第3話
健司があの騒ぎについては何の意図があったかは知る由もないが、いたずら半分の小芝居という結論を出した。手を介して「力を分け与える」など現実の世界であり得る話ではないではないか。
重い荷物の他につまらぬ気疲れまで背負いこんだ思いの健司は一階でも買い物はせず、部屋に戻ることにした。荷物を置いてコーヒーを淹れ一息つくことにしよう。買い物はそれからでよい。
「一度戻ると外に出るのが億劫になるぞ」
「わかってるさ」
内なる声も疲れを感じているのか、これだけで引き下がっていった。それとも、それどころではなくなったためだろうか。健司がホテルの玄関口に足を踏み入れてすぐにさっきの騒ぎの三人が身に着けていたスーツを目にしたからだ。紺色のスーツはありきたりであるが襟元の特徴は覚えている。
その女性は受付カウンターの傍で中年女性三人組の相手をしていた。客ではなくここの従業員なのだ。受付に目をやるとカウンター内の男女も同じスーツを身に着けている。あのスーツはこのホテルの制服なのだろう。
「彼女もあの二人もか……」
「ここにいるようだな、気になるな……」
「あぁ……」
健司が立ち止まり三人の女性とのやり取りを眺めているとその傍をあの女性が通りかかった。あちらも健司に気がついたのか少し足を緩めた後、足早にその場を去っていった。
「彼女だよ!」
「追いかけるか?」
「もちろん!」
彼女の姿を目にしてさっきまでの疲れは消し飛んだ。健司もその後を追うことにした。駆けだしたい欲求を抑え彼女は向かった方向へと足を向ける。不審者扱いは御免だ、声の掛け方には注意が必要だろう。
「あそこの角を曲がったな」
その角を曲がるとそこは飲食店のエリアとなっていた。廊下を挟んで左右に飲食店が並んでいる。まずはバイキング形式の食堂とその先に和食や洋食の店舗が並んでいる。前回、健司は朝食のために利用したことがある。大きな窓は周囲の森に面しており、それを望むことができた。
昼時が来たとあって宿泊客が多く行き交っているが、真っすぐに奥へと続く廊下にスーツ姿の女子の姿は見られない。
「食堂にでも入ったのか?少し覗いてみるか……」
その考えは迷う暇もなく短い悲鳴により阻まれた。
何事かと声が聞こえた先に駆けつけてみると老女が一人床に座り込みその夫であろう老人が心配気に彼女の肩に手を添えていた。彼女の傍には健司より近くにいた客たちが寄り添っていた。
「大丈夫ですか?」
口々に彼らが声を掛ける。
「えぇ、まぁ、大丈夫です」
老女は介助を必要とせず一人で立ち上がった。大事はなさそうだ。それを目にして皆が安堵の表情を浮かべる。
「何があったんですか?」
「それは……足元を小さな何かが通ってそれを避けようとしたら座り込んでしまって……」
「小さな何か……ネズミ?」
客たちは顔をしかめる。
「そうじゃなくて、茶色くて尻尾の太い……」
「栗鼠?」
「そうかもしれません……ね」
「それにしても栗鼠がこんなところに……」
「お体でどこか痛いところはありますか?」彼らを取り巻いている客の中の女性の一人が老女に問いかけた。
「少しお尻が痛いですが……これは」
「部屋に引き上げて少しじっとしていようか」夫が頷きかける。
「……そうですね」老女は少し考え頷いた。
集まっていた客たちは皆軽く頷き安堵の笑みを浮かべた。
「ねずみじゃないにしても栗鼠が入ってくるとどうなってるんだ……ここは」中年の男が呆れたとばかりに首を振った。
「その通り」健司は声に出さず呟いた。
栗鼠の乱入騒ぎはとりあえず落ち着いたようだ。あの女性の行方は終えなくなったが、彼女がここで働いているなら、また見かけることもあるだろう、声を掛けるのはその時でいい。
「買い物を済ませて帰るか」
