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15話 悪夢

 悪夢




 今日の進軍は、何事もなく終わって、夜。疲れはしたけど、そこまでしんどくはない。ご飯も食べて、布団に入って次に目を閉じると、また戦場だった。いや、悪夢だった。


「おはよう、いや、こんばんは? どっちでもいいや。今日はどう……? いやなんか雰囲気悪い」


 皆に睨まれる。いや、本当に空気悪いね。ど、どうしたんだろう?


「……悪いね、アミ。なんせここまでで、式と光を失ったからね」


 文の言葉に私は、返す言葉が一瞬浮かばず、次に頭に浮かんだ言葉を発してしまう。


「ど、どういう事? あの二人がそんな簡単に……」


「簡単には死ななかったよ。簡単には死なずに、式は敵戦艦、空母を道連れに。光は裏切った魔法少女と相打ちに。だから、簡単になんて言わないで……!」


 奈波が大粒の涙を流しながら、それでも前を向いて声を出す。


「ご、ごめんなさい。魔法少女は裏切ったんだね。って魔法少女って誰?」


 私は、魔法少女と言う言葉に疑問を持つ。そんな仲間いたっけ?


「昨日の昼仲間になったと思っていたんだ。けど、疑っていたんだ。そしてそれは正解だった。ライトとファイアは裏切って、他の魔法少女と光がそれを止めて、その際に、魔法少女は全滅、光は帰らぬ人に、って今話している暇はなかったね。みんな今すぐ船を降りて、あの砲台は、僕が破壊する!」


 皆が何かに警戒しているようで、皐月がそれを破壊すると言っているみたい。でもどこにそんなものが?


「いや無理よ。あの砲台この船じゃ届かない。ただでさえ、武蔵は落ち、他の艦艇を出そうにも私の魔力が足りてないから、出せないって言いうのに」


「ど、どういう事。たしか、魔力には、リソースには困らないって話じゃ」


 皆急いで船を降りていく中、私は皆に聞く。だって、サターンとヴィーナスが資源を届けてくれているはずじゃ。


「走りながら話すから、付いて来て」


 と文。とりあえず追いかけよう。


「さっきの追加でよくない話。ハワイにあれが攻撃してきた」


 上を指さして、文は言う。つまり、あの上空にあるさっきから気になっていた、逆さの黒い鉄塔を見る。あれ何? 今は、エネルギーを吸収している様だけど、そのうち撃ってくるって事だよね。


「それによって、ヴィーナス、サターン、礼華たちとの連絡が取れなくなっているんだ」


「それってほぼ」


 なんでこんなにも味方が死んでいるんだよ! その言葉を飲み込んで、涙も拭いて、前に進むために、他に犠牲を出さないために思考を開始する。つまり、無限魔力ではない状態で戦わないといけないって事だよね。


「そう、足元が崩れたんだ。つまりこの戦、かなり厳しい戦いになるよ」


「まあ、そうなるねっと」


 文を突き飛ばして、私は防衛体制に入る。昨日の槍持ち! しかも二人とも!


「貴様を倒す! このロンゴミニアドの」


「ぼ、僕が倒すんだ! 蜻蛉切の」


「「この一撃で!!」」


 ラプターとスゴンドだ。なら、私は勢いよく、前に跳ぶ、文と同じ方向に行って、何とか回避した。地面が抉れ、地割れも発生する。何この威力。相手にしたくないけど、どうしようもない!


「くそぉおおおおお! 文は逃げて!」


「わ、わかった、死なないでね」


「うん、ここは任せて」


 文はここから離れて、敵本丸へと向かっていく。そっちに行って大丈夫かな? そんなことより自分の心配をした方が良さそう。ロンゴミニアドは防衛できるけど、蜻蛉切は防御すると私が真っ二つになるからね、となると、双方回避が望ましいかな。ならば、小さくなって、


「貴様、隠れるのならさっき逃げたやつを追う」


「なっ」


 それは、止めてもらいたいから、私は普通の大きさに戻る。


「卑怯者!」


「それはそちらであろう。隠れて、相手が此処に釘付けになる筈が無かろうて」


「それはそうかも……」


 って何納得してるんだ私! けどまあ相手が正しい気もするし。そんな事より、双方空から急降下してその後すぐ空に戻るから、回避しかしようがない!


「やっぱり、卑怯じゃないかな! 空からチクチクと!」


「それのどこが卑怯なんだ?」


「私は……」


 空を飛べないのを相手に教えても、余計、空を飛ばれるだけだ。


「何でもない! けど、君たちがそういうことするならこっちにも考えがあるよ!」


 ラプターがやっぱり、槍を構えて、此方に飛んでくる。そこを私は何とか捕まえて、


「どっこいしょ!」


「な、此方の兵力を合わせたロンゴミニアドを受け止めるとは!」


 それを、スゴンドに向かって投げつける。スゴンドは槍を収め、なんとかキャッチする。んで、ロンゴミニアドの能力少し見えたかも、この戦場にいる味方の戦力をロンゴミニアドに上乗せする感じかな? というか魔力が少なくなっているよ。sgmを使わざるおえない。


「成程考えおるわ。スゴンド、援護する。だからお主が戦え」


「は、はぃい?」


 スゴンドがきょどっているけど、でも前に出てくる。という事は、スゴンドを潰さないといけないわけだ。


「キッツいなぁ」


 一直線にこちらに向かって、槍を前に構えて突っ込んでくる。その左右に銃撃も飛んできているよ! これなら、ラプターの攻撃を受ける方がマシかな。いや、スゴンドの一撃は避けれないとして、銃撃なら前後に避けるって方法もある! 斜め後ろに下がりつつ、


「イタタタタ!」


 というか銃撃を痛いで済むこの体、凄い気がする。


「フム、豆鉄砲では効かぬか」


「どんな体しているんだ。こいつ!」


 銃弾を一つキャッチして、スゴンドに投げ返す。そのまま銃弾は胸に吸い込まれて、


「ぐがぁ」


 こっちに向かって飛んできているから、簡単に仕留められた。となると後は、ラプターのみ!


「光線が来るぞ! 皆退避!」


 へ? さっき皐月が破壊するって言っていた、砲門から光線だ! どうしよう、どうしよう! 皐月を助けなくちゃ、砲門がちょうど皐月を狙っている! しかし、私が助けに入る前に、光線が駆逐艦に向かって撃ち込まれた。


「そ、んな」


 足から崩れ落ちそう、でも、なんとか踏みとどまって、アレを壊さなくちゃでも、最大巨大化しても届かない、ジャンプもできない、この体じゃと、悩んだけど、思いつく、後ろから飛んできたラプターを一撃喰らいながら、叩き潰す。そして、ロンゴミニアドと、落ちている蜻蛉切を拾い上げて、一本、また一本投げる。それらは、うまく、砲門に当たり、真っ二つにそして、粉々になり吹き飛んだ!


『マーキュリーと皐月もやられた。どうしよう。とりあえず、攻め込むしかないかも』


「雛は戦闘狂だなぁ、でも付き合うよ。奈波も一緒に行くよ」


『うんそうしようか』


 私はこれ以上一人とて死なせないために、たぶん皆もおんなじ気持ちだと思う。だから、皆で集まった。残った5名、皐文、奈波、文、雛、私ことアミは城の前で集合した。


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