるまでは奥様方に一番可愛がってもらっていましたが、リム様の目が見えないことが分かってからは奥様方はその原因をお調べになることが多くなり、あまり構って貰えなくなっていきました。奥様方はそろそろ少し距離を置いても大丈夫だろうと判断したようですが、フォルナス様、フィグハルト様には自分たちよりもリム様の方が大事にされている、母様を取られたと感じられたようで、リム様に嫉妬の感情を持つようになったようです。最後にこの家の召使い、使用人たちですが、彼らは始め、リム様を疎む感情、関わりたくない等とは思っていませんでした。しかし、当主であるマグナス様の態度から、あまり深く関わらないほうが良いと考えるようになり、そういう態度を取っているうちに、次第に疎む感情を持つようになっていったようです。すべての召使い、使用人がそうだとは言えませんが、多くはそういった態度を取っています。そういった状況もあって、奥様方は傍付きのメイドを私に提案したのかもしれません。


 リム様にとって、この家の現在の状況はあまり好ましいものとはいえないでしょう。更に、明日の魔術適正の儀式で”火”以外の適正が強く出てしまった場合、マグナス様がリム様にどういった判断を下すか心配でなりません。


「そういえば、なんでこんなに色々考えだしたのでしたっけ…。え、何?ランゲ。最近の私がリム様に近寄ると変になることの原因について考えていた?あ…、そうか。そうでした。」


 最近、リム様は魔力(マナウィス)を纏うようになってきました。それによって私は酔ってしまうのです。

 

 ―ここで言う魔力(マナウィス)には二つの意味があり、一つは消費されなかった魔素(マナ)が体外に漏れ出し、体を覆うようにできる魔素(マナ)による力場のことです。これには本人の魔術属性が現れ、魔法(マナティック)の優れた使い手ほど強力で濃い力場を持ちます。そして、二つ目は個人の魔術(マジック)の強さの評価と表す指針として用いられます。例えば、二人の人物が居てそれぞれ同じ火の玉を打ち出す魔術(マジック)を用いた際、火の玉がより大きく、より早く飛ばすことができた方が、より強い「魔力(マナウィス)」を持っているとか、魔術(マジック)の「魔力(マナウィス)」が強い、というような表現をする際に用います。


 先程、リム様が纏うようになった魔力(マナウィス)とは、前者の魔素(マナ)の力場のことを指します。この魔力(マナウィス)には先程も申したように個人の魔術属性が現れます。その魔力(マナウィス)に触れることで、触れたもの個人の感性に応じて属性を感じ取ることができるのです。私の場合は”香り”の形で感じ取ります。”火”は香ばしい香り、”水”は雨が降った後の香り、”風”は春の空気の香り、”土”は安らぎを感じる暖かい香りなどとなっています。奥様方の場合は属性の色をそのまま感じるとおっしゃっていました。このように、魔力(マナウィス)に触れた際の感じ方は人それぞれなのです。ただ、それを感じ取れる人はあまり多くおらず、居てもその判別精度は個人に左右されるため、魔術適正は儀式ではっきりさせるもの、とされています。―

 

 そう、そのリム様の魔力(マナウィス)が纏うようになり、初めて触れた際、”水”、”風”の香りが強く感じ、その中に”土”の香りも混ざっていました。その交じり合った香りはとても懐かしいものでした。自分の生まれた閉珠界(スフィリア)の空気と同じ香りがしたのです。とても懐かしい思いに駆られました。始めは自分の故郷を思い出して、その思いに浸っていました。しばらくそのような思いに浸っていると、私の雰囲気の変化に何かを感じたリム様が、

「どうかしたの?フィーネ。」

と、私を心配するように声をお掛けになりました。我に返ってリム様を見たとき…、ええ、その時、私は普通ではなかったと言えるでしょう。リム様の魔力(マナウィス)から感じた香りに酔っていた私は、リム様を見た瞬間、背筋がざわめき、心臓の鼓動が強く脈打つのを感じました。…ええ、いわゆる”一目ぼれ”に近い状況に陥ってしまったのです。勿論、初めて会ったわけではないので、あくまでも魔力(マナウィス)に酔った私の身体が”一目ぼれ”に近い反応をしてしまった、ということです。…まあ、その後はリム様のあまりの可愛らしさに内から湧き出る”愛(という名の鼻血)”が止まらなくなる、という体質になってしまいましたが…。まぁ、愛の放出量に気を付けていれば、リム様のお傍に控えていることに何の支障も問題もありません。