これには内なる声も何の異論も示さなかった。
予想通りではあるが、コーヒーで一息入れた後はすっかり外に出る気は失せていた。コーヒーを飲み干すと速やかに寝間着代わりのスエットに着替えた健司はノートパソコンでの執筆を再開した。夕暮れ後に下のコンビニで買ってきたサラダと大盛カップ麺で腹を満たした。喉が乾いたわけでもなかったが昼間行った酒屋で飲み物はすべて飲み干し缶やペットボトルはどれも空となった。またもや部屋の隅に資源ごみ置き場の登場となった。
書いている物語に一区切りがつきスマホの時計を見てみると、今夜も風呂の終了時間間近となっていた。
何本もの酎ハイで酩酊状態となってはいたが、風呂には入っておきたかった。座っていた窓辺の椅子からゆっくりと立ち上がる。体にふらつきはなく足取りに問題はない。これは自己評価につき客観性は見込まれていない。風呂の用意を済ませ、財布から小銭を取り出した。
「今日はバニラでいいか、やはりマーブルチョコ、あぁここで悩んでもしかたない」
アイスは他にもいろいろとある。決めるのは風呂から上がってからでいい。
廊下に出て一階へエレベーターで降り、大浴場へと向かう。夜も更けてきているために灯されている照明も限定的で、ロビーや案内カウンターなどは闇に落ち、人気は失せている。部屋を出るときに履いてきたスリッパの音だけが健司の耳に入ってくる。昨夜も思ったが、この雰囲気は抜群だ。何が出てきても違和感はない。
「それって褒めてるのか?」
評価はしているが、自分がその立場に陥ることは御免こうむりたい。楽しんでいられるのは自分の身に危険がおよぼす恐れがないからだ。
健司は大浴場に向かっていたが、行きついたのはあの防火扉の傍にある自販機の前だった。
「まぁいい……」ここからでも大浴場に行くことはできる。通路をこれまでの逆に行けばよいだけのことだ。
防火扉の傍を通りかかった時に昨夜の夢のことを思い出した。夢では扉の支柱に例の「ベイシア様の御印」がついた小窓があった。そして、その中にはキーパッドが内蔵されていた。現実はどうなっているのか。こちら側には何もない。反対側はどうなっているのか。興味を持った健司は扉の裏側に回ってみた。
「おぉっ!」
期待を持っていなかった健司は夢と同じ小窓を目にして思わず声を上げてしまった。あれは夢ではなかったのかそんな馬鹿なことがあるはずがない。見てはいたが意識してはいなかっただけだろう。それを夢が無意識のうちに取り上げた。それだけのことだ。それでも健司はその場から立ち去ることができず、夢であったように小窓の小さな扉を内側へ押し込んでみた。指を放すと内側には夢で見たキーパットが収められていた。
「本当の夢だったのか?」またこの問いが頭をもたげてくる。
この先はわかっている。PINを打ち込めば防火扉の鍵が開錠される。健司は息を飲みPINを打ち込んだ。それに呼応するように小さくはあるが重い打撃音が周囲に響いた。
「これで扉を開けば……」
昨夜と同様に扉の向こう側は地下へと続く階段となっていた。
「これも夢なのか……」
昨夜はここでアラームに起こされ目を覚ました。あの続きならこの先はどうなっているのか。健司は階段を下に降りてみた。階下には明るく輝くような白い壁の廊下が続いていた。長い廊下の両側には扉が点在しているがそこには何の表示もない。何のための部屋なのか、健司は手近の扉のノブに手を掛けひねってみた。扉に鍵はかかっておらず手前に開くことができた。人感センサーが付いているのか、健司が扉を開けると室内の照明が点灯し内部が照らし出された。そこも輝くような白い壁の部屋で多くの白い棚が並べられている。それらの棚には酒や清涼飲料水、カップラーメンに菓子類が収められている。土産物の菓子や蕎麦が積まれている棚もある。ここは一階の倉庫として使われているようだ。このような場所であるにも関わらず床には靴や台車の擦り跡はなく棚も傷一つ付いていない。不気味なほどの清浄が保たれている。
