11話 放送局侵入
放送局侵入
「やっと着いたー!」
ここが異世界の京都。なんか京都タワーより大きいタワー立っているし。
「何あれ? この世界独特の物だよね?」
と大きい方のタワーを指さす。
「ああ、あれは、日本が半没している世界に見られるもので、電波塔らしいよ。今からあそこに向かって、さっき説明した通信機を接続するんだ」
「で、ついでに、悪魔憑きの人も探す感じだね?」
「そ」
私は悪魔憑きになっている人を探すために、頭の中で、データベースにアクセスと呟いて、アクセスした。そして、通信端末の地図と見比べて、その人物は、
「恐らく、あの電波塔にいる。それも、一番上まで登ろうとしている?」
「何をするつもりなんだろう? とりあえず急ごう!」
「うん」
とりあえず、塔の下まで来た。見上げると、
「虫? いやなんか大きくなっていってる? あ、何か落ちてきているんだ!」
よく見ると、月明かりの中、一人落ちてきている。思わず私は、手を巨大化。受け止めた。
「だ、大丈夫?」
「ありがとう、大丈夫です。あんたたちは誰ですか?」
あ、男の子だ。すぐに立ち上がって、手の上から降りて来た。
「私は、アミ、こっちのは」
「皐文だよ。早速質問なんだけど、君は誰だい? そしてどうしてあれに登っていたんだい?」
「僕は加藤、加藤 友則だ。僕の能力は予知で次の日の予知ができるんだけど、その予知で、あの電波塔から、よくない電波が発せられるっていうのを見たんだ、アレのせいで世界は混乱するっていうね」
「あーそうなんだ。ちょうど僕たちもあの電波塔に用事があるんだ」
「って事は、あんたたちが悪い電波を?」
あ、これ敵対する奴だよね。どうしよう? 予言者ならここで倒した方が楽かな?
「とりあえず、話をしようか。僕たちは世界を残すために活動しているんだ、混乱させるつもりはないよ」
「そうなのか? だがタイミング的には」
「そうだね、多分僕たちが混乱させるんだろうけど、でも手段であって、目的じゃないんだ」
「そうだとしても、混乱させてしまう事には変わりないよね」
ぐぐぐ、この加藤って人、ああ言えばこう言う! 簡単に頷いてくれないや。
「そうだね。それでも、世界を救うためなんだ」
「口でならなんとでもいえるよ」
「そっか、じゃあ、アミ」
「ん?」
「任せた」
「は?」
そう言うと皐文は、ドロンと姿をくらました。
「はぁー!?」
「くそっ! 何処へ行った!?」
ボーゼン。ってそんな茫然している場合じゃない! 足止めしないと!
「待って!」
「君の相手をしている場合じゃないんだ!」
「聞かなくてもいい、ただ足止めさせてもらうよ!」
加藤を追って、私は手を巨大化させつつ、伸ばして捕まえようとする。しかしその手は空を掴んだ。
「あ、あれ?」
なんでか、捕まらない。もう一度!
「捕まるもんか」
な、なんで、まるで予測されている……成程。分かった。あいつは、なら。左手で火の玉を作り、右手を伸ばして加藤を捕まえようとする。すると、
「やっぱり」
捕まえるために手を伸ばしたのと同時に、火の玉を手の左側に投げ込んだのだが、襲ってくる手を乗り越えて避けられた。
「予知能力を短く使っている感じかな? なら、これで!」
両腕と両手を巨大化、捕まえるために両側面から襲い掛かった。
「な! そんなこのままじゃ!」
よしこのまま、捕まえる。
ぷちっ。
「あっ」
つ、潰しちゃった。でも手の中で何か動いている。恐る恐る手を開くと、
「え? 再生している?」
体が、結合して、元に戻っていく。なら、この人は。
「悪魔憑き?」
とりあえず、近くに持ってきて再生を待つことにした。