魔王討伐編 第一話 狐の瞳
ベルに手を引っ張られ
ゲートをくぐったゆずき
目を開けるとそこはゲームのような異世界
「凄い!わーい!」
ゆずきが子供の様に走り始める
流石にベルも焦る
「ちょっと落ち着いてください!」
「だって異世界だよ!?はしゃぐよ!」
我慢できなくなったベルがゆずきの頭を叩く
「全くもう…」
「てかさっきの人達はどうしてるの?」
「さっき貴方と一緒に呼び寄せた人達は恐らく何処かで冒険者やらになってると思いますよ…貴方も冒険者になって私と…」
「え!?何してもいいの?じゃあ僕はおっきな家建てて………一生だらけたいです!」
ベルの口調が変わる
「え…ちょっと待って!?せっかくの異世界だよ!?冒険したくないの!?」
「危ないのいやだからいい」
「いいから私と一緒に戦って!」
ベルがゆずきをボカスカ叩く
「えー…めんどくさい…てかベルのお面って外したらどうなるの?まさか…秘められた力が…」
「特にないですけど?」
ベルが普通にお面を外す
「いやないんかい!」
ベルは
黒くて艶のある髪に
幼さも少しある綺麗な目
完全に美少女だ
「あれ?驚かないのですか?」
「え…あ~…顔隠してる人大抵美男美女だってのがお決まりだし」
「そうですか…そんな事よりまずは冒険者になる為に準備をしましょう!」
ベルは再びお面を着ける
ゆずきとベルはギルドに向かう
「本当にゲームみたいだな…」
そこにフードを被った女性が走ってきた
「はぁ…はぁ…はぁ…あ…あの…」
女性はゆずきに声をかける
「ゆずきさん…ですよね?」
「え…なんで僕の名前を?」
女性がフードを外す
銀髪に宝石の様な目
大人びていて
蒼華やベルと違うタイプの美人
背も高い
「うわっ!美人!身長何cmですか?」
「え…あ…172です…」
「うわ〜!高いな〜いいな〜」
ベルが割り込む
「ちょっと待ってください…貴女は誰ですか?」
「私は…アルカと呼んでください…」
「アルカって呼べばいいの?なんで僕の名前知ってたの?」
「それは秘密です…それより…私も仲間に入れてください」
「私は別に良いですけど…ゆずきは?」
「いいよ!」
そして僕達は無事3人でギルドで手続きを済ませ、3人パーティーの冒険者になった
周りからは僕を羨ましいと言う冒険者があとを絶たなくなった
そして僕はそう言われるたびに思っていることがある
そんな甘くねぇよ!
実際僕は冒険者として強くなる為
ベルに魔法で訓練をしてもらい
アルカには剣術の訓練をしてもらっており、
非常にハードなのだ
「なんでこんな簡単な基礎魔法も使えないんですか!?まったく…」
しかし人間の僕には少し厳しい内容
「私の魔法で見たらあなたには魔力がこもってました!頑張ればいけますよ!」
「えー…」
その後アルカに剣術を教わる
「ゆずきさん…剣は自分を見る鏡みたいなものです…って聞いてますか?………お…起きてください!」
「うわっ!びっくりした…」
しかしそんなこんなで僕はそこそこの冒険者よりは強くなっていた
喋り方は上品なのにも関わらず
案外ハキハキしてるベル…
大人しくて優しいが
訓練はきちんとハードなアルカ…
二人を相手するのは大変だ
「てか…冒険者って何が最終目的?」
アルカが考える
「そうですね…魔王討伐でしょうか?」
そこにベルが来た
「そう…魔王討伐が目標です…てなわけでゆずきを鍛え上げたなら速攻で魔王城に凸りましょう」
「魔王倒したら働かず遊んでいい?」
「それは駄目です!」
するとベルは咳払いをし、話し始める
「私の真の目標は魔王討伐ではなくその先です!」
「ふ~ん…何が目的?」
「その時になれば話します…」
隠し事だらけのパーティー
果たしてどうなる…




