9話 ピコとユーリ
ピコとユーリ
「で、なんで、この人助けたのかな?」
福留を見つつ、猛に聞いてみる。
「それがだな、幽霊を見たんだ。その幽霊が、福留に会わせろって言っていてな、だから助けた」
「単純な理由だね」
私、アミは思わず、そんな言葉を吐いてしまう。いやな言い方だね。けど、単純な物は単純だもん。
「そうだな。だが、とても悲しそうな顔をしていたんだ。さあこっちに来てくれ」
その声と共に、女の幽霊が現れる。私たちと同じぐらいの年齢かな。まあ見た目年齢もいじれるから意味ないかもだけど、でも、弄って若く見せる人はいないからなー。その幽霊は福留を見つけると、喜んで飛んできて、
「どこにその幽霊はいるんだ?」
という幽霊の見えない、福留の言葉に肩を落とした。
「今、君に憑いているんだが、なんとかできないかな?」
「……出来るぞ」
そう言いつつ神奈は後ろから現れた。なんかいい道具でもあるのかな?
「……昔作った物だが、珠樹と代美が幽霊を見えたから、仲間に入りたくて作った、ヘッドホンと眼鏡がある」
「ははは、そんなもの作ったんだ」
神奈の発明品を見つつ、珠樹が笑っている。
「……若気の至りだ。気にするな。では、福留に装着だ」
「分かった。ってまだ神奈も若いでしょ」
言われた通りに福留は装着していく。そして、
「そんな、なんで君が幽霊に! ピコ!!」
ピコと呼ばれた幽霊は、笑いながら、
「ごめんね、死んじゃった」
福留は大粒の涙をこぼして、
「なんで、なんで君が謝るのさ!」
「もっと、迷惑かけちゃうからかな。今の私は、賢者の吸石に精神データを吸われちゃって、成仏すらできないんだ。だから、賢者の吸石を倒してほしいんだ」
「え、まだ賢者の吸石は生きているの? あ、いやそっか、封印しただけだもんね」
思わず私は口を挟んでしまう。
「まあ、しょうがないよね。アレの倒し方なんて、なかなかないもん。けどここの世界に一つあった。滅鬼だよ」
ピコが言う。そんな物どこにあるんだろう?
「ああ、あっただ。そしてそれはおらが貰って今は」
「……私の研究所にある」
いつの間にか、瑠亜の手に渡っていて、その後、神奈の所にあるらしい。
「そんな話を聞きたいんじゃない!」
まあ、福留の言葉は尤もかな? だって、今はピコが死んだことの方が重要だもんね。
「じゃあ、私はユーリに憑りついていいかな? ほら私、行くところないからさ」
「君なら大歓迎だよ」
まだ涙を流しつつ、福留ユーリは返答した。
軍団長と部隊分け
「で、今、悪魔の軍勢はどうなっているのかな?」
現在私は、皆を集めて、会議しようとしたところ、多すぎ! ってなったので、従ってくれそうな、乃理、千代、瑠亜、猛、静、凪、撫子、徐を集めて、相談中。まとめる方法を考えるためにも、猛に聞いてみた。
「それが、皐文のおかげで、こっちの世界に来ていないのは残り10人までになったんだ。ちなみに、此方に来ている悪魔憑きは、全員傘下に下っているぞ」
「うん、で、656人全員を私が見るわけにはいかないから、部隊編成をしたいんだけど、どう分ければいいかな?」
「それなら、まず攻撃部隊、3~4部隊作ると良いかもな」
猛の意見を取り入れようかな。
「ほう、部隊の人数は?」
「1部隊100人で、その中で10人ずつに分かれて小隊を作るでどうだ?」
「うん、それは良さそう。で、次にリーダーをどうする?」
「まずは、俺、先駆けなら任せてほしい。次に、黒田、竹中の両名にも隊を任せたい。まあ俺の部隊で腕を振るってもらってもいいんだが」
黒田、竹中両名は喜んで頷いている。どうやら軍は持ちたいみたいだね。でもとなりにいる凪はふくれっ面になっている。
「なら、おらも、攻撃部隊を率いるだ」
と元気よく瑠亜も声を上げる。
「と、なると次は防衛だな。こちらは2部隊がいいだろうか。こちらには凪を推挙したい」
「ならわたくしも、此方が良いと思います。ほかの方がいたら、その方でもいいですし」
今度は乃理が消極的に声を上げた。でもありだね。防衛向きだし。
「うーんそうなると、アミ様が直接指揮を執る部隊が無くなるな、じゃあ……」
「あ、成程。それなら、わたくしは、アミ様の部隊で腕を振るいましょう」
そう言って、乃理は引き下がった。つまり防衛隊と言う名の、本隊が一つ、それを防衛する部隊が一つと言う感じかな?
「そうしてくれると助かる。これで、防衛部隊はアミ様、凪の2部隊が出来た」
乃理には申し訳ないけど、この方がいいのかな? 私指揮取れないから、乃理に任せよ。でも、ん?
「後の56人は?」
私の言葉に、猛は待ってましたとばかりに、
「2つに分けて、徐による医療班を。千代による忍び部隊を作りたい」
「暇なときに、医療班を研究班として動かしていいならな」
研究大好き徐はそう答える。私も研究見たいから今度行こっと。
「拙者もそれで良いでござる」
でも、そんな人材いるのかな? 千代並みに偵察とか、潜入とかできる人。
「なので、人材は医療、忍びが先に引き抜いてくれ。次に防衛、残りは攻撃が受け持とう」
「でもそれじゃあ、医療班の人員少なすぎない?」
「そうだな……。なら、アミ様の馬廻を少し減らしてもらって、50人に、その残った50人と忍び部隊の6人以外の50人で医療部隊としよう。それでいいか?」
うん、と言いかけたところで、
「そんなに、研究班に人員割いてくれるのか? ありがたい! じゃあ、その内容で自分の入りたい所にアピールするように、掲示板を張っておくよ」
と徐が言って、速攻で作った看板を持って出て行った。有無を言わせないように。




