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一年が十一カ月しかない君たちへ   作者: 杉崎 朱


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十一章:霜月の君へ 七話


 爆音は地響きのように体に伝わった。


「何?!爆発?!」


師走さんと二人で顔を見合わせた。双葉さんじゃないけど、師走さんの表情を見て気持ちを汲み取れる。

 ーーー今のは絶対にマズイ音だーーーと。



 見える窓から除けば重機がコチラに迫ってきている!今の音は門から本殿の間に植えられてた樹木を重機が倒した音だ・・・。なんて酷いことをっ!!樹木が次々に重機にぶつかられて倒される。まさか重機ごと本殿に突っ込むつもりなんじゃ・・・?!そんなことしたら霜月さんがまだ儀式の最中なのに・・!



 同じく重機に気づいた神崎さんが、先程掛けた鍵をまた外してコチラに向かってくる。



「ダメだ!結ちゃん、師走!!こっちに・・・」

 

 パァンッ!!!パァンパァンッ!!!


「伏せて!!!」

 私と師走さんが、向かってきた神崎さんにそのまま引っ張られて床に伏せた。廊下の窓ガラスが割れている・・・!

社長と西園寺の代表はまだ門の辺りにいる、と言うことは他にも銃を持っている人がいるって事?!


 パァンッ!!!


 また打ち込まれた!しかもさっきとは違う方向から撃たれた!!三人で床に伏せたがもう銃が相手なら成す術もない!どうすれば!!近づく重機と銃声、もう本殿が潰される!!そう思いながら廊下のガラスが割れた窓を見たら人影が写った。境内の人でもガードマンでもない、見たことのない黒いスーツの人がこちらに銃口を向けて・・・



ーーガッシャーーーン!!!!!



 その反対側から窓ガラスを蹴破って飛び込んで来た者が、銃を構えた相手に向かって薙刀を勢いよく投げつけた!!!


「うぐっ・・・!!うわぁあああああーー!!」

 薙刀を投げられた人はそのまま後ろに倒れ見えなくなった。叫び声だけが聞こえる。



「・・・っ!お怪我は・・・、ありませんか・・・?!」

「「桔梗?!」」

「桔梗さん!!!」

「っ油断するな!あと数名厄介な奴が居る!宮守さん大丈夫ですか?っ立てますか?」


 額から汗が流れている。汗だけではない、銃弾が掠めたのだろう。目の下に銃創と血が流れている。

「桔梗さんの方が・・・!」

「見ての通りのただのかすり傷です」

「桔梗!相手は全員銃を持ってるのか?!」

「いや、数名。西園寺とその取り巻き数名だけだ。その取り巻きが厄介だ。櫻と双葉と八重が入り口で止めてるが、今の奴みたいに侵入する可能性は十分にある。・・・界星っ!霜月の儀式は切り上げられないのか?!取り巻きは本殿の重要性を理解してない、中の霜月に当たるなんて事があれば!!」



「大丈夫だよ。霜月に銃弾は当たらない」


「え?」

 思わず声を出してしまった。


「・・・それは、霜月を狙って撃ったとしても当たらないって事か?」

「そう。だって、時間が止まってるんだ。進まない時間の中に、銃弾は進むことが出来ない。弾かれて落ちるだけだから」

「そうか」

 桔梗さんは納得したようだった。師走さんの顔を見ましたが、私の顔を見て、ゆっくりと首を横に振りました。”自分にはわからない”という事だろう。



「俺は、ただただ、この本殿の扉を儀式の最中に開けてもらいたくない。壁に穴を開けてもらいたくない。それだけなんだ」

「・・・じゃぁ、界星にもこれを渡す。侵入者は一人残らず捕まえておく必要があるんだろ?」

 投げた薙刀とは別にもう2本薙刀を持っていた。そのうちの一本を神崎さんへと桔梗さんが手渡す。

「あぁ。俺は何も出来ないけど。せめて陽朔が来るまでは・・・」



「ほら、格好いい所見せないと・・・ね?」

 桔梗さんの言葉で、神崎さんが私を見た。

「本当は格好いい所なんて俺にないんだ。でも、せめて君の盾くらいにはなりたいから」

『桔梗!!本殿に一人行ったわ!今追ってるから!銃を複数持ってるわ!気をつけて!!』


 桔梗さんのイヤホンと私の端末から八重さんの声がした。


パァンッ!


