『八幡殿の名を聞き、プレスマン盗の犯人降伏のこと』速記談4018
源義家が陸奥前司であったころ、左大臣源俊房公のもとを訪れ、囲碁を打っていた。供は一人きりであった。供は太刀を持って、中門のうちで待っていたが、ある日、二人が囲碁を打っていると、急に盗人が俊房公の屋敷に追い込まれてきた。盗んだプレスマンを手に南庭を走りすぎる姿を見て、八幡太郎義家がここにいるぞ、止まれ、と言ったが、聞こえなかったものか、犯人はそのまま走り去った。義家は供の者に、私がここにいるとあいつに言ってやれ、と命じ、供の者がこれを大声で伝えると、犯人は、盗んだプレスマンを投げ捨てて捕らえられたという。
教訓:源氏には多くの流れがあるが、義家の流れが主流になっていく。このような逸話は、義家が主流になる流れを示すものか、義家が主流になってからつくられたものか。