魔王討伐編 第十六話 幼い少女
蒼華に勝利したゆずきは
案の定調子に乗った
「僕は勇者より強い〜!」
「ッ…次は負けないですからね!」
ベルが後ろからゆずきに話しかける
「あまり調子に乗らないでください…今回はあくまで剣術の勝負でした…実戦ではどうなるか分かりませんよ」
そのタイミングで
大きなアナウンスのアラームが鳴る
地震が来た時のあの音のようなものだ
「緊急!緊急!魔王軍に街の少女が一人攫われました!繰り返します!魔王軍に街の少女が一人攫われました!至急冒険者はギルドに集まってください!」
そのアナウンスを聞き
蒼華はすぐさま
パーティーメンバーを集める為
ゆずき達の小屋から出ていく
そのタイミングで大和も到着
アルカはベルに
ゆずきと蒼華の試合の審判を任せ
そのまま買い物に行っているので
アルカを除いた
ゆずき、ベル、大和がギルドに向かう
ギルドに走って向かうと
ギルド内は大騒ぎだ
そしてギルドマスターは言う
「少女が攫われました!作戦は来週決行の予定でしたが早めます!今日…」
ギルドマスターが言いかけると
冒険者達がブーイングを始める
「は?作戦って言ってもおおよその動きの確認だけだっだろ!?きちんと作戦を立ててから行くべきだ!」
するとギルドマスターは
歯を食いしばりながら必死で言う
「今日!今すぐ行かなければ!少女は助からないかもしれない!」
しかし冒険者達のブーイングはやまない
「少女一人の犠牲を気にするより!これからの戦略を立てて確実に勝つ方が大事だ!」
するとそこに一人の女性が入ってくる
「娘を…ドーシーを助けてぇ!」
すると今ギルドに着いて
おおよその話を理解した蒼華パーティー
蒼華が皆の前に立つ
「うるさい!勝率なんてどうでもいい!いいですか皆さん…私が居ます…勇者が居ます…人々を恐怖から救う勇者が!ここに!」
冒険者達のブーイングが止む
するとリヨンが少女の母親に近づく
「約束します!私達が!娘さんを救います!」
そこにアルカが到着
冒険者達は列をなし
魔王の根城…古の闘技場を目指す
ゆずき、ベル、アルカ、大和、蒼華、シン、ロット、リヨンの別働隊は遅れて行く事に
するとゆずきは
ドーシーの母親に話しかける
「ねぇ…ドーシーちゃんはどんな見た目ですか?」
「茶色い髪で…赤いリボンを付けています…そう…勇者蒼華様のパーティーに入ってる私の娘…ロットの妹です」
その言葉に
蒼華のパーティーメンバーは固まる
「え…ロットの…妹…?」
リヨンは一瞬思考が停止した
確かに…私達はロットの家族とは会ったことないけど…話は聞いたことある…確か妹が居るって…
ゆずきが辺りを見渡す
「どうりでさっきからロットがいない…」
リヨンがロットとドーシーの母親に近づく
「でも…約束しました!私が…ドーシーちゃんを助けます!」




