12話 悪魔の気持ち
悪魔の気持ち
「貴女はどうして悪魔になったんだい」
思い切って聞いてみる。杉谷さんは、悪魔に憑りつかれるような年齢ではないように見えるからすごく気になった。悪魔憑きが現れるようになった原因の戦争が13年前、その直後から生まれた子供が悪魔憑きになるという呪いのはずだ。
「え~っと、私には判りませんが、最初に憑りつかれたのは、妹でしたわ。ですが私が祈るとその悪魔が私に乗り換えたみたいでしたわ。いい悪魔さんのようで良かったですわ」
『うーん、それはないですわね。わたくしに憑いていた悪魔が言っていたのだけれども、今意識を持って動いている悪魔は、アミ、あなたに憑いている悪魔と、他の世界にいる、他の悪魔だけのはずですわ。つまりわたくしに憑いていた悪魔の眷属はただの子供たちを暴走させるシステムですわ』
頭の中で六角が語り掛けてくる。
『え、じゃあ、そのほかの悪魔が憑いているとかじゃないのかな?』
『違いますわね。あの子からは私に憑いていた悪魔の眷属の気配がしますわ。そして、わたくしが調べてみたところ、あの子の能力は、身代わり。誰かの身代わりになるという能力ですわね』
『じゃあ、それで自身を身代わりに? それって』
すごくカッコいいな。私はそう感じた。
「貴女は、先天的能力って知っている?」
「先天的能力? えっと生まれながらに持つ能力のことですわよね? でも私がそんなの持っているとは」
あ、これは知らない反応だね。じゃあ、
「知らないならいいんだ。けど、優しい悪魔なんていないよ。悪魔が憑りつく相手を変えたのは、貴女が優しいからだよ」
「そんなことありませんわ、今でも暗い気持ちに……いえ、あなたには関係ない話ですわね」
詳しく聞くわけにはいかなさそう。そう思い、
「わかったよ。でも、悪魔の憑く相手が変わったのは、間違えなく、杉谷さんが優しいからだよ」
「……ありがとうございます」