すこし奥へと進むと棚の下に何かが落ちていた。白い小さなプラスチックの箱だ。健司はかがんでそれを取り上げてみた。濃い青でFRISKとロゴが書かれている。未開封のフリスクのタブレットだ。健司もコンビニやスーパーでたまに買うことがある。誰かが商品整理の折に取り落としたのかもしれない。健司は取り上げたフリスクを腰のポケットに入れておいた。
奥へ歩き出そうとした時に聞き覚えのある曲が聞こえてきた。アラームの曲だ、反射的に身体を起こしアラームを止める。そして周囲を確かめる。そこはホテルの一室で窓からはまもなく夜明けを迎えることを告げるような白みがかった空が見える。
「やっぱり夢だ……」
二日連続で酔っぱらって寝落ちしほぼ同じ展開の夢を見たことになる。まったくどうにかしている。
部屋の照明を付け、部屋の状態を確認してみる。ノートパソコンはスリープ状態となっている。書いていた小説は記憶通り一区切りついたところで止まっている。ここまで起きていたのは確かだろう。記憶ではその後外に出たはずだが、実際はそのまま眠りについたようだ。真に迫った世界で不思議なことが起こる。
「まさに夢だな……」
健司は立ち上がり、コーヒーの準備を始めた。飲みかけの水はないため備え付けのポットに入れる水は洗面所からとればよいだろう。あれだけの飲み物をすべて飲んでしまうのだから変な夢を見るのも無理はない。冷蔵庫を開けると昨日買った野菜サラダは残っていた。鞄の中のロールパンなども無事だ。酩酊状態でもこれらを残す理性は残っていたようだ。これで下のコンビニが開店するまでコーヒー一杯で過ごすなどという事態に陥らなくてすんだ。今日のチェックアウトの時間を考えれば朝食を食いそびれることもあり得ただろう。
簡単な朝食と身づくろいを済ませた後はまた窓際で執筆に入った。結局ここにやっては来たが部屋で酒を飲みまくって部屋に籠りきりとなっていた。
「まぁ、そのために来たんだ。それでいい」
ささやかではあるが兼ねてからの夢の一つが実現したのだ。いい旅行になったといってよいだろう。そのまま執筆を続け、気がつくとチェックアウトの三十分ほど前となっていた。ノートパソコンを片づけ、忘れ物の再確認をした後に健司は一階へと降りていった。最後にするのは昼食と土産の買い出しだ。昼食も誰も用意はしてくれない。高速道路での移動中にどこかで食事をとることになるだろう。ならば、ここで土産を買うついでに買っておくことにした。くずの出ないパンを二、三個買っておけばいいだろう。それをどこかのパーキングエリアに入った時に食べればよい。
エレベーターで一階に降り売店へと向かった。
「お客様!」
健司の背後で女性の従業員らしき声が聞こえた。誰に向けた声なのか、その呼びかけに反応をするものは少ない。少し間をおいて女性の従業員が健司の前に回り込んできた。
「お客様!」女性は健司を見つめて呼びかけてきた。
「はい?」何の用があるのかわからないが、さっきの健司に対しての呼びかけだったようだ。
「何でしょう?」
誰かと思えば彼女は昨日健司の前で倒れた女性だった。
「昨日はすみませんでした。あの時はよくわからなくなってご迷惑をかけてすみませんでした」
「そうでしたか」健司は当たり障りのない言葉で応じておいた。彼女とは一度会って話がしたいと思っていた。そんな彼女の方から健司の前に現れたとなれば好都合だ。
「突然目の前で倒れられて驚きましたが、何があったんですか?体調は問題ないですか?」
