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その瞳に宿すものは  作者: aoshishi
第Ⅰ章 誕生~幼少期
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検査の結果2(主人公視点より)

遅くなりました。お待ちいただいてくださる方々に感謝を。

「………。」

「…うしたの?…シア…?」

「どうした…?もしかしてそんなに…悪いの?」


{…ん…。…んん?やべ、寝てた。}

…メーシアさんが、魔法?いや魔術か、とにかくそんな方法で俺の目の検査を始めてから大分時間がたったようだ。うん、寝てた。だって、赤ん坊ですもん、俺。しかも、メーシアさんの手に平から気持ちのいい波動?っぽいのが目蓋越しにこう、眼球を反則的に気持ちよくマッサージしてくれて…、うん。というか…、みんなの様子からすると、検査結果が出たのか?


「…。…残念だけど、私ではリムハイド君の目は”治せない”。つまり”異常がないと言うこと。いくら癒しの魔術を得意としている私でも、異常がない状態からは治しようがないわ。」

「…なんだと?」


え!”異常”がない!?”治せない”!?どゆこと??待て待て、とりあえず落ち着こう。落ち着いて考えよう。”異常”がないということは、目自体は悪くないってこと?つまり視力は普通にあって、目蓋が開けば問題ないのか?


「目が開かないことに関して医療の面からは何も言えないということよ。」

「そうか…。では”呪い”に掛かっているとでも?」

「…それはないわ、あなた。だってフィーリスが検査したときもなんともなかったでしょう?」

「それは…、そうだな…。」

「そう…、呪術の解除に精通しているフィーがその点を見落としているとは考えられないわね。」


”呪い”!?物騒な!そんなものまであるのか。…でも、魔法っぽいのがあるから、呪いっぽいがあっても不思議ではないか。てか前にフィーリス母様が俺を検査したとき、そんなことまで検査してたのか。あの人は呪術が得意なのかな?メーシアさんは医療系の魔法が得意みたいだし。母さんは何が得意なのだろう?いや、それよりも俺の目についてはどうなるんだろう。そうだ、それに俺の処遇はどうなるんだ?寝ぼけてる場合じゃない!


「ねえ、メーシア。じゃあリムの目は…、開くことはない、ということ?」

{そうそう!そこんとこどうなんですか?メーシアさん!}

「…異常がないから癒しの魔術は通じない。原因がわからない以上はこれ以上手の打ちようがない。王都の学園の研究機関に検査を依頼すれば、あるいは…。」

{ほかにも検査の手立てがあるんですか!?ならぜひ…。}

「…いや、それは駄目だ。元々内々に手を打つつもりでいたのだ。それに貴様の判断に間違いはないのだろう…?」

{え…?何を言ってるんです?お父様!!}

「それは断言するわ。でもどうするつもり?マグナス。この子の目をこのままにしておくつもりなの?」

{そうだ、そうだ!見捨てるつもりですか!?}

「原因がわからないということは、今後回復の見込みがあるかもしれないということだろう?幸い、5歳になるまでは貴族の公式の場にでることはない。それまでは手を尽くしてみる。」

{まあ、見込みはあるかもしれませんが…。てか5歳までって…。}

「そう…。ごめんなさいね、二人とも。私もできる限り手伝うわ。」

「ええ、ありがとう、メーシア。そんなに気を落とさないで。」

「…協力してくれたことは感謝する。」


どうやら、父様は”俺の目が開かない”ということが世間に知られるのを良しとしていないようだ。確かに貴族、しかも大貴族ともなればそういうことにも敏感になるものだろう。

でも…。


{さっきの言い方からすると”5歳まで”に俺の目が開かなかったら俺の処遇を考えるってことだよな…。}


どうなるかはわからないが、殺される、ことはないだろう。いや、そうであって欲しい。だが、この世界の常識がわからない以上、今は判断がつかない。だから、とりあえず、


{父様、母様、それにメーシアさんも原因の調査をしてくれるっていうし、赤ん坊の自分にできることはないはず。任せるしかない。}


今の自分の現状を受け入れ、問題を棚上げにすることにした。そうしておかないと、また不安になってしまうから。でも…、


{前世は足が不自由で、今世は目が見えないまま生きていくことになるかもしれない、か…。まったく、世知辛いね-~…。でもま、考えようによってはラッキーなのかな。二回目の生を前世の意識と記憶を受け継いで得られたのだから。}


