王都混乱編 第十九話 勝利への活路
ゆずきが扇姫に勝利したのはスキルを奪えたから。そうは言っても別に扇姫がスキルを使えなくなったわけではない。ゆずきが使える様になっただけである。だがそのうち奪って、相手が能力を使用出来なくなるような事が、出来るようになるだろう。
そして今もベルは空間内で、レヴィアタンが再び暴走した時のために控えている。分かりやすく言うと、夜泣きする子供が不安で、親がそばに居たりすることだ。ちなみに周りから見ると、ベルが空間に相手を連れて行く際は、ベルと空間移動の対象共に消えたように見える。これはベルが空間を出す場所が仮想空間だから。分かりやすく言うと仮想空間はこの世界の何処にも存在していないが、確かにある空間。そこに空間を出して連れて行く。ただ、このスキル自体は相手を自分の空間に連れて行くだけであり、特に強くないのに、発動には相当の実力が必要。しかしタイマンに持ち込む為の方法の一つでもあるので、汎用性はかなり高い
そしてゆずきと扇姫は瓦礫に座っている
なんで僕の隣に座ってるんだろう…
「にしても坊や凄いわね…」
「何が?」
「だって普通にスキルを発動したら老化どころか死んでたわ…力の調整が出来るのね」
「だってあそこで殺意丸出しで全力で奪ったスキル使ってたら、殺意で避けられてただろうし」
「ふふ…そうね…」
扇姫が空を見上げながら微笑む。その後数秒間沈黙が続く
「で…今君は無傷で僕はボロボロだけど…不意ついて攻撃とかしないの?」
扇姫を目を見開く
「私をそんなクズだと思ってたの?ひどい坊や…♡」
ゆずきが立ち上がる
「多分そろそろアルカの方も決着だろうし…気長に待つよ」
「仲間は誰も応戦してこないのですか?」
エデンの質問にアルカが埃を払いながら答える
「私が信用されているのです」
アルカはエデンの攻撃で、ゆずき達と離れた所に飛ばされてしまった。その後でエデンが追い討ちをかけてきたので、未だゆずき達の所に戻れない
「そう…ですか。貴女は私を生かすつもりなんですよね?剣の側面で攻撃を受けるだけだなんて…いくらなんでも舐め過ぎです。現に貴女は私の攻撃でボロボロ…!?」
エデンの目が見開き、驚愕する
「嘘…無傷…だって先程から私の攻撃を受け続けて…」
「貴女の攻撃…効いてませんよ。まぁ…恐らく、そちらの陣営の中では最強なんでしょうけど」
「………え…」
勝てるわけがない圧倒的強者…私は…この人に勝てない…
「念の為生かしておきます。ですが…抵抗するようなら話は別です」




