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17話 絶望

 絶望




「準備はいいかい? 文」


 血まみれの皐文が文を守りつつ聞いている。


「ああ、君が守ってくれている間に、完了した」


「じゃあ、お先に帰るよ」


「ああ後は任せろ。そして、任せた」


「そっちこそ、逆転の一手、任せたよ」


 皐文が視界から消える。帰ったんだと思う。逆転の一手?


「貴様一人でどうするつもりだ?」


 残ったのは私と文。笑いながら文に訊いている、アポロン。でも、本当にどうするんだよ。これはもう絶望的いや、絶望だよ。


「……皐文からもらった、接続器で、なんとかできそうだ。異世界端末に接続。神奈の能力使用権限を使用。機械の女王を使用申請。受諾確認。やれることはある。ほら今も、少しずつ動きが、遅くなっているだろう」


「ん? 何の話だ?」


(空間を固定。記録……完了。アミ、少し動けますわね。数秒後にすぐ横の戸を破って飛び下りなさい。魂情報の保存能力の応用で、この場所に、この体を縫い付けますわ)


「どう……いう……こと」


(良いから、早く準備なさい)


 こっそり動いて、戸を破り、その瞬間見た、動いた私に気が付いて、マーズがこちらに銃を撃ち、あ、もうダメかな。なんでこんなことになったんだろう。もう少し、もう少し早く寝ていれば、いや、作戦立案に参加……いや、自惚れ過ぎだ。そんな事で変わった筈はない。そっか、悪魔に憑かれたからこうなったのかも。ああ、そんなことを考えていると、ぬらりひょんが、そこに立ちはだかり、撃たれたのを。


「なんで?」


「我の洗脳を解いてくれた礼じゃ」


 なんで私なんか助けるんだよ! なんで! なんで……。


「一度リセットする、裏技も裏技、一度きりの大技、復旧までの時間なんて知ったもんか、さあ行くよ! フリーズ・ロストタイム・ワールド」


「ど、どういう事だ、体が思うように動かない! まるでスロウになったような……! まさか、これは処理落ち! という事は、この世界を落とすつもりか! だがどうやって……、まさか、すべての地域をアクティブにしたな! だが、お前も記憶は引き継げまい、同じ目に合うだけだ!」


 私は落ちながら眠りにつく。けど、けど! この記憶、絶対に持って帰る!


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