表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
93/106

4話 木下と部下たち

 木下と部下たち




「いきなり、ダムの水を放流しろとか言われてもな。まあやるけど。で、この道で合っているんだよな?」


『……ああ、大丈夫だ、アミが村に戻る前にやってもらえるとありがたい』


 俺こと、木下猛は、神奈に言われ、3名を引き連れてダムに向かっていた。早く戻って、皆を指揮しないと、と思っているから、少し足が速いようで、


「木下さん、悪いが、もう少し速度を落としてもらえないか」


 という少し疲れたような声が上がる。


「ああ、悪い。だが、急がないと」


『……大丈夫だ、アミなら今トイレにこもっているからな、転移酔いだ』


「だが……」


 皆をまとめれるのは、アミ様と俺しかいないんだ。そう言いかけてやめる。自分が特別だと思ってしまっている。そんな事は無いはずだ。徐に任せたんだ、大丈夫だって言っていた。なら任せていていいんじゃないか。


「分かった、なら1分休憩だ。そしたら、少しスピードを落として出発だ」


「あ、ありがとう助かるよ」


 一分休憩、皆会話もせずに時間は過ぎて、


「よし、一分だ、じゃあ出るぞ」


「ああ、息は整った、木下さん頼む」


「おう、皆行くぞ」


 数分後


「よし着いた」


 皆へとへとだが、ダムに着いた。よし、ダムの操作する場所は……。


「あそこか」


 ちょっとした部屋がある。


「あそこの中の機会を操作すればいいのか?」


『……ああそうだ。後、そろそろ急いでもらいたい。もう、アミは地上に戻ったからな。ただそこに敵がいるだろう。電気がそこに通っていないんだ』


「誰かが、電気を止めているのか?」


『……ああそうだ、だからこちらから操作ができない、だから通電さえしてくれれば、私の機械の女王の能力で遠距離から機械を操作できる』


「どういう能力だ? かなりチート臭いが」


『……機械の女王は、すべての機械をいう事を聞かせられるという能力だ。実を言うとネットにつながっている必要もない。ネットにつながっている物は、遠隔で操作可能で、ネットに繋がっていなくても、私の目の届く範囲なら可能だ』


「やはりチートか、だが、此処のダムはどうなんだ? ネットにもつなげないといけないんじゃないのか?」


『……そうだな。起動だけしてもらえばいい。それでネットにつながるはずだ』


「そうか、では、全員聞いてくれ! 今から部隊を二つに分ける。俺と、蜂須賀はこっちで先行、静と前野はこっそり追いかけて来て、だ」


「了解」


「兄ちゃんも頑張って」


 前野と静が返事をして、物陰に隠れる。俺と蜂須賀は正面から突撃を開始。やはり突撃は、蜂須賀がともにいるとやりやすい。慎重にドアを開けると、中には女の子が端っこの方に座っており、その女の子が歯車を持っている。


「お、お嬢ちゃん、それを俺に……」


「いやぁあああああ!」


 ナイフや包丁が大量に飛んでくる。どうなっているんだこの中は! どうしてこんなに刃物があるんだ! しかもあの女の子めっちゃ俺を嫌がってくる、悲しい。とりあえずドアをもぎ取って防御したがそれ以前に、


「大丈夫ですか! 木下さん」


 蜂須賀が敵の攻撃をはじく壁、いわゆるバリアを展開した。


「やっぱり、蜂須賀の能力は強いな」


「木下さんが弱いだけですよ」


「あーうん」


 俺怪力しか持ってないからな。それはそうと、あの女の子はどうしたものか。動く気配がないな。


「何とかして、おびき出さなくては」


「うーん、そうだ、神力で浄化とかできないんですか?」


「そんなに神力は便利な物じゃないんだけどな」


 俺は、祈りをささげるために、手を合わせようとしたところ、


「お兄ちゃん待って!」


 静に止められた。


「どうした?」


「そんな、暴力的? な解決方法じゃ駄目だよ。私が、その子の話を聞くから、こっちに来て! 蜂須賀さんは手伝ってね」


「お、おう」


「? 分かった」


 俺と蜂須賀は返答し、俺は茂みへ、蜂須賀は壁を作りながら、静の前に立つ。


「前野、索敵の方はどうだ?」


「はい、接近してきている敵がいますね」


「ほう、どこからだ?」


「はい、俺たちが通ってきた道をそのまま通ってきています」


「成程、で到達時間は?」


「あと2分です」


「分かった」


「分かったよ」


 静が話を聞いてくれたようだ。


「で、どうだった? 何とかなりそうか?」


「ええ、あの子は真井 ピコ。福留の助けになりに来た幽霊だよ。で、ポルターガイストを起こしていたらしいんだけど、福留に気づいてもらえなかったらしく、此処でしょげていたらしいんだ。で彼女の条件は彼女を福留の所に連れて行って、姿を見せたいそうなの。お兄ちゃん、どうかしら?」


