30話 比翼の鳥
比翼の鳥
目を覚ますと、何故か瑠亜に背負われていた。
「お、おはよ。これはどういう事?」
「おはようだべ、もうすぐ追いつきそうだから、少し早くに出たんだべ」
走りながら答える瑠亜。息一つ切れていないのが凄い。
「な、成程。でザラタンはもう……見えているね」
そう、見えている。大きい動く山が見えている。というかザラタンって確か島に化ける亀だよね。でも陸亀のパターンも有るって事なのかな? 又は、海の場合でも足が海底についている可能性も……。
「では、全速力で行くでござる」
千代の言葉に、皆が、
「おう」
「はい」
と答えるけど、私は少し楽したくて、
「私は背負われたままなのかな。まあそっちの方がいいけど」
「分かったべ」
と答えて、楽が許された。それにしても、なんか甲羅(山)の上の方に影いや、太陽を遮っている物が見える気がする。ここからだと、小さく見えるけど、本来はウマぐらいの大きさがあるかも? それも40~50個はある。接近するごとにそれらも大きく見えてきて、やっぱりあれは、
「皆、上空にペガサスの群れが!」
「ペガサスって群れるんか!?」
「でも群れてますね」
「馬は群れるので、あり得るでござる」
「あ、見つかった」
ペガサスたちがこちらを見ている。そして、全員が突撃してきた。
「なんかこっち来ているこっち来ているよ!」
「敵と認識されたみたいでござるな!」
「に、逃げるべ!」
「いえ、向かい討ちましょう」
「「「ええー!」」」
乃理の言葉に皆が驚く。あんな量どうやって迎え撃つ気なんだろう?
「ここは立ち向かって、なんとか敵中に入るべきです」
「でもあの大群どうするべ」
「あんなもの!」
乃理がマシンガンを構えて撃ち出す。10、20よし! 30体は落ちた! いや、消えた。これなら行ける!
「けどまだまだ飛んできているべ!」
「あ、本当ですね!」
まだまだ、大勢こちらに向かってきている! ど、どうしよう。とりあえず、
「ファイア!」
炎の玉を投げつけるけど、そんな簡単に敵を倒せるわけもなく、1匹を倒しただけだった。
「弾幕張るべきでござろうか」
「そうですね」
「みんなでやるべ!」
その会話の後、熱風が吹いた。目を開けていられないほどの熱風。数秒後、なんとかそーっと目を開けると、ペガサスは消え、亀の背中には一匹の比翼鳥が立っていた。アレはあの輝く羽は、太陽のような鳥は!……。
「凰かな?」
「何ですかその生き物?」
「神奈の研究所に居た、鳳凰の片割れだと思う。比翼の鳥で雄が鳳、雌が凰だったかな?」
「成程、鳳凰の雄と雌なのですね。2匹で共に飛ぶ鳥という事ですね。1匹では、片翼のため飛べず、2匹で羽ばたく鳥と記憶しています」
流石乃理、理解が早い。でもあれが凰だとしたら、
「その通り。だから、あの状態だとあそこから動けないんだ。助けてあげたいな」
「分かったべ」
瑠亜がそう言うと私を持ち上げて、思いっきり投げた!
「ふぇええええええええ!」
なんで投げるの! こっっわ! でもこれなら、簡単に接近できる! すぐ助けるよ! しかし、凰が一鳴きすると、私を炎がつつみ、そこで意識が……。