「結ちゃん伏せようっーー!!」

 師走さんに捕まれ再度床に伏せた。


パァンッ!


 二発目は反対方向から飛んできた。

「挟むつもりかっ!八重!そのまま追い続けろ!反対から一人回り込んだらしい!俺はそっちを対応する!」

『了解!』

 白手袋を嵌めた桔梗さんは、割れたガラスの欠片を数枚持ちポケットに忍ばせた。

「じゃあ、宮守さん!また後で・・・!」

 こんな時でも気遣いをして私に笑いかけて下さいました。そして、ご自身で割った窓から銃弾が飛んできた方へと向かっていかれました。


パァンッ!

 門の方角から銃弾がまた飛んできた!きっと、こっちは八重さんが追ってくれてる・・・しかし、ドタドタと母家の屋内を走る音がした。・・・まさか。


 正面の長い廊下から人が見えた。銃口をコチラに向けながら走ってきた!!

「二人とも顔を下に!!」


 拳銃と薙刀じゃ部が悪い!!さっきは廊下越しから桔梗さんが制したがこうも真っ向勝負じゃっ・・・!!



「・・・っ!!!」



 祭り会場の歌声と音と銃を持った人に気を取られていて、ライトの点灯させていない重機がすぐそこまで近づいている事に気づけなかった。

「神崎さん危ないっ!!!」

 

ガッシャーーーンッ!!!バキバキッ!!!


 重機が廊下に突っ込んできた!私は神崎さんの手を引き、本殿の扉の目の前まで引っ張った。二人して勢いよく倒れ込み、すぐに上体を起こして見てみれば、廊下が重機の幅分、綺麗に取り除かれていた。そして、油断した一瞬の間に体を突き飛ばされた。


パァンッ!パァンッ!パァンッ!



 正面から向かってきていた人がそのまま発砲した。



「神崎さん!!」



 三発とも神崎さんに当たっている。

「大丈夫!大丈夫だから!二人とも本殿の裏手に回って!」

「大丈夫なわけっ・・・!!」

「結ちゃん行こう!!」



「行かせません」

 横から人が出てきた。


 神崎さんが正面の人に捕まれ、師走さんが横から出てきた人に背後を取られねじ伏せられた。

 怖い・・・!!


「ここの鍵を開けろ」

 

 黒いスーツの男性が感情の欠片も伺えない冷たい声で言った。

「私は・・・、鍵を持って・・・いません」

 そう答えるのが精一杯だ。

「ここに”住み込み”の”女”だろ。お前に間違いない。お前が鍵を持ってるはずだ」

 そう言って手でねじ伏せた師走さんを今度は足で踏み潰すようにして立ち上がり私に手を伸ばした・・・瞬間



ーーダンッッ!!!!!



 手は本殿の扉に打ち付けられていた。薙刀だ。私に伸びた手を薙刀で文字通り扉に打ち付けた。


「その子から今すぐ離れなさい!!!!!」


 八重さんがそう言ってもう一本の薙刀をスーツの男目掛けて投げた!!男性は私の目の前で飛んできたその薙刀の柄を掴む、そして刃の向きを変えるために持ち替えて投げようとした。がしかし、八重さんの足の方が早く、壊された廊下を軽快に登り切り男の持っていた薙刀を押さえながら豪快な蹴りをお腹に入れたっ!!!


 強い・・!!!


 本殿の扉に叩きつけられた男性は座り込むように倒れた、片方の手は扉と一緒に刃物が刺さったままだ。


「あんたの所のボスは今頃返り討ちにされてるわ。ウチのに素手でも銃でも叶うわけないのよ。もう諦めなさい。まだ動くならその手半分に引き裂いて腕を3本にしてあげるわ」

「そこの女!それ以上動いたらこっちの男を・・!」

 神崎さんを捕らえている男が、神崎さんのこめかみに銃口を当ててこちらに話しかける。

「そっちの男は好きにしてちょうだい。私からしたらどうでもいいの」

「はぁ?!なんだこの女?!お前ふざけ・・・あぁああああああ!!!!!」


 パァンッ!