「あれは慣れない体で動き回って力が尽きてしまったのです。今はもう回復し体調は万全です」
「はぁ……何か持病がおありですか?」それを無視して無理をしたのか。
「いいえ、特にありません」と女性。「ですが、加減は考えないといけませんし、慣れも必要なようですね」
「はい……」
彼女はここの新入りでまだ仕事に慣れていないということか、それで働き過ぎて倒れてしまった。それは違う、道端で倒れるほど疲れていたならあれで済むわけがない。
「駆けつけてきた同僚の方が力を分けるとか言っておられましたが、あれはどういう意味なのですか?」
健司は彼女の聞きたかった疑問の一つを思い出すことができた。
「あぁ……」女性は軽く頷き笑みを浮かべた。「それは言葉通りに受け止めて頂いて問題はありません」
「はい……」
「わたしはあの二人に力を分けてもらって立ち上がることができました」
「そんなことができるんでしょうか?」お互いで体力を融通し合うなど夢のような話だが、それはこの世の話とは思えない。
「はい、ベイシア様のお力を授かれればそれも可能です。あなたもそれは目の当たりにされたはずです」
「あぁ……」まさか、あの騒ぎはその力の存在を見せつけるための儀式だったのか。「B.I.N」はベイシア様の教団のようなもので彼女たちはその信者となっている。彼女たちは新たな信者獲得のため日夜あのような芝居を演じているのか。あんな芝居でベイシア様の力の存在を信じる者がいるのだろうか。
「では、またのお越しをお待ちしております」彼女は頭を下げ健司の前から去っていった。
カーナビに導かれ健司が自宅に戻ったのは夕方になってのことだった。幸い渋滞に巻き込まれることなく終始滑らかな運転を続けることができたが、長時間に渡る緊張感による疲労は免れることはできなかった。近くのコンビニで買った弁当で夕食を済ませた健司は、休むことなく旅行鞄の中の仕分けを始めた。明日から仕事に戻ることになるためゆっくりとしてはいられない。土産はテーブルの隅へ置き、ノートパソコンは机の上に戻し電源コードやケーブルなどを繋ぎ、使用環境を整える。鞄から下着などの汚れものを取り出し洗濯機に放り込む。寝間着代わりのフリースを鞄から取りだした時に何かが床に転がり出た。
「これは……」
床に落ちていたのは未開封のフリスクだった。青いロゴはペパーミントで健司が好んで買う味だ。これを持っていった覚えはなく、買ったならすぐに開封するはずで放置することはない。これがなぜフリースから出てくるのか。
「……まさか」
思い当たったのは昨夜の夢だ。扉から続く地下の倉庫内で床に落ちているフリスクを拾った。あれをどうしただろうか。
「いや待て、あれは夢だ」
防火扉から繋がる地下倉庫なんて考えられない。一点の汚れもない倉庫なんてあり得ない。あれが現実のはずないではないか。
「落ち着け!」
健司は何か言い知れぬ恐怖に囚われ悪寒を感じ、フリスクが入り込んだ理由を考えた。
「そうだ……」
ホテルに行く道中で何軒ものコンビニに寄った。ホテルのコンビニも何度も利用した。その際に無意識のうちにフリスクを買ったのかもしれない。買ったものはすべて鞄に詰め込んでいた。それが今出てきた。それだけのことだ。フリースに入っていたわけではない。フリースに絡んで今出てきたのだ。
「それでいい」
旅行としては悪くはなかったが、体調は万全とはいえなかったのかもしれない。移動時は運転に疲れ、ホテルでは飲んだくれて、執筆に没頭するあまり意識は散漫となっていたのだろう。そう理解し健司はようやく落ち着きを取り戻した。
「今日は風呂に入って寝よう、それで解決だ」
健司は荷物整理と洗濯を済ませた後、そのほぼ考え通りに小説の執筆を少し進めただけで眠りについたが、事は解決には程遠い結果となった。
