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その瞳に宿すものは  作者: aoshishi
第Ⅰ章 誕生~幼少期
5/11

検査の結果1(フェアリーデの視点より)

二人称。主人公の実母、フェアリーデの視点からです。

「………。」

「どうしたの?メーシア…?」

リムハイドの目に関する検査を始めてしばらくたった。

メーシアは学園時代からの友人で、癒しの分野においてはリュミナス王国の中でも上位に位置した魔術使い。マグナス様も口では悪く言ってはいるものの、本心では信頼しているに違いないわ。きっとリムの目に関してもなんとしてくれると思っていた。でも、その顔が先ほどから曇っていくばかり。心配になって声を掛けてみた。

「どうしたの?もしかしてそんなに…悪いの?」

「いいえ、違うの。でもこれは…。」

「歯切れが悪いぞ、メーシア。…はっきりと言え、検査の結果を。そのために呼んだのだ。」

「…ええ、そうね。…残念だけど、私ではリムハイド君の目を治すことはできないわ。」

「…そんな…。」

「…アクアリウス家一の癒しの腕を持つお前の腕でも開かんのか?リムハイドの目は。」

「そうよ、でも検査してみてわかったことは一つ。彼の目は”治せない”。つまり”異常”がないということ。いくら癒しの魔術を得意としている私でも、異常のない状態からは治しようがないわ。」

「…なんだと?」

「目が開かないことに関して医療の面からはなにも言えないということよ。」

「そうか…。では”呪い”に掛かっているとでも?」

「…それはないわ、あなた。だってフィーリスが検査したときもなんともなかったでしょう?」

「それは…、そうだな…。」

「そう…、呪術の解除に精通しているフィーがその点を見落としているとは考えられないわね。」

私、フェアリーデとフィーリスの特性は”火”、でも、それぞれ違う分野を得意としている。”姉の私は相対するものを直接的に攻撃することを、妹のフィーリスは補助魔術、特に呪術を用いて相対する者を不利益な状態にするような間接的に攻撃することを得意としている。フィーリスは回復に関する分野もある程度扱えるし、リムの目を検査したとき”私の分野では”とも言っていた。恐らくは遠まわしに”何者かによる呪術ではない”ということ暗に言っていたのは確かでしょう。そうなるとこの子の…、リムの目は…、

「ねえ、メーシア。じゃあリムの目は…、開くことはない、ということ?」

「…異常がないから癒しの魔術は通じない。原因がわからない以上はこれ以上手の打ちようがない。王都の学園の研究機関に検査を依頼すれば、あるいは…。」

「…いや、それは駄目だ。元々内々に手を打つつもりでいたのだ。それに貴様の判断に間違いはないのだろう…?」

「それは断言するわ。でもどうするつもり?マグナス。この子の目をこのままにしておくつもりなの?」

「原因がわからないということは、今後回復の見込みがあるかもしれないということだろう?幸い、5歳になるまでは貴族の公式の場にでることはない。それまでは手を尽くしてみる。」

「そう…。ごめんなさいね、二人とも。私もできる限り手伝うわ。」

「ええ、ありがとう、メーシア。そんなに気を落とさないで。」

「…協力してくれたことは感謝する。」

その後、私達はリムの検査結果を別室で待っていたみんなに報告した。みんな一様につらそうな表情をし、リムにはそれぞれ声を掛けていた。その際、リムがみんなを励ますように声を出していたのが印象的だった。なんとなくその場の雰囲気を感じとっているような、そんな気がした。

その後、夕食の時刻になり、メーシアも一緒にどうか?と誘ってみたが、

「いや、遠慮しておくわ。過去に同じような症状の記録はないか調べてみるわ。」

と言い、帰っていた。あまり無理はしないでね、とは言ったものの、リムのために動いてくれることに深く感謝した。

夕食は今後のリムハイドについての話し合いの場となった。主にフィーリスとマグフォルトが発言し、マグナス様はそれを取りまとめていた。食後の憩いの時間も普段とは違い、会話の数も少なくあまり明るいものではなかった。そのままの雰囲気のまま、みんな部屋へと帰り、その際にマグフォルトが、

「明日には学園に戻ります。私もリムハイドの症状については調べてみます。あまり気を落とさないでください、お母様。みなで協力すれば、解決の糸口もつかめましょう。」

と私に声を掛けていた。

寝室に戻り、リムに食事を与え終え、しばらく経ち、うとうとし始めたリムを抱き、

「リムハイド、大丈夫よ。みんなあなたのために協力してくれるわ。きっと大丈夫。だから安心していてね。」

と、声を掛けてみる。

「…あうぁ…、あう…。」

と少し寝てしまっていたのか、リムはこちらに返事を返してくれるように声を上げた。

「安らかにお眠りなさい。かわいいリムハイド…、おやすみなさい。」

目は元より閉じられている、が先程はもぞもぞと動いていたのが動かなくなったので、眠りに落ちたようだと判断し、リムを起こさないように一緒にベットに横になった。

明日からはリムハイドの目が開かない原因の調査を始めるつもりいる。

「…必ず何とかして見せるわ。」

そう決意して目を閉じ、私も緩やかに眠りへ落ちていった。


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