6話 詩織の予言と忍び二人
詩織の予言
「援軍がそろそろ来そうな気がするのですが、なかなか来ませんね」
「さっきから、それ言い過ぎですよ。詩織様。それだけ言っていたら、当たりますが、価値がないですよ」
そんな会話を、敵を殲滅しつつ話している。けど皆疲労困憊ですね。もう戦うのは限界かもしれません。どうしたものか、そろそろ本当に玉砕するべきでしょうか? そんな事を考えていると、後ろの塞いでいた穴が開く音が、
「助けに着ましたよ。詩織様たち」
「乃理ですか。外には凰がいたはず、どうやって来たのですか?」
「鳳をアミ様が手懐けて、凰に会わせました。するとそのまま此方についてくれました」
「成程。それでは、鳳凰は完全復活ですね。とにかく皆逃げますよ」
「殿はわたくし乃理が務めます。皆さまは撤退を」
その言葉と共に、黒い影が二つ洞窟の中に入っていく。よく見ると、アレは、皐文と千代ですね。成程、攻めはあの二人が担うようですね。
「では、撤退です。乃理が防壁を張ってくれている間に早くいきましょう」
そう、乃理は、破壊不能な防壁を張って、通路を塞いでおり、追ってくるのは不可能になった、しかしそれは皐文と千代の撤退ができないものとなっている事を嫌でも思い知らされた。つまり私たちはそこまで厳しい作戦を立てねばならないほど、切迫しているのですね。
忍び二人
「手筈通り、敵の出てくる場所へと向かうよ」
「承知」
皐文殿の言葉に頷き、拙者は、敵のコピーたちの頭を踏みながら進んでいる。敵はサラマンダーとコカトリス、ペガサス、蛇が次々に出口に向かっており、それの中の、ペガサス、コカトリスの頭を踏んで消しながら、敵に見つからずに進めている。
「あそこから出てきているみたいだね。突入するよ!」
「分かったでござる」
やっと着いた。その場所には、捕縛されている魔物が大量にいた。中には、前に会った、ヘラクレスや、木の龍などもいる。どうなっている? とりあえず、コピーされては危なそうな、ヘラクレスと木の龍を仕留める。捕縛されているなら簡単だろう。
「おい、お前たち。我らを消してくれ。火を使えば簡単だ」
「バレたでござるか! って、何故自ら消滅を願うでござるか?」
コソコソと龍が言ってきたため、此方も返す。
「声が大きいぞ。まあいい。我らは、奴に使われるために召喚されたものではない、主である、光、奈波に使われてこそなのだ」
「その二人がどなたかは存じあげぬが、あい分かった。では」
『皐文、そちらのヘラクレスを頼むでござる』
『了解。でも、そっちの青龍を倒す手立て有るのかな?』
『音が鳴ってよいのなら、いけるでござる』
『うーんそれじゃまずいかな。じゃあ君は先に元のミッションを遂行しておいて』
『承知』
「ここは、皐文に任せることになり申した。では拙者はここで御免」
青龍に挨拶をして、拙者は福留を捜す。少し探したところで見つかった。モニターの前に陣取って、外の様子を確認中、此方に気づかずに外でのサラマンダーたちの不甲斐なさに怒っている。
「何故攻めきれないんだ! あたしはこんなところで時間を取られている訳にはいかないのよ」
かなり頭に来ているようで、机をバンバン叩いている。よし今なら暗殺が可能だ。
『すまない皆! もしそちらに福留という人物がいるなら、保護してくれ!』
この念話は、木下? だがこやつはここで仕留めてしまわないと、皆が困る。なんなら負ける。だから……、今すぐ首をかっ斬ろうとした瞬間その瞬間に後ろから爆音。マズイ隠れよう。急いで天井に張り付く。
「くそっ、今度はなんだよぅ」
あ、福留のやつ半べそになっている。何か上手いこと行ってないんだな。まあ敵だから邪魔するけど! とりあえず追いかけて、さっきの部屋に戻ると、巨大サラマンダーが天井を突き破っていた。
「「何事!?」」
思わず、福留とハモってしまった。マズイこのままじゃ気づかれる!
「なんであたしの作ったコピーがこんなに大きく! 確かこの子は、完全コピーをした子ではなかったかしら?」
完全コピーか、どういうことだろう、例えば、性格とかコピーできるとか、能力を完全再現できるとか、耐久力も真似できるとか?
「このままじゃ、このままじゃ! ザラタンの甲羅が破壊されちゃう! というか火災になる!」
『千代、ごめんミスった。全体に放火しちゃえばいいやと思って、雷攻撃でサラマンダーの檻を攻撃し、その檻の機械部分を発火させて、その電でサラマンダーも倒したつもりだったんだけど、巨大化しちゃった。てへ』
『てへ、じゃないでござる!』
となるとここは逃げるしかない。なら、ああでも、此処で生死不明になられるより、連れて行って倒したほうがいいかも。そう考えて、
「そこの、福留。生き残りたければ、拙者に捕まるでござる」
「ふぇ!? 何故なの、何故あたしを助ける?」
「いいから早く!」
「わ、分かったわ」
拙者に近づいてくる福留。そこを小脇に抱えて、
「さあ行くよ」