また扉の夢を見たのだ。しかし、今度はあのホテルの防火扉ではなかった。健司が住んでいる賃貸マンションの一階にある関係者以外立ち入り禁止と表示が張られた扉だ。そこにも「ベイシア様の御印」がついた小窓がついていた。夢の中の健司は慣れたもので易々と鍵を開き中へと入っていた。その中にあるのは電源などマンションのインフラ設備のはずなのだが、その先はホテルの地下と同様の白く輝く廊下が続いていた。内容としては前夜の続きとなっていた。売店の倉庫を一通り歩いた健司は別の扉を見つけ、そこから廊下に出たところで目が覚めた。
「またか……」これが健司が目覚めた際の呟きだった。
三回目となるともう寝床から跳ね起きることもなかった。夢なのだ。夢とわかっていれば慌てることはない。ただ、何が原因であるかは気になってくる。
出勤のためにマンションの一階まで降りた時に健司はエントランスの奥へと足を運び、そこにある扉を確認してみた。これが夢に出てきた扉なのは間違いなかった。「関係者以外立ち入り禁止」と書かれた札が貼り付けられた扉の傍の壁には「ベイシア様の御印」がついた小窓があった。中を確かめてみたかったが、今はそんな暇はない。それに他の住人にも見られたくもない。
あれについては以前から目にしてはいたが、いつからあるのかはわからない。ここに越してきた時はなかったように思う。会社への出勤途上でも見かけたと記憶していたが、それは正しかった。地下鉄の駅の公衆トイレの横、行きつけのコンビニの入り口の脇、会社の近くにあるテナントビル入り口傍など何ヵ所にも渡ってあの小窓を持つ扉があった。
「B.I.Nというのはメンテナンス関連の管理会社か。だから方々の扉にあのマークが刻み込まれている」
「それはおかしいだろう?彼女はベイシアをまるで神のように讃えていた」
「ベイシアとB.I.N.は別じゃないのか?」
「別なもんか!ホテルでは一緒に書いてあっただろう」
健司の脳内ではこのようなやり取りが度々沸き起こり、集中を妨げ仕事の妨げとなる事態を引き起こした。
健司の困惑をよそに扉の夢は毎夜続いていく。街で目にした扉を開け、地下へと降りる。それらすべてがあのホテルの地下に続いている。まさに「どこでもドア」となっている。どこにでも行けるドアではなく。どこからでも行けるドアではあるが。地下へと降りた健司は人気のない白く輝く廊下を歩き、その中を探索する。
現在は倉庫を通りぬけ、従業員食堂や土産物となる饅頭に煎餅、佃煮などの惣菜類を作る厨房などに立ち寄り、新たなる扉に行きついたところだ。健司はホテルへの旅以降続く夢を「健司散歩」と呼び、可能な限り軽く扱おうと務めた。夢の中では軽口をたたいていられるが、それは起きている間も彼を捕らえていた。夢と現実の境が極めて不安定となってきている。扉の先が気になり、それを開くことを躊躇することもしばしばだ。もはやベイシア様の力は健司への呪いとなっている。
旅から戻って二週間ほどが経ち、健司は再びあのホテルへ向かう決意をした。ベイシア様が何者か、その力が何たるかをホテルに出向き、直に訊ねてみることにした。印が入った扉についても聞くつもりだ。自分でも常軌を逸した行動であることは承知している。近くにいる医師の元に駆け込むのが適切なのだろうが、その前にベイシア様について知りたいという気持ちの方が強くなっていた。
休日となった木曜日の朝、夜明けとともに起き出した健司は素早く身支度を整えた。今回はホテルに長居をするつもりはない。ベイシア様について確認するだけでよいからだ。財布とスマホだけあればよい。二つがバックパックに入っていることを確かめ部屋を出た。エレベーターで降りた一階ではエントランスの奥に目をやる。