「それで、歯車を返してくれるならOKだ」


 静はそれを聞くと、幽霊に向かって腕で丸を作る。すると、ガゴンと大きい音がして、歯車はハマり、ダムは動き出した。


「で、お兄ちゃん。敵が接近してきているんでしょう? どうするの?」


「ん、ああ、ここで迎え撃つわけにはいかんから、少し前に出る。そこで、戦闘だ。前野は変わらず、索敵。蜂須賀は、前に壁張り。静は、支援に回れ」


「「「了解」」」


 敵が来る前に、前進。管理室が雑木林で見えないぐらいまで前進すると、やっぱり蜂合わせた。敵は人間、だけど現代人には見えない。というか人ということしかわからない。靄がある様子だ。


「ほう、また悪魔憑きか、私の前に立ちはだかるなら、倒すしかないな」


「話が通じるのか? すまない、俺たちはあんたと戦う気はない。だから、通してくれないか?」


「すまないが、そうはいかない。私は君たちを倒すように命令されているからな。では戦いの時間だ」


 相手は弓に矢を番え、俺は、大太刀と小刀を構える。後ろでは、蜂須賀も銃を取り出し、前野はスナイパーライフルを構える。ちなみに静は観察に努めている。間合いが遠いな。そりゃ、弓を構えているから当たり前。さてどうしたものか。小刀を投げて使うか? とりあえずそうするか!


「そりゃ!」


 当たった! でも体に傷一つついてない。蜂須賀のハンドガンもちゃんと当たってもダメージになっていない。前野の方まで見てられないが、多分他の敵と狙撃勝負している。


「ふむ、こんなものか。では、君たちはここで終わりだ」


 此方の攻撃に動じず、矢を番え振り絞り終わった敵は、矢を、


「皆避けて!」


 放った。


「バリア7枚!」


 皆静の言う通り避けようと思ったみたいだが、そんなに体は早く動かない。だから、蜂須賀がバリアを張った。しかし、パリンパリンと嫌な音がしている。それを聞いて俺はすぐ、横に飛んだ。今までいたところを矢が通り、その風圧で、俺は少し飛ばされた。


「これで、威力殺しているんだよな? どんな威力なんだよ」


「あの矢、かすっても駄目! 矢尻に毒が付いているよ!」


 大声で静が皆に忠告する。その様子を見て、


「フム、君は、よく見える、いや聞こえるのか? ならば、君から倒すべきだな!」


 そう言うと、敵は静かに弓を向ける。そして引き絞っていく。こっから先は聞かれるとまずそうだ、なら念話で、


『何とかして止めるぞ! 静あいつの正体、弱点は聴けたか!?』


『もう……少し! 名前だけなら聴いたよ! ヘラクレス、あの有名な大英雄ヘラクレスだよ!』


『んな馬鹿な! 12の功業や、アルゴナウタイ、ギガントマキアーで大活躍したというあの!? いやいや、そんな神話上の人が此処に居るはずはない。なら、同名人物か?』


『その、えっと、神話に出て来たヘラクレスだよ』


 そんな念話での会話をしつつ、俺は、敵を斬りつけるが、一切ダメージが入らない。その間にも、蜂須賀がバリアをヘラクレスと静との間に大量に作っている。


『前野お前の方はどうだ!』


『なんとか倒した。相手はヘラクレス一人。こっちからも狙えるぞ』


 もうすぐ、矢が発射される。そんな時に、やっと、静が動き出した。走り出して、違う岩陰に隠れる。


『なら、火の魔術を込めてた弾丸を撃っちゃって!』


『ああ』


 しかし、その瞬間に、矢が放たれた。俺はそれの風圧で吹き飛ばされて、バリアもすべて割れていく、弦の音に反応して何処かに飛び退いたように聞こえた。


「静、大丈夫か!」


「う、うん!」


「くそっ、うちの静に攻撃しやがって!」


 思いっきり、大太刀で斬り付ける。しかしダメージは無い。あの弓がやばいんだ! だから、だから!


「ウォオオオオオオオ」


 弓に一撃を入れた、すると、弦が切れて、


「フム、これでは、撃てんな。なら」


 ヘラクレスは何処からともなく剣を取り出した。その剣も、靄がかかっていて、刃先の長さが読めない。


「くそっ止まれ! 止まれ!!」


 正面から抑えにかかるが、すぐ上に投げられて、その落ちる先、ヘラクレスの頭上に剣を構えられて、このまま落ちる貫かれて死んでしまう。


「おい、こいつ火が弱点じゃないのか、全然通らない!」


 悪魔の力で復活したぞ。前野は銃で撃っているみたいだが、ダメージが入っていない。このままじゃ!


『前野さん、私に合わせて!』


 静の念話が飛んだ、それに頷く前野。俺も動かないとな! バリアから降りて、背後から斬撃を入れる。しかしダメージは入らない。次に掴まれてはいけないから、後ろに跳ぶ。ってもう、静の目の前まで来ている。


「逃げろ、静!」


「大丈夫よ!」


 静が収納空間を開き、瓶を投げつける。しかし、それは回避されて、そのままヘラクレスは一撃で静の腹を貫いた。


「む? 成程、油か。これは……」


 静の収納空間から、油瓶がもう一つ出てきており、腹の前で割れている。さらに今投げた油瓶は蓋が開いており、そのまま道になる。


「ゲホッ」


 それを合図に前野が油の道と本体に銃を撃ち込んで、やっとダメージを、


「成程、私が負けるとは、まあいい、あいつのいう事を聞くのも癪だったしな」


 一撃与えただけで、ヘラクレスは消え去った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