魔王討伐編 第二十一話 訃報
「リーダー!ドーシーは無事でしたか!?どこにいるんですか?リーダー…?」
「ロット…ドーシーは…ドーシーは…魔王に…殺された」
「え…」
ロットが膝から崩れ落ちる
「嘘ですよね?そんな…そんな………でも…魔王は倒したんですよね?」
「うん…私ではなくて…ゆずきさんが…」
「ありがとうございます…」
するとベルが何かに気づき
闘技場の奥に向かう
戻ってきたベルが抱えていたのは
ドーシーの遺体だ
「ドーシー…お姉ちゃんを心配させて…悪い子ね…」
ロットは笑顔だ
しかし泣いている
「私…助けるって言ったのに…約束守れなかった…」
リヨンの嗚咽が響く
ゆずきは立ち尽くしていた
なんだろう…魔王に勝ったのに…
嬉しいはずなのに…僕は笑えない…
今はただ…立ち尽くすしかできなかった
蒼華がベルに聞く
「ベルさん…ベルさんの力で…ドーシーを…生き返らせれないんですか?」
「生き返らせることは…可能です…」
周りが一斉にベルを見る
「だけど…生き返らせるには”絆”を失います…」
ロットが力ない声で聞く
「どういうことですか?」
「ドーシーは…復活させたタイミングで…この世界の知り合い全員を忘れ全員に忘れられます」
「え…そんな…」
「すいません…私の能力は絆を犠牲にしてエネルギーに変換する能力…生き返らせても記憶は無くなります…」
するとシンがロットに近づく
「ロット…あくまで可能性の話だ…この国の王都に住んでる七人の悪魔の話を知ってるか?」
アルカは無表情のままだが
ベルは一瞬ビクッとした
ロットはドーシーが
生き返る可能性を聞いてシンに近づく
「本当…?」
「その悪魔達なら…生き返らせれるかもしれない…その悪魔達の名前は…極罪凶悪魔だ」