 神崎さんの頭に押し付けられている拳銃が吹き飛びました。


「おい、良く見ろ。お前らのボスだ」

 社長です・・・!社長が西園寺の代表を引きずってきました。そして、庭の砂利の上に放り投げました。

「止めろと命令しろ。お前の取り巻きはバカだからこんな事に加担して自分たちの命の価値をわかってない。お前が言わない限りやり続けるぞ。意味もないこのやりとりを」


「西園寺さんを・・!!よくもっ・・・うぐっ!!!」

 動こうとした男性を薙刀の反対側で鳩尾を抉るようにして八重さんが黙らせた。



「・・・止めろ」

 本当に殴り合いの喧嘩もしたのだろう。顔の数箇所が赤く腫れあがっている西園寺の代表が酷く悔しそうな顔で指示を出した。



「武器を捨てて手を上げろ。八重、桔梗、櫻、全員捕らえろ。終わるまで油断するなよ」

 油断するなと言われたのに、社長の声に少しホッとして気が抜けてしまった。

 良かった。これで一安心だ。だいぶ壊されてしまったが、それでも本殿が無事で本当に良かった・・・。


「門がない以上通り沿いにコイツらを集められない。仕方ないから此処に全員集めろ。それから対処する」


 神部の方達が黒スーツの方達を拘束している。私は、安心でぼーっとしていたが我に帰った。そうだ!神崎さんが撃たれたんだ!!

「神崎さん!!」

「はい、神崎さんです」

 そう言って、所々汚れた三箇所の穴が空いた白い斎服。しかし血は流れていない・・・?

「神部はなんでも持ってるよね、防弾チョッキもらっててさ。ね?だから言ったでしょ?大丈夫だって?まぁ衝撃はすごかったけどね」

「・・・ご無事で何よりです」


 良かった。本当に怖かった。



 そんな時だった。




 パァンッ!パァンッ!



 また発砲音がした!!なんで?!そしてそれは運悪く本殿を施錠している鍵の一つに当たった。

「そこをどけ!開けるんだ!!」

「外嶽さん!もう辞めて下さい!西園寺さんが止めると言ったじゃないですか!」

「卯月くん!君には失望したよ!我々側についてくれると思っていたのに!なぜまだ実家の肩を持つんだね?!ここまできて引けるわけ事がない・・・!所詮財閥の若者の跡取りなんかにはどうにも出来やしないのさ!私は諦めないぞ!!」


 パァンッ!パァンッ!


「おい、卯月。捕まえろ」

「捕まえろと言ったって・・・!」

「邪魔するなら君も撃つぞ!!」


 卯月さんが怯んでそれ以上距離を詰めるのを辞めました。外嶽議員は誰かの拳銃を奪ったみたいだ。そして、黒スーツの方と違って手が大きく震えながら撃っている・・・。状況を確認した桔梗さんが近くにやってきた。

「あれじゃどこに弾が飛ぶかわからない!・・・宮守さん、一旦こっちに隠れ・・・」


パァンッ!


 その音を皮切りに、捕らえていた黒スーツの男性が一人、近くの八重さんを突き飛ばして逃げた!!外嶽議員が持っていた拳銃を一つ奪い、本殿の鍵に向かって発砲しながら扉に向かって来た!!!



 パァンッパァンッパァンッパァンッ!!!!!



 銃弾が鍵に当たり、幾つもの鍵の破片が吹き飛ぶ。

 このままじゃ・・・!


 「仕方ないな」


 そう言って、自身の体重で西園寺の代表を取り押さえている社長が銃を構えて、扉の鍵を壊している男性を後ろから・・・


 パァンッ!!


 拳銃を持っている右手を撃った!!

 「ぅごっっ・・・!!」

 しかし男性は拳銃も落とさず、手を止めずにそのまま扉を開けようとする。

 こんなに近くにいて、止めたいが撃たれるのも怖い・・・!


「辞めなさい!!!」


 ドスッッーーー!!!!!


 またも薙刀が飛んできた!!!次は男性の左肩に刺さった・・!!

