魔王討伐編 第十一話 しょうもない対決
「アルカさん…ゆずきさんが戻ってくる前にどちらがゆずきさんと同じ部屋になるか決めるために勝負しませんか?」
「いいですよ」
「アルカさんは剣士ですよね?持ってるのは見た所ロングソード…」
「はい…私が使ってるのはクロノスロック…この世界に存在する刀の中で最も魔力量の許容量が多いです」
ベルがそのタイミングで言う
「蒼華とやら…アルカに勝負を挑むのはおすすめしません…」
すると蒼華は少しムッとした様に言う
「でもベルさんとアルカさんは戦績ないじゃないですか!一応私は勇者なんです!」
そこでシンが蒼華の耳元で言う
「蒼華…アルカの魔力量はバケモンみたいにある…勝負はやめたほうがいい…それともう一つ…ベルの魔力量はそれを更に凌いでる…」
蒼華はそこで気づく
確かに…
ベルさんは絆の神とか言ってたような…
神ならそれぐらいの魔力量があっても
不思議じゃないわ…
そこでロットが提案する
「じゃあ…腕立て対決なんてどう?」
「!?」
アルカは無表情のままだが
蒼華の口角が少し上がる
私は勇者として体を鍛えるために
運動は欠かしてない…勝てる
「そうですね…私が審判をしましょう…」
審判はベルで勝負をすることに
「では…よ〜い…スタートです!」
蒼華は順調に回数を増やす
もしかして…勝てる…
蒼華はチラッと横を見る
するとアルカがとんでもないスピードで
腕立てをしている
しかも片手だ
結果、一分間で
蒼華が61回
アルカが325回だった
「勝負あり!勝者はアルカ!」
「これで私がゆずきさんと…」
「な…なぁ…」
大和が手を挙げる
「でも肝心のゆずきがどっか行っちまったんじゃ意味なくないか?」
「あ」
その場の全員の声が重なる
しかしなんとゆずきが戻ってきた
「僕決めたよ!アルカと蒼華の2人のどっちかが選べないなら…間とって僕がベルと同じ部屋になればいい!」
その場の全員がベルを見つめる
そして蒼華が驚愕した顔で
「ベ…ベルさん…まさか…2人ってそういう関係…」
「ち…違います!」
狐のお面で顔は見えないが
絶対顔は赤い
そしてベルは慌てて言う
「ゆずき!そもそもなんで私と同じ部屋にしようと思ったんですか!?」
「だって~どっちか選んだら片方が可哀想だから2人以外の誰かと寝ようと思ったけど…大和はシンと寝るみたいな事話してたし…ベルは子供だし…同じパーティーだし…」
ゆずきが言いかけた瞬間
「誰が子供ですか!私はこう見えて1000年以上生きてるんです!そもそもゆずきが何処かに行った後でもうアルカがゆずきと同じ部屋って決まったんです!」
言い終わるとベルは息切れしている
「な…なんかごめん…」
さすがのゆずきも謝った
そしてゆずきは1つ疑問に思った
「ところで…どうやって決めたの?」
「はい…私と蒼華さんが腕立て対決をして私が勝ちました」
「しょうもない対決だなぁ…」
「うぅ…必死でやった挙句負けた私がバカみたいです…」
蒼華が少し落ち込んでいる
結果、部屋は
ゆずきとアルカのペア
大和とシンのペア
ベルと蒼華のペア
ロットとリヨンのペア
で決まった
今回は平和でしたね
これからもどんどん話を増やすので
よろしくお願いします!




