名探偵の花子さん
送ったものの選ばれなかった作品です。
私の母校には、奇妙な噂があります。
それは、今は老朽化して危険だからという理由で立ち入り禁止となった、旧校舎の女子トイレに…………花子さんが出るというモノです。
そもそも、花子さんのルーツは江戸時代の厠神信仰で、女の子の人形や花が捧げられたりして今の感じになったらしいと言われていますが……私の母校の花子さんは、別に神様というワケではありません。
彼女の正体は、生前、俗にいう文学少女(主に推理ものが好み)であったけど、ある日トイレで読書をしている時に昭和東南海地震に巻き込まれ、ドアが変な風に傾き脱出できなくなり……そのまま命を落とした少女です。
そしてそれ以降、彼女は旧校舎のトイレに、幽霊になって現れるようになり……常にその灰色の脳細胞を満たす事件を求めているらしいのです。
『さぁ、今回警察は……どんな事件で私を満足させてくれるのかしら!?』
まぁ、小学校時代に友達との悪ふざけで旧校舎に肝試しで来て……それで彼女と出会って以降それなりに仲良くなり、ついでに言えば彼女との付き合いの中でそれなりに頭が良くなり、今や地元の警察の刑事となった私からすれば……推理の神様と言ってもいい可愛い協力者だけどね!
これは私こと川谷ミコと、安楽椅子探偵ならぬ便座探偵な花子さんが紡ぐ、時に心霊現象絡みの事件を解決しちゃったりするオカルティックミステリーだ……ってやっぱ汚い!?(泣