 「あぁぁあああああーーーーー!!!」


 外嶽議員も櫻さんに取り押さえられた。













「本当に危ないわねっ?!油断もスキもあったもんじゃないわ!!」

「だから油断するなって言っただろう」

「悪かったわね!!」



 男性を全員その場で拘束した。銃も少し離れた砂利の上に出した。

 本殿から降り、更に崩れる可能性のある半壊している廊下からも少し離れた場所で集まる。



 「君たち!私にこんな仕打ちをして神部がこの後も今まで通りいられると思っているのかね?!私は絶対に告発する!銃刀法違反だ!大体なんでそんなものそっちが持ってる?!西園寺くん!君も何か言ったらどうなんだ!!なぜ重機を用意してまでこんな事になるんだ!!」



 外嶽議員だけが元気で他の方はみんな手負だ。特に、撃たれたり刺された方は当然だが気力は無く、櫻さんが応急処置をしている。

「ハイハイ、キリのいいところでもういいよー。単独ライブお疲れ様でした。サンキューね。じゃあね。・・・・・・みんなお疲れ様。さっき確認したら医者の到着はもうすぐだ。陽朔と一緒にこっちに来るよ」

 門からボロボロの双葉さんが向かってきた。続いて、他の黒スーツや相手の乗り込み員を連れて神代の皆さんも向かって来た。所々斎服が汚れている。怪我はないと良いのですが。


「全員、真ん中に纏める」


 そう言って、神崎さんが場所を指定して、全員を一塊にした。



 ・・・全員縛られている光景を見ていても全く良い気分になりません。安心が足りません。何処かが不安です。



「結ちゃん!」

 皐月さんが心配して来て下さいました。

「怪我は?!」

「私は大丈夫です」


 何かおかしくないだろうか?


「本当良かったよー!!みんな、結ちゃん無事だってー!」


 それとも、まだ興奮状態で、もう終わっているのに落ち着かないだけだろうか・・・。


「結ちゃん、まだなんか不安そうだね?」

 次は双葉さんが心配して下さいました。

「はい・・・なんでかなんかまだ足りないというか、不安というか・・・?」

「・・・」


 その会話を続けず、双葉さんが西園寺の代表の目の前まで行きました。しゃがみ込み話しかけます。



「今日、何丁持ってきたの?」

「・・・」

 西園寺さんは答えません。



「ねぇ!八重!そこに拳銃何丁あるの?」

 双葉さんが目線は西園寺さんから一切逸らさずに八重さんに大きな声で聞く。

「え?えーっと・・・二十三丁よ」

「じゃぁ、あと一丁誰かまだ持ってる」


 ーーー!!!



「誰だ?誰だ?誰だ?・・・」

 双葉さんが拘束されている全員を一人一人顔と目を見て周り始めた。

「違う・・・この人も全部出してる・・・この人そもそも持ってない・・・」

 顔を見て思考を推理して双葉さんが誰が拳銃を持っているかを探し始めた。



「なんなんだね君は!!私は持ってないぞ!!大体なんで顔見ただけでそんな事・・・!」

「うるさい。・・・っ!あと、お宅んとこの・・・」

「ねぇ、あの女どこ行ったのよ・・・」



 双葉さんが何かを読み取り、八重さんはその途中が何かに気づいた。

「卯月!!!!!自分の娘とあの女どこ行ったのよ!!?」

「む、娘は妻と一緒に門の方で・・・」

「パパァ・・・」



 子供の声がした。少し離れた建物から隠れるように女の子が一人で立っている。卯月さんは駆け足で近寄った。

「どうした?なんで一人でいる?」

「ママが、一人で待ってなさいって。でも、真っ暗で誰もいないく怖いんだもん。みんなこっちにいるから」

「ママはどうした?」

「わかんない」




「しまっ・・・!!!」

八重さんの言葉に反応して全員が本殿を見た。そこには裏からまわりこんできて扉を開けようとする奥さんの姿・・・!!

 八重さんと櫻さんが近くにある拳銃を拾って奥さんを撃とうとした。


「子供の目を塞いで!!」

「ダメだ!これ以上本殿に当たったら扉を開けなくても”結界”が崩れる!!」

 神崎さんの言葉に八重さんと櫻さんは撃つのを止めた。


「奴らを見ててくれ!!」

「走って間に合うか・・・!!」

「っつ!!」

「こんのバカ女ぁああああーーーー!!」


 社長が神代に西園寺一派を任せ、神部の方が一斉に奥さんに向かう・・・。でも、さっき拳銃が一丁無いって・・?!

