アイアム、ジンジャーブレッドマン
よう。生きてるかい？ 『今』ってやつをよぉ。
ん？ ああ、突然なんだ？ 俺が誰かって？ ははは、おっと、まあ歩きながら話そうか。ふっ、行き先は決めてねぇけどな。そう、風に吹かれるままさ……。
ああ、で、自己紹介がまだだったな。俺はジンジャーブレッドマン。
正確に言うと『サクサクみんなのお友達シンジャブレッドマンクッキーシナモン風味』まあ、これは俺の商品名だ。好きに呼ぶと良いさ。
はははっ『みんなのお友達』だとよ。みんなって誰だよ。まあ、俺は構わないけど、勝手に俺の友達にされちゃあ、相手も敵わないよな。
あんたはどうだい？ 俺の友達かい？
少し話がずれるけど「俺たち親友だもんな」って、仲が良いと思ってないやつから言われた時の反応って困るよな。ま、俺は言われたことないけどな。
で、それはいいとして俺が何者かって？ いや、正確には「どうして人の形を模して作られたクッキーが歩いているのか」かい？
ハッハァ！ それは神様ってやつに聞きなよ。自分自身のことなのに自分でもわかんないことなんて、たくさんあるだろう？ 心臓は勝手に動き、病気にはいつの間にかかかっている。そういうもんさ。
ああ、でもどうしてクッキーがこんなに物を考えられるか、わかるぜ。まあ、それも神様のお陰と言えばそこまでなんだがよ、俺が思うに神様ってやつは巨大な脳みそなんじゃないかな。
つまりはよ、俺の頭に詰まっているのはシナモンとジンジャー、それとバターに薄力粉にまあ、そんな感じだけどよ、こうして考えている脳は他の次元にあって、ま、言わば受信機みたいなもんだな。ピピピピピってな。
どうして神様が俺にそうしたかは知らねえけどな。ま、そういうこともあるんだろう。この世界はわからないことだらけさ。巨大な脳みそで考えてもな。
しかし、そう考えると人間は不幸だな。だってそうだろ？ 小さな脳みそで、おっと馬鹿にしたわけじゃないんだ、気を悪くしないでくれよ。あんたたちの脳みそは滅茶苦茶小さいだろうが、でもそうやって生まれたんだ。恥じることはないさ。
で、そう、人間は小さな脳みそで一人で、あれこれ物を考えなければならない。勉強や仕事のことだけじゃないぜ？ 相手の気持ちも考えないといけないんだ。はっ、相手の心の内なんてわかるわけないのにな。脳みそが繋がっているわけじゃないんだ。答えのない問いを求め続ける、それ地獄だぜ？
でもよ、正解に近づくことができる方法がある。それはな……対話だよ。対話。わかるか？ 対話。話しを聞くことによって相手の気持ちを理解することに一歩近づき、自分が話すことで相手に知ってもらおうとする。へへへ、これってよ、美しくないかい？ 俺の体の焼き色みたいによ。
知識も交換できる。ああ、今じゃインターネットってやつもあるもんな。俺はまだやったことないけど、あれも巨大な脳みそみたいなもんだ。
ん？ じゃあ神様はインターネットか？ ほら、共通点あるだろ？ 姿はなく大勢の人間から信奉、いや利用されているってな。
はははは、こじつけかな？ いてぇ、いてぇよ。怒ったかい？ あんたら宗教家？ なんてな。痛くはねえんだ。神経がないし、なにせ俺は……クッキーだからな！
どうだい今の台詞。キマッたかい？
さて、俺が今こうして動き、あれこれ考えられるようになったことに意味が、そう、天命みたいなものがあると思うかい？
あんたたちはどうだ？ 人間は？ 何のために生まれ、何のために生きるのか。お上に納税するためか？ 子孫を残すためか？
答えはなぁ……わからない。はっはぁ！ そう、わからないもんさ。
だがな、どう、いやぁ、しかしまあいつの間にか随分集まってくれたなぁ。話を聞きたいって、俺としちゃあ嬉しいけどよ。おおう、まだまだ来るじゃないか。よおし、それじゃあ、俺のとっておきの話を聞いてもらおうかな。
ずばり、俺たちはどう生きるか、だ。幸福になるためには何をすべきか、どんな考え方をすべきか。
それはな
蟻 蟻 蟻 蟻 蟻 蟻 蟻
蟻えないことだ。 蟻ん？ 蟻ちゃんと蟻こえたか？ 蟻
蟻 蟻 蟻 蟻 蟻 蟻 蟻
蟻蟻蟻 蟻蟻蟻 蟻蟻 蟻蟻 蟻蟻蟻 蟻蟻 蟻
蟻慮もう蟻蟻蟻おうか？ ちゃんと蟻いてくれよ。蟻 蟻蟻 蟻 蟻
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蟻 蟻 蟻蟻 蟻 蟻蟻蟻蟻蟻蟻 蟻蟻蟻蟻蟻蟻
蟻と、おいおい。蟻てるなってちゃんと蟻えるからさ。蟻蟻蟻 蟻蟻
蟻 蟻 蟻 蟻蟻蟻蟻蟻 蟻 蟻 蟻 蟻 蟻 蟻 蟻
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蟻蟻おい蟻蟻ちょっと蟻がってくれ蟻蟻蟻蟻蟻蟻
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