 …何です?支障も問題も大有りだ!それにもっと前からリム様に対する感情は変だっただろうって?そんなことはありませんよ。それ以前からリム様は可愛らしいなぁとか、抱き枕にして寝てみたいなぁとか、唇がプニプニしていて美味しそうだなぁ…うふ、とか考えていましたが、別に普通のことでしょう?そう思うのは。なんですか?ランゲ、その目は!…もういいです、先程の続きに戻ります。


…始めてリム様の魔力(マナウィス)に触れ、始めての愛の放出を終え、気絶した後、自分の部屋で目を覚まして、冷静にその時のことを思い出していた時、あることに気付きました。リム様の魔力(マナウィス)には、まったく(・・・・)といっていいほど”火”の属性を感じ取ることが出来ていなかったことにです。私の属性の感じ方はそれぞれの香りが混ざり合ってしまうため、判別方法としてはあまり優れた種類のものではありません。そのため、何かの間違いではと思い、私ではまたリム様の魔力(マナウィス)によって、冷静では居られなくなる恐れがあった為、奥様方にも確認して頂きました。…ですがその結果は、私の思い過ごしではありませんでした…。リム様の”火”の属性への適正はほぼ0%。どんなに努力しても、指先に火を灯す程度が精々の魔術適正しか持ち合わせていないようなのです。それを知った私達はリム様にはどうしてここまで試練が与えられるのか?どうしてこんなにまで残酷な境遇に陥らなくてはならないのか?と、唯々心を痛めることしか出来ませんでした。そして、このことを事前にリム様にお伝えするかどうか考えました。しかし、それはリム様の今のこの家での立場が更に悪くなることを教えるようなものです。賢いリム様は自分の現状を薄々理解している節が見受けられ、更に現状が悪化するような原因をお伝えすれば思い悩まれるでしょう。さらにリム様自身は自分の魔術の適性を知ることが出来るのをとても心待ちにしていらっしゃいました。…だから、どうしても伝えることが出来ませんでした。そうしているうちについに明日が儀式の日になってしまいました…。


「ふう、どうなってしまうのでしょうか…。」

始めは自分の今日のリム様の前での失態のことを考えていたはずですが、今はもう明日のリム様の儀式のことで頭がいっぱいです。私達が感じたリム様の魔術適正が間違いであって欲しい、とまで願ってしまいます。ですが、私だけならまだしも、奥様方もまた私と同じ判断をされました。万が一にもその判断に狂いは無いでしょう。儀式の結果、マグナス様はリム様に対してどのような判断を下すのでしょうか…。

「はあ…。…でも、そうね。私は、…私と奥様方はリム様がどんな状況に追いやられても味方で居てあげようと決めました。」

そう、リム様の魔術属性の適性を知ってしまった私とフェアリーデ様、フィーリス様はあることを誓い合いました。『リム様がどんな立場に置かれようと味方で居てあげよう』と。私達だけでなく、その場に居なかったマグフォルト様、メーシア様もリム様の味方で居てくれる筈です。ですから…、


「大丈夫です、リムハイド様。私達がこれからも味方であり続けます。だから、明日の儀式には堂々と赴き、そしてその儀式の結果に怯えないでください。きっと私達があなたを支えますから…。」


そんな決意を胸に秘めて、私は明日に備えて眠りに付きました…。


お読みいただきありがとうございます。

長文を書いていると最初と最後で文脈があべこべになってしまいがちです。

今回もその状態に陥り、修正していたら更新が遅れてしまいました。

時間が経って読み直し、おかしな部分がありましたら修正します。

お読みになり、おかしな部分、誤字脱字がありました際にはお手数ですが、ご連絡いただけたら幸いです。では、今回はこれにて失礼します…。

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