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真下伊豆子




「あらそうなの。ふふふっ!あなた面白いお嬢さんねえ」



「よく言われます。でも最初だけねえ!と周りからは言われちゃいます」




「あははは!本当に面白い娘ねえ」



主婦の名前は、真下伊豆子。若々しい美人で、子供はまだいないそうだ。最近越してきたようで、どうりで見た記憶もないと思っていた。越してきたばかりなのに、夫は単身赴任中。ブラックだなあ。まあ、男はどうでもいい。

伊豆子さん、柔らかい人柄で、喋っていると母親とはこういうものなのかも知れないなーと、ほんわかした気持ちになった。何にもなければ、このままダラダラとずーと喋っていたいんだけど、楽しい時間も有限らしい。

雑談まじりに歩いていたら、奥さんの家の前に着いてしまった。あー楽しかった!うん、人影無しと。

私は本題を切り出す。





「旦那さんが居なくて、夜1人では寂しくないですか?」




えっ?という顔の奥さんに、立て続けに私は押す。




「私だったら寂しいなあ!3ヶ月も誰ともしないなんて寂しくて気が狂っちゃう」




「ど、どうしたの......」




セーラー服を片手で下げて、首筋から鎖骨にかけて和ちゃんに着けられたキスマークを、奥さんに見せつける。ハッとする奥さん。どうしていいか分からない表情を浮かべる。





「女同士でも出来るんですよ?ご存知ない?」





「あ、貴女何を言って」




「奥さんは魅力的ですから、そんな気分にさせられるんです。責任とってもらえますか?」



ザッと動いて、後ろのコンクリートの壁に、両手で動けないように手を繋げて、片足を相手の股に挟みこむ。奥さんは、ジタバタと逃げようとするけど動けない。




「や、止めて!」




「止めませんね」




私は、ただじっと奥さんの顔を見る。真剣な御持ちちで見る。すると奥さんは、私の目を見て黙ってしまい、抵抗する体を動かすのを止めて、眼をつぶった。




「........」




了解。伝わったようだ。

優しく、優しくキスをしていく。じっくりと時間をかけて。ゆっくりと、ゆっくりと、舌を絡ませていく。逃がさない。抵抗している相手の力を、徐々に奪っていく。優しく、とても優しく。口の中を割っていく。



5分たったぐらいか。

抵抗を諦めたように、私の舌に弄ばれるがままになる奥さん。やがて、自分からも舌を絡ませて来るようになった。

頃合いかしら?


重ねた唇をゆっくりと離す。

唾液が放物線を描いて垂れる。





「ねっ?奥さんもそんな気になってきたでしょ?」




「いけない、いけないわ、こんな事」




優しく重ねた両手に、少し力を入れて相手の瞳を真っ直ぐ見る。伊豆子は、形だけの否定の言葉を止めて、黙る。私は笑みを口元に浮かべながら、止めを刺す。




「大丈夫、誰も見ていないわ。続きは家に入ってからね?」




潤んだ眼を背け、唇をキュッと引き締めながらも、伊豆子は観念したかの様に、紅く染まった顔をコクンと縦に振る。


もう、捕まえておく必要はない。腰に手をやり、2人で伊豆子の家へお邪魔する。

その時、大和和子が横目で見えてしまった。こちらを凄い眼をして睨んでいた。




あーあー

誰も見てないハズじゃなかったの。

和ちゃんに、もう私がこんなだってばれちゃった。

どーしょうもないいつもの展開ね。

仕方ないから、とりあえず情事にふけりますか。


キィと、玄関のドアが閉まり鍵がかかった。






続く








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