いつまでも、後ろ向きでいるわけにもいかないだろう。前世でだって足が不自由でも努力して歩けるまでになった。今世でだって、なんとかできるかもしれない。まだ諦めるには早すぎる。生まれてまだ数日しか経っていないのに諦めて過ごすにはまだ早すぎる。


{ま、なんとかなるさ。}


ここ数日、俺の不安でいっぱいだった心は今は晴れ晴れとしている。前世では諦めは良いほうだとよく言われていた。前世で足が動かなくなったときも、早々とその事実を受け入れいた。結果がわからないときが一番もやもやする。待っているとき、先が見えないとき、そのときが一番不安になる。だから、目が開かないとわかった今は以前ほどの不安はない。だから、


{まずは受け入れること。それからだ。それからまた始めればいい。変わっていけばいい。諦めて、受け入れて、でも始めていき、そして変わっていく。今世でもそうして生きて行こう。}


。結局は諦めても諦めないこと。前世で学んだことだ。今世でだって、きっと通用するはずだ。検査の結果は芳しくなかったが、俺にはプラスに働いてくれたようだ。俺のこの世界での生き方を決めるきっかけになったのだから。



俺の診断とその診断結果を待っていたみんなに報告をし終え、メーシアさんは帰っていった。俺の症状について調べてくれるようだ。メーシアさんに感謝。いつか恩返しができればいいなぁ。また、報告を聞き終えたみんなは俺を心配するように声を掛けてくれた。

その後は食事の場になった。その場は俺の目についての今後の行動をどうするかの話し合う場となり、治療系の魔術の知識のあるフィーリス母様と学園に通っているマグフォルト兄様が調査をしてみるとのこと。すみません、お世話になります。いつもの食後はみんな明るいのに今日はみんな暗かった。雰囲気を悪くしているようで心苦しい。まあ、仕方のないことではある。まあ、とりあえず俺は、この場を離れることにする。


「あうあ、あぎゃ、おぎゃおぎゃー!」{母さん、お腹空きました。}

「あら、リム、どうしたの?お腹が空いたの?それともオムツ?」

「どうした?」

「ええ、ちょっと。オムツは大丈夫みたいだし…、お腹が空いたのね?みんな、リムはお腹空いたみたい。私は部屋に戻るわ。そのまま、寝ることにします。」

「そうか…。では私も部屋に戻って仕事をするとしよう。」

「ええ、では私も部屋に戻って早速リムの症状について調べてみます。」

「みんな戻るみたいだし、私達も部屋にもどりましょうか?フォル、フィグ。」

「うん、わかったよ、リーナ姉さま。俺、ちょっと眠い。」

「俺…も。」

「では、みんな、おやすみ。」

「「「おやすみなさい。」」」


俺の空腹の鳴き声をきっかけにみんな部屋に戻るようだ。部屋に向かう途中、

「リーデ母様。」

「あら、マグフォルト。どうしたの?」

「明日には学園に戻ります。私もリムハイドの症状については調べてみます。あまり気を落とさないでください、お母様。みなで協力すれば、解決の糸口もつかめましょう。」

「そうね、ありがとう。」

「では、おやすみなさい、母様。」

「ええ、おやすみなさい、マグフォルト。」

と、マグフォルト兄様が声を掛けていった。良い兄を持てて良かった。


寝室に戻り、母さんから食事をもらう。しばらく経つと眠くなってきた。うとうとしていると、

「リムハイド、大丈夫よ。みんなあなたのために協力してくれるわ。きっと大丈夫。だから安心していてね。」

と声を掛けてくる母さん。だから、俺は、

「…あうぁ…、あう…。」{ありがとう、母さん。}

と思いが伝わればいいなと思いながら、感謝を込めて返事をした。

「安らかにお眠りなさい。かわいいリムハイド…、おやすみなさい。」

そんな言葉を耳にしつつ、俺は眠りに落ちていった。


そして、時は進む…。


次回は少し時間が進みます。ようやく書きたかった部分に突入していける…はず…。では、失礼します。

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