28話 ザラタンの行方
ザラタンの行方
「アミ様、アミ様!」
「大丈夫。生きているよ」
乃理が私を揺すっているのが分かったから、とりあえず返事。周りを見渡すと、乃理のほかに、瑠亜がいた。けど、千代の姿が見えない。
「千代は?」
「千代なら、今探索に出ています。みんな無事です」
「なら良かった」
私ことアミは体を起こしつつそう答える。
「で、どういう状況?」
「はい、詩織たちが場所を送ってくれてまして、今は、え~っと、出ました、村にまっすぐ向かっています」
「え……。まさか」
もしかして、村に向かっている、そして、滅ぼそうとしている?
「アミ様の想像通りで間違いないかと、わたくしもそう思うので、何とかして追いかけましょう」
「戻ったでござる。食料を取ってきたでござる」
千代が戻ってきた。
「ありがとうございます」
千代が戻ってきたなら、
「作戦会議だよ」
「はい」
「承知」
「んだ」
ご飯を食べつつ話し合うことにした。
「と言いますが、早めに移動を開始したほうがいいかもしれません」
「まあそうだよね、でもご飯も食べないとだから、食べてその隙に少しでも作戦を立てておきたいなって」
「ご飯は必要でござるか? たしかに、お腹は減るでござるが、我慢できないほどではないでござるよ」
「それが、古い物を出して、新しい物を食事で入れないと、体が霧散するらしいんだ」
「こわ!」
「怖いべ!」
皆怯えている。でも真実らしいから、しょうがないよね。
「まあ、この話はまた後で。それより作戦だよ。なんか考えある人いる?」
皆反応しない。ならば、
「まずは状況整理かな? 最初にあの大きな亀? は、ザラタンだったかな、は私たちの村に向かっている。次に、その亀の背中に有った洞窟に詩織たちが乗り込んだ。その後に私たちは踏みつぶされて、この有り様。てな感じかな」
「あの大きい亀は、ザラタンっていうでござるか。では拙者から一つ、今の現在地から、マップを見て、割り出すに、彼奴は後2日で村に着くでござる」
「……早くない?」
「だが、その前に、おらたちが追い付けそうだべ。最悪の場合はおらの村からショートカットで飛ぶのもいいべ」
「そういえば、その手がありますね。では、戦闘はどうしますか?」
「ザラタンだけなら、水蒸気爆発を用いて、足元、または足を攻撃して、動きを止めたいなあ」
「それが、神奈様からあの大亀は、テイムしてほしいと言われていまして」
「へ? どういう事? というかいつの間にそんな通信を?」
「アミ様が寝ている間に通信が来ていまして、詩織様が神奈様に伝えられたみたいでして、神奈様が全体に一斉通信で、ザラタン捕獲作戦を通知していました」
「へーどれどれ」
通信端末を確認。たしかに、来ている。内容を見ると、皆、お疲れ様。早速だが今、ザラタンと呼ばれる巨大亀が、福留を乗せて村に向かってきている。このままでは村が危ない。だが、ザラタンは捕獲したい。なので、アミにザラタンをテイムさせてほしい。作戦は今立案中、敵の詳細頼む。
「神奈にしては、すっっっごく適当! どういう事? しかもあんなのテイムできる気がしない!」
「たしかに、神奈様にしては適当ですが、テイム出来なさそうなのですか?」
「うん、自信ない……」
「だが、やることははっきりしたべ。何とかやるしねえべ」
「では、拙者たちで威力偵察をするでござるよ」
「たしかにそうした方がよさそうだね」
「では、出来るだけ接近する。これが第一目標ですね」
「「「おー!」」」
皆で残っているご飯を食べて、ザラタンを追いかけて走り出した。
数時間後
「もう少しで追いつきそうですが、どうしましょう。いったん休憩を入れたほうがよさそうな気がしますが」
「そうだね。すっごく疲れたよ」
「このまま行ってもこちらは疲労がたまっているから、負けるだけだべ。ここは、休憩するべ」
「そうでござるな。では、テントを……、普通のテントしかないので、此方を使うでござる」
皆でテントを組み立てて、残っていたご飯で腹を満たして、ごつごつした地面で寝ることになった。




