34話 通信記録
通信記録
「神奈、通信来ているよ。どうする?」
「ああ、繋ぐ。皐文はそのまま、作戦を立ててくれ」
「了解」
通信相手を確認。まあ、予想通りの相手だ。まあそう思ってさっきは、繋ぐと答えたのだ。
「何用だ。お前が今、村を襲っているのは解っている。今すぐやめろ」
「なら今すぐあたしを元いた世界に戻せ! 早く、あいつに、真井に顔を見せてやらないと! 絶対にあたしのことを、心配しているんだ!」
やはり、福留か。かなりプッツンしている様だし、疲労もたまってそうだ。
「それは無理だな。何故なら、私たちも、この世界から出る方法を探している途中だからだ」
「嘘を吐くな!」
「嘘はついてないさ」
「一人、毎晩のように姿を消しているのは、知っているんだ! それに今もいないじゃないか!」
こっそり、後ろで機械世界での戦闘の作戦を立てている皐文の方を見ると、すでになかった。
「そうだな。だが、あいつは特別だ。何故なら……」
「なら、その特別権限をもらい受ける!」
「いや、そういう特別では……」
「交渉決裂だ!」
プツンと通信が途切れる。取り付く島もないか。まあしょうがない。迎撃態勢をとるか。未来演算では勝確だしな。それにしても、皐文はどこに行ったんだ?さっきまで皐文がいた椅子の上に、紙が置いてあり、そこには、『ごめん、作戦立ててたら、やっぱり、時間が足りないことに思い至ったよ。だから、あっちの世界に行っておくね』と書置きがあった。成程。たしかにそっちも重要だが、此方も少々危機的状況なんだがな。
「まあいいか」
未来は見えているが、どうすればいいかは解らない。だから、居ておいて欲しかったんだがな、まあいい。だが、もう村は……。