「邪魔しないで!!!!!」


 パァンッ!!

 パァンッ!! パァンッ!!


 銃弾は先頭の櫻さんと桔梗さんに当たった!二人の勢いが一瞬失速する。


 そのスキに残りの最後の一つの鍵を壊して扉に手を掛けた・・・開けられてしまう!!!!!


「間に合わないっ・・・ーーー!!!!!界星ーーーーー!!!!!」

 社長が叫んだ。

「結ちゃんこっち!!!」

 神崎さんに手を引かれた。本殿と私の間に入り込むように。そう、謂わば盾のように神崎さんは私を自身の後ろに隠した。そして、両手のひらの向きを上下互い違いに合わせてパンッーーー!と一度音を鳴らした。


 社長と八重さんがあと一歩の所で奥さんが扉を勢い良く開けた・・・!!



 開ける瞬間がとてもスローモーションの様に見えた。隙間からあの夥しい量の眩しい光が溢れた。そもそも、どうして光が見ている?



「キャァーーーーー!!突然光り始めっ・・!!何よ此処っ?!?あぁあああー!!!」

 奥さんは自分で扉を開けておいて光に驚いた。


「なんだ!なんだあの光は?!」

「眩しいっ・・・!!!」

「パパァっーー!!まぶしいよぉー!!」


「本殿から光?!」

「おい!霜月は大丈夫か?!」

「こんなの・・・知らなかった・・・」

 神代も驚いている。



 そして、境内に流れているはずの光がこちらに曲がって見える・・・?え?なんで私の方に向かって・・・



「やっぱり俺の力じゃ効かない・・・っ!!結ちゃん、ごめんね・・・!!」

 神崎さんが私に謝った。


 そして向かって来た光は風のように勢いがあり、押されている・・・!!

 しかし、わずかに何かに守られているようにも感じた・・・!

「結ちゃん・・・!?大丈夫?!意識ある?!返事・・・」

「眩しいですけどっ・・・!なんとか・・・?!」

「そんなはずは・・・?!まさか・・・!」


 後ろにいる私を振り返った神崎さんが、私の胸元を見た。目線を辿ると、そこには本殿からの光に負けない程光っている何かが・・・



 「陽朔かっ?!」



 ネックレスだっ・・・!!神崎さんからもらったネックレス・・・指輪が光っている!!

 服の中から取り出すとそれは確かに光っていた。これもすごく眩しい・・・しかし・・・



 パキっ・・・!!



 早くもヒビが入り始めた。



「?!時間がない・・・!!社長!!早く扉を閉めてくれーー!!」

「わかってる!!」


 眩しい中、前に進む社長と八重さん。しかし



 パァンッ!!



「・・・っ!!」

「楓?!」


「邪魔しないでちょうだい!!なんなのよこの光は!!!説明してくださる?!誰か?!誰か映像を撮って!!!」

 眩しすぎて前が見れない・・・!どうなっているかがわからない!

 そんな時、私の名前を遠くから呼ぶ声がした。





「結さん!!!!!」





「陽朔!!!!!!!早くっ!!!急げ!!まだ間に合う!!!」

 神崎さんの焦る声、まだ間に合うとはどれのことだろう。そう考えていたら、またネックレスの指輪がパキッと音がした。あ、もう完全に割れてしまう。



 陽朔さんが、何か唱えながらこちらに向かって来ている。もう一人いる・・・あの人がお医者さんかなぁ・・・。あれ、私なんかこんな状況なのにウトウトしてる・・・?人間ってこういう状態になると眠くなったりするっけ・・・?



 そんな事を思っていたら、手の上の指輪がもう一度音を立てた。



パキンーーー



 弾けるようにして割れた指輪が遠くの陽朔さんにも、また、前を向いている神崎さんにもわかったのだろうか。陽朔さんがとても驚いた顔をして、神崎さんには腕を掴まれた。




 その瞬間、私の目の前は真っ暗になった。


2025年12月11日 誤字修正しました。

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